■2022年12月27日■ |
ディアギレフ生誕150周年記念バレエガラコンサート
ミハイロフスキーバレエ劇場のイリーナ・ぺレン、マラト・シェミウノフ出演
アクロバットバレエ、クラシカルバレエの楽しさを満喫
|
12月27日午後6時30分から渋谷区のオリンピック記念国立青少年センターカルチャー棟大ホールで、ミハイロフスキーバレエ劇場のイリーナ・ぺレン、マラト・シェミウノフと大勢の若手ダンサーが出演のディアギレフ生誕150周年記念バレエガラコンサートが開かれました。
「バラード」よりアクロバット、「青列車」、「火の鳥」よりファイアーバード、「アントニーニ」アダ―ジョ、「ホロビツアンの踊り」、「瀕死の白鳥」など24の多彩なプログラムで観客を楽しませました。主催はNPOちきゅう市民クラブ。
アクロバテックなバレエの魅力、興行的な楽しさー-仙場真理
1910年初演フォーキン振付「火の鳥」はロシアの民話をバレエ化したもので、ストラヴィンスキー曲とのコラボレーションの素晴らしさが、ペレンの柔らかな手首の動き、表情そしてシュミウノフとの動きの語り合いによってしっかりと伝わってきた。1917年上演エリック・サティ曲、ジャン・コクトー台本、パブロ・ピカソ美術・衣装、ディアギレフプロデュースバレエ「パラード」よりアクロバットでは、ペレンもシュミウノフも明るい紫色に大胆な模様のある全身タイツで、正にサーカスのような高度なアクロバットをバレエに取り入れた。1924年上演ダリウス・ミヨー曲「青列車」は、ヴァカンス地コート・ダジュールの海水浴場が舞台。当時の最先端のサングラスや水着を衣装として取り入れ、宙返り、派手なリフトなどのアクロバティックなバレエ。もちろんペレンの細くて長い手足、正統派の美しい動きが観客の見る目を何度もクラシカルなバレエに引き戻していたことだろう。
ディアギレフ亡き後、米国にバレエ団を設立するために渡米したバランシン作品「ジュエルズ」(1967年)を佐々木美緒、妹尾弥矢子が好演。フォーキン振付、ボロディン曲「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」では戦利品として連れて来られた娘たちの望郷の念こもるエキゾチックなバレエをアンナ・ダニロヴァ、髙木風音、杉本リカが踊った。そして観客が大いに盛り上がる盤石の演目「ドン・キホーテ」よりグラン・パドゥドゥでは鎌田真帆、新井悠汰が見事に期待に応えた。ガラコンサート24曲の最終曲は、「アントニーニ」アダージオ。ペレンは白い衣装と長いシフォンのショール、シュミウノフは全身黒の衣装で、アクロバティックでありながらもショールの使い方が見事で、ペレンの体が宙に浮いているのではないかと錯覚するくらいのテクニック、そして天女の舞にも似た神々しいバレエ。
ペレンとシュミウノフのバレエリュスの演目披露と共に、興行的楽しさを追求した古典バレエ、そしてバレエリュスから新境地を開いたバランシンのバレエで大いに楽しませた。(12月27日)
|
|
|