クラスノヤルスク民族舞踊団のステージは、
まるでファッションショーのよう!!
舞台裏には山のような衣装や小物!
なにしろ一人で10着以上もの衣装チェンジがあるのです。
暗い舞台裏でも分かるように
ダンサーはそれぞれ自分の場所を決めて、
着替えやすいように支度しておきます。
曲と曲の合間のわずかな時間、
舞台袖に引っ込むと同時に、
つま先から頭のてっぺんまで
目にもとまらぬ早業で変身!
そしてまた何事もなかったかのように
優雅に舞台に登場していきます。
どれもこれも細かいところまで凝っていて
しかも軽やかに踊れるように工夫されています。
カメラを向けるとポーズ!
笑顔で記念撮影にも応じてくれました。
「私たちのコスチュームは本当に綺麗で、どこの国に行っても、いつも皆に褒められます!民族衣装といっても、もちろん、舞台用のもので、専門のところで作ってもらっています。その衣装によって地元クラスノヤルスクで作ったり、モスクワで作ってもらうものもあります。最初はデザイン画スケッチを、モスクワやサンクトペテルブルグ、クラスノヤルスクなどの画家に頼み、そのあとでそのなかから好きなデザインを選んで、製作を依頼します。ですからこんな美しい衣装ができるんですよ。」
いつか今度はクラスノヤルスクを訪れて、
人気デザインのひとつだという
“ロシア正教の教会風”衣装というのも
ぜひ見てみたいものです!
クラスノヤルスク民族舞踊団「エニセイの朝焼け」初来日!
「え!?日本は今、冬なのかい」
「これで寒いなんて笑っちゃうね!」
「マイナス40度じゃなきゃ冬じゃないのさ」
冬物コートに身を包む私たちを横目に
出番を待つダンサーたちは休憩中も元気いっぱい!
そんな舞踊団のみなさんの地元クラスノヤルスクってどんな場所なのか伺ってみました。
「私たちの舞踊団の名前にもなっている、大きく美しいエニセイ川で有名です。
新しい家も建設され、道路も作られて、街はどんどん大きくなり、昨年ついに百万人目の住民が生まれました。日本から見れば大した数字ではないかもしれませんが、百万人ですから充分に大都市と言っていいでしょう!
エニセイ川の両岸に沿っているので、大自然に恵まれた土地です。クラスノヤルスク・ストルビーというところは世界的に有名で、高くて様々な形の岩を見るために、世界中から観光客が訪れます。また、ロシアで最高とされているリュージュ(そり)のコースもあります。川だけでなく、美しい山にも囲まれています。Тайга́(タイガ)と呼ばれる針葉樹林帯でもありますよ。住民は、非常におもてなし精神にあふれ、お客さんが大好きなので、色々な名所に案内してくれます。結論として……非常にいい都市です!」
今回のプログラムにも
第1部には「シベリアの遊び」や「シベリアのジプシーの踊り」、
第2部には「大シベリアの踊り」「ピクニックでのエニセイ・コサック」
など、クラスノヤルスク民族舞踊団ならではの作品が満載!
広大なロシアのさまざまな地方から
そこでしか見ることのできない文化芸術が日本へ……
「ロシア文化フェスティバルin JAPAN」の魅力のひとつですね!!
ひきつづき、ロシア文化フェスティバルをより深くご堪能いただく本について
長塚英雄・日本組織委員会事務局長に伺います。
現在準備中だという新刊についても、一足早く教えていただきました!
