Archive for 5月, 2013

来る6月3日!ロシア文化フェスティバル2013開幕!

月曜日, 5月 27th, 2013

来る6月3日(月)東京・帝国ホテルにおいて、『ロシア文化フェスティバル2013  in JAPAN』オープニングセレモニー&レセプションが開催されます!

 

http://www.russian-festival.net/img/pdf/2013/p1.pdf

今年で8年目を迎えるロシア文化フェスティバルを祝して、ロシア側からはミハイル・スリペンチュク露日友好議員連盟会長をはじめとする国会議員代表団が出席。日本側からは、鳩山由紀夫第93代内閣総理大臣(日本組織委員会委員長)、女優の栗原小巻さん(同副委員長)など、日本とロシアの架け橋として活躍されている約400人が招かれることになっています。

 

さてセレモニーには、マリインスキー劇場ソリストとして人気を誇るロシアオペラ界のスターであり、その美貌からファッションモデルやテレビ司会者としても引っ張りだこ、さらには国会議員としての顔も合わせ持つ、マリア・マクサコワがスペシャルゲストとして登場予定です!では、その歌声を一足先に、マクサコワさんの公式YouTubeチャンネルで拝聴してみましょう!

http://www.youtube.com/watch?v=b1EJkYbLOWk

http://www.youtube.com/user/Starmaksakova?feature=watch

 

また、昨年のクロージングコンサートで大きな感動を呼んだユーリー・シモノフ指揮モスクワ・フィルハーモニー交響楽団が、再演を望むファンからの熱いラブコールに応えて今度はオープニングに登場します!ソリストには7年ぶりの共演となるピアニストのフジコ・ヘミングらを迎え、さらに多くの方に感動をお届けするため6月16日~30日にかけて日本全国で予定していますので、どうぞお見逃しなく!

 

2006年からスタートし、ソ連&ロシア史上初となるユニークな文化・芸術プログラムを多数世に送り出してきたロシア文化フェスティバルの入場者は、この5月までで999万9750人を記録。これは1970年大阪万博ソ連館以来最高の来場者数だそう!さあ今年2013年、まもなく迎える1000万人目は・・・あなたかもしれません!

 

 

 

アエロフロートロシア航空セミナーに栗原小巻さん登場!

木曜日, 5月 23rd, 2013

本格的な旅行シーズンを前にアエロフロートロシア航空による代理店セミナーが開催されました!昨年日本就航45周年、そして今年創立90周年を迎えるアエロフロートロシア航空が久しぶりに開催するセミナーとあって会場は大盛況でした。

 

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セルゲイ・モイセエフ日本・オーストラリア支社長の流暢な日本語によるご挨拶で幕を開け、オレグ・リャボフ在日ロシア大使館総領事の記念スピーチ、そして大城成二日本地区営業部長によるプレゼンテーションでは、革新を続けるアエロフロート機や現在のサービス、空港や交通アクセスのポイントについてなど丁寧なレクチャーが行われました。特に今後注目の極東と各社力を入れている来年2014年ソチ五輪に向けての情報は注目を集めました。

 

さて、セミナーの最後には、美味しいコーヒー&ケーキを頂きながらゲストとしてロシア文化フェスティバル日本組織委員会副委員長で女優の栗原小巻さんが登場しました!

 

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『私の俳優人生、いえ人生そのものが、ロシアとともにありました』そう話りはじめた栗原小巻さん。

15歳のときバレエ学校でのロシア人恩師との出逢い、日ソ合作映画やロシア映画への出演時の貴重なエピソード(「実はこのロシア映画では、飛行機がハイジャックされてしまうというストーリーなんです」という栗原さんの言葉に、会場は和やかな笑いに包まれました)、古典から現代物までロシア文芸作品の舞台公演のことなど・・・。

そして、代理店の方もビックリの30数回以上もアエロフロート機でロシアを訪れている栗原さんは、機内で元旦を迎えたときの想い出や昨年訪れたばかりのサンクトペテルブルグでのおすすめの過ごし方などにも笑顔で答えてくださいました。

 

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▲登場BGMは栗原小巻さん主演の日ソ合作映画『白夜の調べ』より。エスコート役のモイセエフ支局長のこだわりの選曲に、小巻さんも「涙が出そう・・・」と感激のご様子。花束はこの季節にぴったりのリラの花。日本の花屋さんではなかなか入手できないこのお花も、日本中を探しまわって用意されたそう。この“おもてなしの心”こそ今のアエロフロート!

