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【モスクワ通信】コロナ禍の新たな楽しみ方!インターネット・ミュージアム 「日本のなかのロシア」オープン!

水曜日, 4月 7th, 2021

新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミックから約1年。これまでに感染者数は1億2千万人近くに上り、死者は260万人を超えました。ロックダウンを繰り返しながら、ワクチンの開発や接種とともに、終息への期待にむかう2021年春。

ステイホームが合言葉となり、テレワークやホームスクーリング、テレビ電話などインターネットが世界を繋いで、コミュニケーションの新しい形が確立されました。2006年から毎年開催されてきたロシア文化フェスティバル IN JAPANでは、コロナ禍でも日本の皆様にロシア文化の魅力をお伝えすべく、意欲的な取り組みの一環としてインターネットミュージアムがオープンしました。

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△日本のなかのロシア研究会 & ロシアン・アーツによるインターネット・ミュージアム 『日本のなかのロシア』( https://yaponiya-russia.net )は2021年4月1日 オープン! 日本各地のロシア文化と交流史跡を音楽、写真、ナレーションによる動画で配信します。

では今回は、コロナ禍でのモスクワ生活を振り返ってみましょう。

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【2020年3月】非日常だったロシア人のマスク姿は日常へ・・・そして手袋も!

2月までは中国や日本における新型コロナウイルス感染に関するニュースを見守っていたロシアでは、国内感染者は極東の方で数名でした。モスクワでは地下鉄構内でパスポート提示を求められるアジア人が増加したり、タクシーで「中国人か?」と露骨に尋ねられることも。その後、イタリアをはじめとするヨーロッパ諸国での感染拡大により状況は一変し、3月にモスクワでの感染者が一気に増加しました。これまで予防のためのマスク着用の習慣がなかったロシアでは薬局の隅に置かれていた数少ないマスクがあっという間に完売!

施設内ではアルコール消毒液や空気清浄機を設置し、ドクターによる手洗いの講習や検温が導入され、ホームスクーリングやテレワークがはじまりました。

ロシアを発着する国際線の航空便については、3月下旬に全ての国際線フライトが停止となり、日露間をつなぐJALもアエロフロートも相次いで定期直行便を停止することを発表しました。国際郵便の一時停止・延期もあり、ロシアではEMSは利用できなくなりました。

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△劇場やコンサートホール、美術館や博物館が閉鎖。入り口には“ВСЁ БУДЕТ ХОРОШО!”(すべてうまくいくさ!)の文字が。

プーチン大統領は非労働期間(3月28日から4月5日まで)を発表し、不要不急の外出は自粛してなるべく自宅で過ごすように国民へ呼びかけました。モスクワ音楽院やボリショイ劇場などでは公演のオンライン配信も大きな話題に!4月に予定されていた『ロシア文化フェスティバル2020 IN JAPAN』オープニングセレモニーは残念ながら延期が決定。さらにロシアでは憲法改正のための投票の延期や6月サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの中止などが発表されました。

 

 【2020年4月】外出禁止でステイホームの日々

徒歩で最寄りのスーパーや薬局、ゴミ捨て、ペットの散歩へ出かけることはできましたが、必要最低限の用事以外はステイホームが義務付けられていたモスクワ。一部のスーパーでは短期間の買い占めも見られたようでしたが、コロナ禍でも食料品はいつも問題なく充分に供給されていたようです。

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△スーパーマーケットの入り口には、ソーシャルディスタンシング1.5m以上の表示。お客さんは皆マスク着用で、レジ係員はさらに手袋とフェイスガードを装着していました。

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△オンラインショッピングやフードデリバリーを利用する人も増え、携帯電話など各種支払いもアプリやオンラインバンクが主流になりました。教会の礼拝もオンライン配信されるようになり、ロシア正教のイースターにあたるパスハも信者たちはステイホームで迎えました。

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△公園も立ち入り禁止に。ロシア人のなかには、安全のためにも都心部を離れて“ダーチャ”(ロシア人が郊外に持っている菜園付きの別荘)で生活している子ども増えているようでした。

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△4月11日無観客のボリショイ劇場から生中継された豪華出演陣によるコンサートМЫ ВМЕСТЕ(ロシア第1チャンネル)。多くの命を救うため自らの危険や恐怖を顧みず治療の最前線で日々戦ってくださっている医療関係者の皆様に心からの感謝を込めて司会者が涙を堪えて語りかけます。「どうかこの美しい音楽の間だけでも休んでください。コロナウイルスへの最良の薬、それは愛です!」バレリーナのスヴェトラーナ・ザハロワさんは、日本のコンテンポラリーダンサーで振付家の平山素子さんが振り付けたソロ作品『Revelation』を踊りました。

 

020年5月】マスク&手袋を義務化!モスクワも“ウィズ・コロナ”宣言!?