いちのへ テーマはいつもどのようにお探しになるんですか。
長塚 ロシア漂流民・日露戦争ロシア兵墓地・ハリストス正教会建築物・帝政ロシア遣日使節・ロ日関係偉人史蹟など、これまで132個ものテーマを探究・紹介してきました。しかし、驚くべきことに、日本の中のロシアに関するテーマは無尽蔵とも思えるほど次から次へとでてきます。私は古書収集も趣味のひとつなのですが、ロシア文化フェスティバルのイベントで日本各地へ出張する際に立ち寄った地元の古本屋で、思いがけなく興味深いテーマに出会うこともあるんですよ。
「ドラマチック・ロシア in Japan Ⅱ」
(2012年刊行 生活ジャーナル社)
いちのへ 今年2012年には、またまた魅力的なテーマ満載の第2弾が刊行されましたね。
長塚 おかげさまでご好評をいただき、新たに24本のテーマが追究されることになりました。昨年の3・11大震災の直後、ロシアを含め各国救援隊が来日しました。日本のマスコミは一様に日ロ関係史上初の出来事として報じましたが、私はこれに違和感を覚えていました。関東大震災の際に全露国民的募金運動を行い救援船が日本に派遣されたにもかかわらず、日本当局が横浜港から追い返した経緯があったからです。このことから、今一度、当時のレーニン号事件に焦点を当てることの重要性を感じてテーマに選びました。また、現在こう着状態の日露両国関係の打開についても、大戦後1956年の日ソ国交回復の歴史的教訓を再検討すべき必要性を感じていました。当時、政府・政権党内情勢の不安定にもかかわらず、調印に踏み切らせた要因の一つには、民間のさまざまなバックアップがあったのです。そこで国交回復の舞台裏で活躍した人々についても取り上げることにしました。
いちのへ 「ロシア文化フェスティバル in Japan」とこの「ドラマチック・ロシア」シリーズ本が相乗効果をなして、過去から現在、そして未来へとつづく日本とロシアの交流を深化させているのですね。ほかにはどんなテーマがあるのでしょうか。
長塚 文化テーマでは、長崎のロシア人と島尾敏雄や、トルストイと昭和女子大学の関係、日本最初の遣魯伝習生である市川文吉、女優松井須磨子のウラジオストク公演、ボリショイサーカスと日本の半世紀の歴史など。ほかにも社会テーマでは、ニコライ堂・ボドウォーリエ教会の法的経緯について、外交テーマでは、はじめて一般に公にされるもうひとつの領土紛争?帝政ロシア長崎領事館問題や、ロシア外務省に勤務した日本人についてなど。すべての原稿に新しい発見があるはずですよ。
いちのへ 第3弾も期待できますね!
長塚 序文を書いてくださった河東哲夫先生が“若い世代へ向けた新しいシリーズの始まり”と紹介してくださいましたが、今後も執筆者の輪を広げながら継続した続編の企画をすすめていきたいと考えています。第三弾では、「日露の群像」ー日本とロシアの文化・相互理解に尽くした日本人とロシア人に焦点をあててまとめる予定です。両国関係史に登場するニコライ大主教、幕府・政府の最初の露語通訳・志賀浦太郎、イコン画家・山下りん、日本研究家・スパリヴィン、エリセーエフやネフスキー、岡田嘉子など幕末から明治・大正・昭和に生きてきた故人30氏の人物論を準備しています。二葉亭四迷や榎本武揚といった皆さんが文学史や日本史の教科書で名前を知っているような有名人だけでなく、多大な貢献をしているにもかかわらずこれまであまり取り上げられることの少なかった人々も発掘していきます。
いちのへ ソチ五輪が開催される2014年春に刊行予定とのこと、日本とロシアの間に、また新しい1ページが刻まれる日が今から待ち遠しいです!今日はありがとうございました。
深まる秋は、深める読書はいかがでしょうか?
ロシア文化フェスティバルをさらに深くご堪能いただける本について、
長塚英雄・日本組織委員会事務局長にお話を伺ってみました。
いちのへ そもそもこの本が誕生するきっかけはなんだったのでしょうか。
長塚 私は両親がサハリンのドリンスクに居住し兄姉がサハリンで生まれたという経緯もあり、1970年から日ロ交流史を追い続けてきました。2000年に「日本のなかのロシア研究会」を主宰し、2001年~2007年にかけて「日本のなかのロシア」をテーマとして、各地の郷土史研究家のお力をお借りして、四冊の『日本のなかのロシア』を東洋書店から発行していました。このシリーズを土台に18の興味深いテーマについて、日露の18人の先生方に寄稿していただこうと企画したのが、「ドラマチック・ロシア in Japan 文化と史跡の探訪」です。
「ドラマチック・ロシア in Japan 文化と史跡の探訪」
(2010年刊行 生活ジャーナル社)
いちのへ 一番の見どころはどこにあるでしょうか。