 

どんなときもチェーホフの言葉を胸に信念と忍耐を失わず、嵐の中でも消えない心と心の文化交流の灯で日本とロシアの真の友情を深めていきたいというロシア文化フェスティバルの願いを込め、愛するプーシキンの詩の朗読をご披露くださると会場は大きな拍手に包まれました!

 

 

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今年もまもなくオープニングを迎えるフェスティバルでも、でたくさんのロシア文化人・芸術家が来日します!その素晴らしいプログラムでロシアに興味を持った日本の皆様が、どうぞ快適な飛行機の旅でロシアを訪れる機会がありますように・・・!

 

 

 

 

 

インタビュー3〜サーシャの楽屋訪問〜

火曜日, 5月 21st, 2013

最後に、チェロ部門第1位アレクサンドル・ラムさんの楽屋を訪ねました。

周囲への気遣いや集中の仕方など、すでに大人の風格が漂うラムさん。「私服姿を撮らせてください」とお願いすると、新婚さんだということで光る指輪も嬉しそうに見せてくださいました。それではチェロへの熱い想いを語っていただきましょう。

 

 

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ラム:私は7歳の時に自分の意思で音楽家になろうと決めました。鏡の前で、はじめはヴァイオリンを弾く人の真似をして遊んでいましたが、それを見ていた母がそれほどまでに好きならばと私を音楽学校に連れて行ってくれました。しかし、ヴァイオリンに必要な手の腱がすでに完成されており、本格的にヴァイオリンをやるにはすでに遅いと言われてしまいました。もちろん僕はとても落ち込みましたが、そこで“もっと大きなヴァイオリン”ならまだ間に合うと言われたんです。しかも座ったままで演奏できるという誘い文句で(苦笑)。そうしてチェロの音を始めて聞いた途端、人間の声と同じような音色で、いっぺんに大好きになってしまいました。今はチェロこそ最高に愛していて、あのときにチェロを選んだことをとても幸せに思っています。

 

いちのへ:それほど恋いこがれて始めたチェロですが、マスターするまでには苦労したことはありましたか・

ラム:まず第一に、自分のなまけ癖に打ち勝つのが一番大変だったかな。もちろん、うまくなるのは誰でも望むことだけれど、そのための努力をしたいひとはほとんどいない。特に小さい頃はそんなに練習しなかった。しかし、少し成長すると、”働かざるものは食うべからず”という諺のように、努力しなければうまくはなれないんだと実感しました。勉強とは一生続けなければならないものだから、今25歳になりましたが、マスタークラスなどに参加したり、また自分の学校の教授に教わってもらったりしながらずっと勉強しています。つまり、一番大変なのは、自分との戦いですね。コンクールの時でも、ライバルと戦うというよりも、私の場合は自分と戦っていると言っていいでしょう。

 

いちのへ:そう、何事も“自分との戦い”ですよね。自分に勝ち、誰よりも努力しているラムさんの、力強い言葉と演奏にパワーをいただいています。ところで、どんなメロディーを演奏しているときに幸せを感じますか?

 

ラム:いつもどのときに演奏している曲が一番好きです。音楽家の人生とは、色々な場面で様々な曲を沢山演奏しなければならない。その瞬間の具体的な曲を愛していなければ、お客さんに感じてもらえる演奏にすることができない。つまり、皆さんに感じてもらう為には、まずは自分が非常に強く感じなければならない。それができないと中途半端な演奏になってしまうから、好きじゃない曲というのはないんだ。ただ、音楽家として弾くのとは別に、違う楽器の演奏などプライべートで聞くのが好きな曲というのはあるよ。例えば、私は作曲家スヴィリドフの室内合唱用の音楽はおそらく一生演奏しないと思うけれども、しかし、これは、この合唱は、世の中で最も美しいもののひとつだと思っています。

 

いちのへ:自分の音楽を通して 聴いている人に何を伝えたいですか。

ラム: 心の中に何かが残るように演奏出来たらと思います。もちろんこれは、とても難しいことだけれど、プロであるかぎりハイレベルな演奏を超えた何かを目指さなければ意味がないと思う。プロだけでいいと思う音楽家もいれば、逆にプロではなくても非常に心をこめた演奏をする音楽家もいるが、どちらかではなく、必ずその両方が調和していなければならない。お客様に何を伝えて、お客様とどんなエネルギーの交換ができるか・・・期待しています。

いちのへ:楽しみにしています!ありがとうございました。

 

 

インタビュー2〜素顔のジーマ〜

火曜日, 5月 21st, 2013

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つづいて写真中央、ヴァイオリン部門最高位受賞のドミトリー・スミルノフさんにお話を伺いました。まだあどけなさが残るスミルノフさん、皆の前で答えるのは恥ずかしいと小声で目を伏せるシャイな一面も・・・。自分なりの言葉を探しながら一生懸命答えてくれました。

いちのへ:あなたにとってヴァイオリンとは?

