■2023年3月12日■ |
ミハイル・カンジンスキー夫妻(ピアノ&ヴァイオリン)のデユオリサイタル
心にしみたヘンデル、ヴィヴァルディ、モーツアルト、チャイコフスキー
豊かな表現力―後半のドボルザーク、ブラームス、グリーグの演奏
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3月12日、東京・大田区のイデアレーブイケガミにおいて、ミハイル・カンディンスキー(ピアノ)、美帆子カンディンスキー(ヴァイオリン)によるスプリングデユオリサイタルがおこなわれました。当日はヘンデル、ヴィヴァルディ、モーツアルト、チャイコフスキー、ドボルザーク、ブラームス、グリーグの多彩な作品が春の訪れの喜びを感じさせる豊かな表現力で演奏され、聴衆に感銘を与えました。
豊かな表現力と慈しむような演奏――佐野真澄
2023年3月12日、イデアレーブイケガミにおいてミハイル・カンディンスキー(ピアノ)、美帆子・カンディンスキー(ヴァイオリン)《スプリング デュオリサイタル》が行なわれました。九州や奈良から聴きに来られた方や、彼らのファンでほぼ満席の中、3・11や昨今の世界情勢のためにと、まず、ヘンデル作曲「オンブラ・マイ・フ」(ラルゴ)から厳かに始まりました。続いてヴィヴァルディ作曲「四季」より春 第1楽章。ピアノとヴァイオリンの組み合わせが新鮮でした。3曲目モーツァルト作曲ピアノソナタK.545は、カンディンスキーならではの、一音一音いつくしむような演奏が印象的で、聞き慣れた曲が心にしみました。前半の最後はチャイコフスキー作曲「四季」より3月ひばり、4月松雪草。鳥たちや春の訪れの喜びが感じられる演奏とともに、曲に添えられたA・マイコフの詩がロシア語で朗読されました。この会場は、珍しいチェコのペトロフというピアノで、後半の1曲目、チェコのドボルザーク作曲のユーモレスクは素朴で力強いヴィオラと生き生きと奏でられました。続いてのブラームス作曲ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」は、アルプスの自然と、息子を亡くした愛する人の心に寄り添う優しさに溢れた曲への深い想いが伝わってくる演奏でした。最後はグリーグ作曲抒情小品集より「フランスのセレナーデ」、「幻影」、「秘密」。輝きや艶のある音色、特徴ある和声の表現、余韻を感じさせる部分など、カンディンスキーの豊かな表現力とペトロフのピアノの響きも堪能させていただきました。
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