長塚 やはり、知られざるドラマチックな交流にあるでしょう。たとえば、あの野口英世が、黄熱病研究のためのアフリカ渡航前に、ロシア人彫刻家カニョンコフに銅像を制作してもらったことはご存知でしたか?その妻のカニョンコワ夫人が、かつてアインシュタイン博士や歌手シャリャアピン、ピアニストのラフマニノフをも魅了したソ連のスパイだったことは?たとえば、あの帝国ホテルに先駆的なパンづくりを伝えたのが、ロマノフ王朝時代に宮廷で働いていたサゴヤンだということは?こんなふうに、それぞれのテーマには、深くドラマチックなストーリーが眠っているのです。
いちのへ “ロシア”というテーマで見つめてみると、日本列島が、そしていつも私たちが生活している場所が、また新しい魅力を持ちはじめるのですね。ほかにはどんなテーマがあるのでしょうか。
長塚 第一章は、沖縄・宮古島研究の先駆者となったロシア人ニコライ・ネフスキーについてなど「学術面から見た日本の中のロシア」。第二章は、関東大震災とロシアなど「社会面から見た日本の中のロシア」。第三章は、日本を“心の故郷”としていたトルストイの令嬢アレクサンドラについてなど「文学・芸術の中のロシア」。そして第四章は、黒船来航よりも114年も前の江戸時代中期に根組ノ浜に出現したロシア探検船についてや、1856年にロシア皇帝より江戸幕府に贈られたディアナ号大砲のその後の行方など「江戸・明治・大正時代の日ロ交流から」という構成になっています。
いちのへ 初めて知ることばかりです!
長塚 そうでしょう。学会レベルでも初めての論究もありますよ。巻末付録として日本におけるロシアン・ワールドをカラー写真で明記した日本地図があります。日本とロシアの交流の歴史はわずかに300年たらずであるにもかかわらず、日本列島に百数十か所も存在するロシアン・ワールド=文化と交流の史蹟をご覧いただけます。江戸後期からの、とくに明治・大正期からの日露関係、それも文化分野における足跡は、本当に日本のあちらこちらに刻まれています。これをみると、文明が南から北へ伝播してきたという偏見が打ち破られ、また、ロシア文化がいかに日本に強い影響を与えてきたかが浮き彫りになるでしょう。」
→「ドラマチック・ロシア in JAPAN Ⅱ」へつづく
「ロシア天才少年少女育成コンサート」の舞台裏に密着してきました!
お邪魔したのは町田市立鶴川中学校。
アメリカなどで実践されている“教科教室型”をいち早く取り入れ、
国際交流にも積極的に取り組んでいます。
モダンな校舎の廊下は“学校ミュージアム”!
キリル文字にドストエフスキー、シャガール……
コンサートに合わせてただいま「広げよう世界へⅡ Russia展」開催中。
さて、来日したロシアの天才少年少女たちは
午前中のリハーサルを終えてランチタイム。
いよいよ、コンサート会場のアリーナへと向かいます!
本番直前、すでに大物の風格すら漂う後ろ姿・・・。
全校生徒とその保護者に大きな拍手で迎えられるロシアの天才少年少女。
「同世代に刺激を受けてほしい!」
花田英樹校長先生から日本の天才少年少女たちへの熱いメッセージとともに
コンサートの幕が上がりました。
スピヴァコフ国際慈善基金の奨学生のなかから選ばれた才能溢れる4人。
ひとたびステージにあがると大人顔負けの情緒豊かな音色に驚かされます。
ナイーブな演奏から一転、私服はキャップにビートルズTシャツ姿!ピアノのセミョーン・ベレージン君(17歳/写真右から2人目)
妖精のようなブルーのドレスが印象的なのはフルートのユリアナ・パダルコさん(17歳/写真中央)
休憩中は、楽器をスマートフォンに持ち替えピコピコ…ロシアの民族楽器バヤンのデニス・ソミンくん(12歳/写真右端)。
親しみやすい笑顔のムードメーカーで日本の子供たちにも大人気だった同じく民族楽器バラライカのアレクセイ・ニコラエフ君(14歳/写真左から2人目)。
(写真左端はその朗らかなお人柄で4人を父親のように温かく包みこむロ日協会のウラジーミル・ピャセツキー氏)
生徒会長からのお礼の言葉とともに、吹奏楽部のみなさんが心のこもった演奏のお返しです。
「ロシアの学校にはブラスバンドがないので、とても気に入りました!」
コンサート終了後は、質問タイム。
「日本ではどんな場所へいきましたか?」
「お休みだった昨日はディズニーランドへ行ってきました。ものすごい人と行列で……。」
「練習はどれくらいしていますか?」
「一日に3時間くらいです。バラライカは爪で演奏するので、あまり練習しすぎるのもよくないのです。」
「普段はどんな音楽を聴きますか?ラップは?ビートルズは?」
「ビートルズは知っていますが、ラップはそれほど聴きません。やっぱりJ-POPが人気です。」
・・・握手を求めてつぎつぎ集まってくる学生さんたち!