スミルノフ: そうですね、僕は生まれてからずっとヴァイオリンを弾いてきたし、これからもきっと続けると思う。この楽器がとても好きで、音楽なしではいられないんだ。時々、自分でも上手く弾けるといっていいときもあるし、もちろん、たまには上手くいかないときもあるんだけれど、そうたとえばコンサートで何か失敗してしまったりとか・・・でも上手くいくときには、僕は何か必要なことを与えられているという感覚があるし、逆に僕も観客に何かを与えられているように感じたりするんだ。

いちのへ:ヴァイオリンをはじめたきっかけは、ご両親が選んでくださったそうですね。

スミルノフ:そう、僕は決してわがままを言ったり、やりたくないといったりはしなかったよ。最初はひどい音しか弾けなかったんだけど、まだ幼くてよく分からなかったせいか、嫌ではなくて、比較的すぐに上手く弾けるようになったんだ。とてもすばらしい先生と出会ったから、7歳から10歳までの三年間で色々なことを達成できて、色々な曲を弾けるようになって、コンクールにも出るようになった。その後はもっと難しかったな。15歳まで、いや、18歳までぐらいは音楽家はまだ若いとされているから、才能があって、音楽を感じることが出来れば欠点さえも許されるんだ。でも、ある程度大人の音楽家になると、それが許されなくなる。20歳とか・・・成人だから完熟した音楽家だとは思わないけれど、難しい年代だと思う。

いちのへ:今回のコンサートでは、同年代の音楽家との出会いがありましたね!

スミルノフ:非常にすばらしい音楽家達だよ!彼らはもう充分にプロだといって間違いない。エネルギーに溢れ、教育レベルも高く、それぞれに音の濃さが感じられるんだ。これはとても大事なこと。

いちのへ:今、あなたが演奏で最も大切にしていることは?

スミルノフ:質を上げることかな。音の質とか、色々な細かい部分の質を磨いていかなければならないんだ。真面目に演奏するならするほど、超ハイレベルじゃないといけないからね。もちろん、曲が綺麗ならそれに助けられる部分があったり、演奏パフォーマンスでごまかすような方法もないことはないけれど、それは音楽に対して真面目なやり方ではないからね。安定した良質を目指さなければならないんだ。技術的な質をあげるだけではなく、心も入れて、芸術品にしなければならない。特に昔の優れた音楽家の演奏を聞くと、すごく伸びやかで心地良く感じられ、全く仕事で演奏しているというような印象や努力の跡を感じさせないよね。音楽家はそういう影の努力のようなものを感じさせずに常に安定した良い演奏を提供するために、沢山練習して、音楽を聴いて、他の音楽家や音楽の教授たちと接しなければならない。そして、そこから自分にとって有益な何かを得ていかなければならないんだ。

 

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いちのへ:日本は初めてだそうですね。

スミルノフ:ええ、まずは日本のお客様に感謝の気持ちを伝えたいです!非常にあたたかく迎えてくださりありがとうございます。日本人は、言葉を見つけられないくらい皆とても優しくて、まるでずっと会いたかったとでもいうようにもてなしてくれて・・・これは日本人の精神的な特長なんでしょうか。

 

いちのへ:気に入ってくださって嬉しいです!観光の時間もあったんですか?

スミルノフ:リハーサル等もあってゆっくり観光は出来なかったけれど、東京で幾つかの名所を見ることができて、とても感動しました。日本は技術が世界一だし、それと同時に伝統も残っているのが魅力ですよね。たとえば大都会の高層ビルを背景に皇居の自然があったりして、本当に信じられないような風景でした。もしまた招待してもらえる機会があれば、もっともっとみてみたいよ!

 

いちのへ:日本土産にはどんなものを買ったんですか?

スミルノフ:大好きな煎茶や、扇子やいろいろ買ったけれど・・・世界の観光地によくあるスノードームがあれば、それもぜひ買いたいな!日本はお土産のラインナップも独特ですよね。とても個性があって第一印象から気に入りました。

 

いちのへ:最後に、夢を教えてください。

スミルノフ:実現できそうな夢としては、ブラームスのバイオリンとチェロの為の曲を演奏することです。もう一つの夢は、自分の演奏を楽しむこと。他の音楽家もそうでしょうが、自分を客観的に評価するのは本当に難しいことなんだ。満足すると成長が止まってしまうし、いつも不満でいても自分を殺すことにもなってしまうし・・・。でも、自分を満足させるような音を出せる日まで、勉強をつづけ、何かを探しつづけ、楽しみながら演奏をつづけたいです。

 

いちのへ:ありがとうございました!

