カザクバエフ芸術監督を直撃インタビュー!~3~
By russian-festival. Filed in いちのへ友里 |それでは、ファイジー・ガスカロフ記念国立アカデミー・アンサンブルのフィリュス・カザクバエフ芸術監督にお話を伺ってみましょう!
——ロシア国内で活動する数多くの民族舞踊団とは違う、あなたのアンサンブルの特徴はどんなところでしょうか?
芸術監督ーー基本的には他のロシア民族舞踊団と違いません。というのは、踊り方をはじめ、衣装や音楽に至まで、我々はロシアの教育のもとで学んでいるからです。劇団には民族的なロシア人はほとんどいませんが、首都モスクワやペテルブルグで学んだ素晴らしい人材によって質の高い教育が行われていますから、ロシアの踊りを最高のクオリティで踊ることができると自負しています。バシキールならではの特徴というのは、作品のストーリー部分です。これは、ほかのどの国とも、どの民族とも違う部分で、それぞれの作品にストーリー性があり、すべての踊りにバシキールの心が表れているのです!
ーーそれこそ、創設者ガスカロフ氏から受け継がれているものですね?
芸術監督ーーええ、そうですね。ガスカロフはかの有名なイーゴリ・モイセエフの愛弟子ですから、私たちはモイセエフのバレエ団とおなじように質の高いロシアの踊りを踊ることができます。他方で、ガスカロフは自ら数多くの地域をまわり、さまざまな民族の歴史や生活、習慣などに触れ、祝宴など実際の生活のなかで踊りがどのように育まれているのかを深く探り、民族の心を理解して、それを芸術の域にまで高めました。ソ連時代にガスカロフによって産み出されたこの独特の傑作を、保持していきたいと考えています。2010年には創設70周年を記念して、私たちアンサンブルの歴史博物館もできました。けれども、伝統を守るだけでなく、新しい演目も毎年追加しており、エストラーダ(大衆芸能・軽演劇のような意)的なレパートリーも組み込むなど、現代の観客にも合うように趣向をこらしています。
そうそう、世界的に有名なヌレエフというダンサーをご存知でしょうか?彼もバシコルトスタンの誇る英雄のひとりです。2006年に開設されたアンサンブル付属のダンス・スタジオでは、現在4歳から15歳まで約150名くらいの子供が未来のダンサーを夢見てレッスンに励んでいますから、ダンサーたちも日々進化しているといえるでしょう。
△公式サイトではこのスタジオについても動画で紹介されています。
ーー最後に、 今のあなたの夢を教えてください!
芸術監督ーー夢は・・・そう、この素晴らしい日本公演を、そしてこの温かく尊敬のこもった歓迎ぶりを、祖国のみんなに観てもらえたらいいのにということ!1939年に創立されてから初となる記念すべき日本公演をTV中継できたらよかったのにね・・・!!そして今度来日できる機会があれば、民族楽器の生の音色も合わせてお届け出来たらと思います!
ーー夢を叶えるためにも、どうぞまた日本へいらしてくださいね!ありがとうございました!