5月初旬は、ロシアも大型連休。2020年は1日『春と労働の日』、週末を挟んで4、5日が新年休暇の振替休日、9日『戦勝記念日』、週あけ11日が振替休日。6、7、8日は有給の非労働日になっているため12連休でしたが、外出制限の大型連休なんて初めて・・・!毎年盛大に祝われる5月9日戦勝記念日には航空パレードのみの実施で、その他の対独戦勝75周年記念関連の催しは、6月24日に実施されることが発表されました。

 

ロシアにおける感染者数は、当時ピークを迎えることなく増加していました。当初からかなり厳しい外出制限で早期終息を図ったロシアでしたが、なかなかその効果は表れず、国民からは少しずつ不安とストレスの声も上がっていました。外出制限はさらに厳しくなり、仕事等で毎日通勤する必要のある人は電子許可書を申請。それ以外の人は、車や公共交通機関での移動が必要な際に許可書を取得の上、週に2回までに制限されました。

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△年配の方へ食料品や薬を届けるなどボランティアも。コロナ最前線で激務にあたる医療従事者の方々へ、マクドナルドなど飲食店が無償で食事のデリバリーを始め、ホテルでも近くの病院の医療従事者が休憩出来るようにと部屋を無償で提供。さらに賛同した市民からの寄付も集まったそうです。

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△売り切れが続いていた手袋やマスク、除菌グッズが特設コーナーにずらりと並ぶように。スーパーの入り口には、手袋やマスクを忘れてきたお客様が無料で自由に使用して良い使い捨ての手袋まで置いてありました。街では、あちらこちらで消毒液を散布する車を見かけます。建物内でもこまめに消毒が実施されているようでいつも消毒液の匂いがしていました。

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△病院の入り口には、新型コロナウイルス検査を受けられる場所を示す表示。ロシアではPCR検査は比較的スムーズに受けられるようでした。

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△5月12日からは公共交通機関やショッピングセンターなどで手袋とマスクの装着が義務化。感染者の集中するモスクワでは、外出制限が続きました。

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△市内数カ所の地下鉄駅構内の自動販売機でも、マスク、手袋、マスク&手袋セットの販売が始まりました。マスク30ルーブル。

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【2020年6月】マスクは豊富!着用率は半分以下?ロックダウン解除!

6月1日からは、小売店やクリーニング店、ショッピングモールもオープン。外出制限がやや緩和され、健康維持のために散歩やスポーツが可能になりましたが、自宅から半径2km以内で週3回と決められていました。

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△地図上で公共交通機関の運行状況を確認したり、住所を入れて目的地までのアクセスや所要時間を調べたりできるお役立ちアプリ“Яндекс. Карты”にКоронавирус(コロナウイルス)というボタンが登場。営業しているスーパーマーケットや銀行、ガソリンスタンド、新型コロナウイルスの検査を受けられる場所などが一目瞭然になっており、指定の場所に住所を入力すると半径2kmがどこまでなのか知ることもできます。

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△6月9日には突如ロックダウンが解除!長い冬の後の待ちに待った季節を、厳しい外出禁止&ステイホームで耐えた反動もあるのでしょうか、都心部ではお日さまの光と自然を求めて、公園や池の周りはたくさんの人!第1段階として、9日から営業再開&訪問可能になったのは、床屋、美容院、動物病院、墓地など。16日からは第2段階として、歯医者、図書館、美術館、展示場、動物園などの訪問が可能になり、スポーツ観戦やレストラン&カフェの夏用テラスでの営業が再開されました。

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△人気店のテラスはぎゅうぎゅうです。一方でコロナ前はたくさんのお客さんで賑わっていたのに閉店してしまったところも・・・

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△街には、医療従事者を称えるさまざまなポスターが目立ちます。

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△その後、レストランやショッピングモール、劇場、美術館・・・と感染予防に気をつけながら少しずつ営業再開していきます。例えば劇場では、ソーシャルディスタンシングを考慮した座席配置になっており、入り口ではマスク着用が求めらます。マースレニッツァ(冬を送り春を迎えるバター祭り)などの大規模イベントは今年2021年も中止されていましたが、少しずつ日常が戻りつつあるモスクワには、世界初と称するデリバリー配達員に捧げる銅像も設置されました!

ロシアではワクチンの開発や接種もすすんでいますが、世界的にはいまだ完全に終息するまでには時間がかかりそうな今だからこそ、インターネットミュージアムで安全に楽しめる新しいロシア文化の形はいかがでしょうか。