 

(インタビュー3につづく)

全ロシア音楽コンクール インタビュー1〜ナターシャ&レーナ〜

月曜日, 5月 20th, 2013

『全ロシア音楽コンクール』最高位受賞者ガラ・コンサートが開催され,5月の風のように爽やかな4人のソリストが来日しました!

 

 

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▲写真中央に,来日した4人の音楽家エレーナ・ローシさん、ナタリヤ・ドミトリエフスカやさん、ドミトリー・スミルノフさん、アレクサンドル・ラムさん。4人を囲んで右端が、ピアノ伴奏の塩塚美知子さん、左が新見・フェイギン・浩子さん。左端が著者

 

 

18日東大和市ハミングホール公演では、リハーサルのために午前中に到着。良いお天気に誘われてホール周辺をお散歩に出かけ、昭和の雰囲気が残る商店街では、駄菓子屋さんや和菓子屋さんの店先の人形焼に興味を持つなど、短い滞在を満喫しました。

 

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「東京は初めてですが、自分の目で見れて嬉しい!大好きになりました。洗練された感覚に温かく迎えられて感謝しています!」と話してくださったのは、写真中央、ショートカットに紫色ドレス姿の声楽女声部門第1位ナタリヤ・ドミトリエフスカヤさん。明るい人柄で楽屋でも人気者でしたが、一歩舞台へ出ると、すでに大物歌手の貫禄たっぷりで、アンコール曲「さくらさくら」までずっと会場中の心も魅了しました。

 

 

 

同じく写真中央、ピンク色のドレスに身を包み初々しい笑顔で座っているのがピアノ部門第1位のエレーナ・ローシさん。真面目で謙虚な彼女は、休憩時間にも自らピアノの前に座るほど熱心で、またそれが幸せでならないという様子だったのが印象的でした。お話を伺ってみましょう!

いちのへ:ピアノをはじめるきっかけは何だったんですか? ピアノのどんなところがあなたを惹きつけるのでしょうか?

ローシ:それは幸福な偶然です。母親はバイオリンを、父はロシア民族楽器バヤンを演奏していたので、私にも音楽を習わせたいと考えていました。母ははじめはバイオリンを習わせたかったようですが、私の住んでいた環境ではあまりバイオリンの優れた教育がなかったので、偶然ピアノを習う機会を与えられました。けれど、それがきっかけで本当にピアノが好きになり、他の楽器を演奏したくないと言う程だったのです。ピアノはオーケストラのようで、いろいろな効果や音色を与えられるという考えがありますが、まさにその通りだと思います。

 

コンクール第1位というレベルまでこの楽器を演奏してきて、壁にぶつかったことはありましたか?

エレーナ:ここまでマスターするまでには、きっとどの職業でもそうでしょうけれど、”再認識しなければならない時”があると思います。子供の頃は、作曲家の意図などあまり理解できませんが、14,15歳頃になると、成長・発展しなければならないのです。何もできなくてすべてを投げ出したくなるのですが、また練習をはじめ、目標を達成出来るようになるのです。

 

いちのへ:どんなメロディーを演奏しているときに幸せを感じますか?

ローシ:やはりロシア人ですからロシアの作品、特に20世紀の作品、スクリャービンやプロコフィエフ、もちろんラフマニノフといった作曲家の作品が好きです。プロコフィエフの2番は”ポルシェ”と言われていますが、これも何度も演奏しています。ラフマニノフの協奏曲はすべて好きです。もちろん音楽家は様々な音楽が好きでなければなりませんが・・・バッハなども好きではないと言えませんね。

 

いちのへ:あなたの演奏で、日本のお客様にどんなことを一番伝えたいですか?

ローシ:演奏家にとって、作曲家が何を書いているのか、そのときに何を感じていたか、を伝えなければならないという使命があると思います。自分の感情を通じてですが、その結果として作曲家と演奏者との間に協力関係が生まれるのだと思います。毎回、聞いてくださるお客様が、その作曲家の何かまったく新しいと感じるものを得られるような演奏画できたらと願っています。

いちのへ:ありがとうございました!

 

(インタビュー2につづく)