Archive for 10月, 2019

モスクワ通信『ロシアで味わいたい!ビーツいろいろ』

水曜日, 10月 23rd, 2019

ロシア料理と言えば・・・ビーツ(свёкла)の赤が美しいスープのボルシチ!‘’食べる血液”とも呼ばれ世界で注目されているスーパーフードのビーツは栄養価が高く、形はカブに似ていますがカブの仲間ではなく、ほうれん草などと同様のアカザ科の野菜で、実だけでなく赤い茎や葉も美味しく頂くことが出来ます。

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△ロシアのおふくろの味ボルシチ(борщ)は、家庭ごとお店ごとに違う美味しさなので、ぜひいろいろ味わいたい!

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△“冷たいボルシチ”とも呼ばれている夏の人気スープ、スヴェコリニク(свекольник)。スメタナを混ぜたビーツのピンク色が綺麗!

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△角切りにしたビーツとジャガイモや人参等の野菜を塩やオイルでシンプルに混ぜたヴィネグレット(винегрет)や、

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△ビーツの毛皮を着せてケーキのように重ねた伝統サラダの“毛皮を着たニシン”(селёдка под шубой)は、どちらもソ連時代から食堂の定番サラダです。

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△ビーツはサラダはもちろんジュースなど生でも食べることが出来ます。ロシアの野菜ジュースにはやっぱりビーツ!優しい甘さが特徴です。

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△ロシアの人気ファーストフードのひとつ“ロシア風クレープのブリヌイ”のお店でも、ビーツの赤いソースが印象的なИлья Муромец(イリヤ・ムロメツ:ロシアの勇者の名前)は昔からの看板メニュー。

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△ちいさな角切りビーツと香ばしい胡桃がごろごろ入っているビーツ・パンもありますし、

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△ひまわり油で揚げただけ!素材そのものの旨味を生かしたビーツ・チップスはお土産にも喜ばれそう。

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△もちろん、ロシアのスーパーではどこでも生ビーツや茹でビーツが必ず売られていますし、

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△郊外の菜園つきの別荘ダーチャで収穫した新鮮ビーツをロシア人にいただくことも。

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△今流行のお洒落なレストランでは、凍ったビーツをサラダに乗せてくださる“ビーツの雪のサラダ”なんていうメニューも!
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△2019年に登場したボルシチ・ラーメンは、日本×ロシアの新しい魅力!

モスクワへいらしたらぜひ新鮮で美味しいビーツを満喫してくださいね!

モスクワ通信『番外編 エキゾチック!カザンの聖母をたずねて』

日曜日, 10月 13th, 2019

ロシア・タタルスタン共和国の首都カザンへ。シェレメチェボ空港から飛行機で1時間半弱、モスクワ・カザン駅(Казанский вокзал)から列車も出ています。まずはクレムリン(Казанский кремль)へ!スパスカヤ塔(Спасская башня)から入場します。

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△赤い城塞モスクワ・クレムリンも世界遺産ですが、実は白い城塞カザン・クレムリンもユネスコ世界遺産に認定されています。ここに城塞が築かれたのはおよそ11世紀初め。15~16世紀にはイスラム王朝カザン・ハン国の首都として繁栄しましたが、その後イワン雷帝の侵攻によって破壊されてしまいます。

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△クレムリンを入るとすぐに、ヨーロッパ最大級のイスラム寺院として知られるクル=シャーリフ・モスク(Мечеть Кул-Шариф)が見えてきました。イワン雷帝による侵攻で破壊されてしまいましたが、2005年に元の場所に、元の形に、忠実に再建されました。イスラムの香り漂うタタルスタン共和国の象徴ともいうべき建物です。

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△この四角い模様の角が方角を指し示していて、コーランが流れたときのお祈りにも使われるそうです。

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△男女に別れた祈りの場所も見学させていただきました。

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△イスラム文化博物館では、ちょうど«Лев Толстой и исламский мир»(レフ・トルストイとイスラムの世界)という興味深い展示をしていました。ヤースナヤ・ポリャーナで生まれ、その生涯を閉じる日まで愛する故郷で暮らしたことはよく知られていますが、実はここカザンの大学で学んでいました。(カザン大学ではレーニンも学んでおり、大学には若き日のレーニン像もあるそうです。)

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△こちらは若き日のトルストイ青年です・・・!学芸員の方のお話では、カザンの病院で僧侶に出逢い仏教に興味を持ったり、インドのヒンドゥー教に関心を持ちガンジーと交流したり、中国の老子が説いた道教を学んだり・・・ロシア正教やイスラム教以外にもトルストイがその人生において広く世界の宗教を大きなテーマのひとつとして探求していたことが窺えます。

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△ロシアのお土産屋さんとはまた違う独特の雰囲気!