最後には、花道をつくってお見送りしてくれました!
ロシア「今日のことは忘れません!いつかまた日本で演奏したいです。」
日本「ロシアという国やロシア人にとても興味がわきました。ロシアのほかの文化や芸術にも触れてみたいです!」
今年で7年目を迎えるロシア文化フェスティバルは
年間を通じてさまざまなロシア文化プログラムが用意されています。
若い世代の方にも、もっと関心を持って参加してほしい!
このブログはそんな願いも込めてスタートしました。
この機会にフェスティバル友の会に登録して、ぜひ新しい世界に出逢ってください!
登録(無料)はこちら
ロシアから芸術の秋風が吹いてきました。
激動のロシア革命期に民衆の姿を写実的に描いた
画家イリヤ・レーピンの日本初となる本格的な回顧展、
Bunkamura ザ ミュージアムでただいま開催中です!
オープニングセレモニー・レセプションには、
“ロシア絵画の殿堂”国立トレチャコフ美術館の
イリーナ・レベデワ館長もお祝いに駆けつけました。
キュレーターのスヴェトラーナ・カプィリナさんが
プレス向け内覧会で見どころを熱くレクチャー。
レーピン自画像から始まる5つの展示室には、
ロシア民謡♪Эй ухнем!(ヴォルガの舟唄)が聴こえてきそうな
『ヴォルガの船曳き』誕生までの作品群やパリ留学後の“印象派”の顔、
革命をテーマに隠された謎に思いを巡らす『思いがけなく』、
そして絵の奥にその人生までを凝縮した肖像画の数々…
ところで、学生さんはガイドブック片手にどうぞ。
オリジナルキャラクターのトレちゃん・チャコちゃん・コフちゃんが
わかりやすく案内してくれます。
モスクワのトレチャコフ美術館でも、
授業の一環として鑑賞している子供たちの
キラキラした瞳によく出逢います。
ロシアの大自然、人々の生活、宗教や歴史的な出来事や人物……
扉を開けてから出口まで、まるでタイムトラベラーのように
ロシア人の生きてきたロシアを感じることができます。
こんなふうに歩くだけで日本を知ることができる国立美術館、
日本にもあったら素敵ですね!
国立トレチャコフ美術館所蔵レーピン展 2012.8.4(土)-10.8(月・祝)
公演詳細についてはこちら
BunkamuraHP http://www.bunkamura.co.jp/
※開催期間中はBunkamura全体がレーピン色に!レストランでは展覧会開催記念メニュー、フラワーショップではレーピン×ロシアのアレンジメント、そしてロシアブックフェアも開催中です。
ロシア文化フェスティバルin JAPANをさらに楽しむためのあれこれを、女子アナならぬロシアナいちのへ友里がお届けしていきます!
今回は、毎年大好評「国立ボリショイ動物サーカス2012」の舞台裏に潜入!
注目は本場ロシアでもなかなか見ることのできないゾウのサーカス!
インドゾウのマグダ(39歳♀)とジェニー(40歳♀)のベテランコンビ、仲良くつながって登場したあとは、なんと片手片足で……あとはお楽しみ!
さて、初めての会場で大変なのは、動物たちが会場に慣れること。
たとえば、入場口は象サイズに作られていないため、
なかなか通り抜けられない、なんてハプニングも!
こちらは本番前ブラッシングに余念がないお洒落なプードル。セントバーナードの後ろ姿もかわいい!
「動物たちが楽しく演じるための環境を整えてあげることが大切なんです。」日本の蒸し暑さで体調を崩さないように大きな扇風機で調整します。
さあ、動物たちもスタンバイOK!
あなたにお会いできるのを心よりお待ちしています!
———————
公演詳細についてはこちら
ボリショイサーカスHP http://www.bolshoicircus.com/
※なお、今年の会場は有明コロシアム。
会期中には東ロビーにて「ロシア物産・民芸・観光展」もお楽しみいただけます!
———————