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△ここだけ赤レンガ造りのスユンビケ塔(Башня Сююмбике)。スユンビケというのは、イワン雷帝の求婚を拒みここから身を投げたという伝説のあるカザン・ハン国の美しい最後の王妃の名前だそう。イワン雷帝の侵攻のときにも、この建物だけは奇跡的に残ったといわれています。街灯と比べて、少し傾いているのがお分かり頂けるでしょうか・・・!

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△この白いクレムリンのなかには、美しいイスラムのモスクとロシア正教の聖堂が並んで建っているのが特徴です。タタルスタンはイスラム教を信仰するタタール人と、ロシア正教を信仰するロシア人が暮らしているのです。

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△タタール民族衣装の男性がロシア民族衣装の男性の肩に手を置いて、同じ方向を見据えている銅像!今回は行くことが出来ませんでしたが、カザン市内には『全宗教の寺(Храм всех религий)』と名付けられたあらゆる宗教の特徴が混在するユニークな建築物もあるそうです。

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△黄金に輝く鐘楼と玉ねぎ型の青い屋根が美しい生神女福音大聖堂(Благовещенский собор)のなかも見学。

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食も独特なタタルスタン!クレムリンのなかのカフェでは、タタール風お茶会へ。

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△タタール語で‘’三角形”という意味のタタール風ピロシキ!なかにはジャガイモとお肉と玉ねぎが入っていて軽食にもぴったり。カザンにはこのピロシキの銅像もあるそう!Памятник татарскому пирожку “Эчпочмак” (Monument to Tatar Pie “Echpochmak”)。平たい半月型のものは、クレープのような生地にマッシュポテトがはさんでありました。

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△お茶会をご一緒したタタルスタンの男性は、とにかくこれが大好物とのこと!サクっとした生地のなかに甘く煮たお米やレーズン、カッテージチーズなど?がずっしりと入っているお料理を目の前で切り分けてくださいました。綺麗なのでお祝いやおもてなしの席にも喜ばれるそう。奥には、これぞタタルスタン土産の代表ともいえるチャクチャク。(モスクワのスーパーでも売られています。)小麦粉を練った生地を油で揚げて、蜂蜜で固めたもの。日帰り旅の間にもあちらこちらでみかけ試食しましたが、シンプルなレシピながらそれぞれに全く違うお味!こちらのものは、さくさくと柔らかいかりんとうのようで絶品でした。市内にはチャクチャク・ミュージアムもあるそう。

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△クレムリンは丘の上に建っているので、展望スポットからはカザンの街を一望することが出来ます。ユニバーシアードや昨年2018年サッカーのワールドカップが開催されたスタジアムも見えました。日本代表のベースキャンプ地もこのカザンでしたね!モスクワの日本人学校の生徒たちが手作りの横断幕を持って応援に訪れました。

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△現在、『カザンの聖母』のイコンのための新しい教会が建設中だそうです。

さて、その『カザンの聖母』のイコンに対面するため、クレムリンからカザンの生神女修道院へ移動します。

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△ロシアを守護する最も大切なイコンのひとつとして崇められている『カザンの聖母』。幼い少女マトリョーナの夢に生神女マリヤが現れて、大火事の後に地下にあるイコンの場所を教えたというエピソードが伝えられています。まさにその場所にカザンの生神女修道院が建てられ、少女は修道女となったそうです。しかし1904年に、この修道院から何ものかによってイコンが盗まれてしまいます。今も行方不明のこのイコンがあった場所には複製が飾られています。しかし人々の心のよりどころであることに違いはなく、ちょうどこのイコンの祭日(7月21日と11月4日)の前日で、多くの人が訪れ、このイコンにキスをして祈りを捧げていました。

モスクワのカザンの聖母教会とサンクトペテルブルクのカザン聖堂は、この『カザンの聖母』のイコンのために献堂されているそうです。

 

☆カザン・クレムリン http://kazan-kremlin.ru