Archive for the 'いちのへ友里' Category

奇跡の『出逢い〜Встреча〜』

土曜日, 10月 24th, 2015

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バレエ界の神様と崇められるファルフ・ルジマトフ。そして日本舞踊界きってのロシア通でもあり“日本のルジマトフ”とも称される藤間蘭黄。踊ることに人生を懸けた日露の舞踊の頂点に君臨するふたりが、ひとつの舞台で夢の響宴を繰り広げる『出逢い〜Встреча〜』は、熱狂的なカーテンコールを繰り返しつつ、歴史に残る初演の幕を閉じました。二人の運命の出逢いは2010年、場所はここ国立小劇場でした。

 

 

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黒豹のようにしなやかで研ぎすまされた肉体とエキゾチックな風貌、そして圧倒的な存在感で、古典はもちろんモダン作品でも強い個性を発揮しつづけてきたルジマトフ。マリインスキー劇場(キーロフ)バレエのトップダンサーとして活躍後、2007年ミハイロフスキー劇場バレエ芸術監督へ転身するも、2009年からは再びダンサーに専念することを表明して、52歳の今もさらなる高みをめざし舞踊の可能性に挑み続けています。初海外だったという日本においても、これまで数多くの公演を行い数えきれないほどの信奉者を持っており、近年はスサノヲ(笠井叡振付『UZME』)や阿修羅(岩田守弘振付)など東洋的なモチーフにも幅を広げてきました。公演中はほとんど外出せず役に徹するというストイックなルジマトフが、国立小劇場で観た藤間蘭黄の舞台に感動し、「ここで踊る!」と夢を語ったことがきっかけだったそうです。

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一方、江戸時代から続く「代地」藤間家の後継者として、日本はもちろん世界中で公演をつづけてきた藤間蘭黄。近年は、日本舞踊界に新しい風を巻き起こす「五耀會」のメンバーとしての活動も目覚ましく、2012年のロシア文化フェスティバル IN JAPAN『ストラヴィンスキー生誕130周年を記念コンサート』では、歌舞伎や浮世絵を愛していたという顔も持つストラヴィンスキーのバレエ曲で創作舞踊『KIBI-機微ー三大バレエ曲より』を発表するという画期的な試みで成功を収めていました。

 

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公演パンフレットによると、ルジマトフ=信長をテーマに、一人で何役も踊り分けることができる日本舞踊の特徴を生かし、蘭黄さんご自身が信長に関わる人物を踊り分けるというこの舞台の基本構想は固まっていたものの、夢の企画は3年の間、温められることになりました。そして“石の上にも3年”、日本とロシアの架け橋として日本舞踊とバレエをつなぐ第3の存在、岩田守弘が加わり、“3人寄れば文殊の知恵”というのでしょうか、2015年のロシア文化フェスティバル IN JAPANの目玉プログラムとして一気に完成へと向かったのでした。

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ボリショイバレエで外国人初にして唯一の第一ソリストとして活躍後、ブリヤート国立劇場バレエ団の芸術監督として、また振付家としても活躍する岩田さんが、ダンサーとして認められるきっかけとなったのが、猿の役だったことはよく知られています。自身の小柄な身体を生かし、ダイナミックで表現豊かに演じられた猿は舞台上のすべてのダンサーを凌駕し、仲間にも観客にも“モリ(岩田さんの愛称)を超える道化はいない”と言われるダンサーとなりました。今回は、豊臣秀吉という”猿”と呼ばれたもうひとつの役に命を吹き込むことになりました。

 

さて、公演の第一部では、ご挨拶がわりに、日本舞踊・バレエそれぞれのフィールドにおける代表作が披露されました。
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△蘭黄さんによる粋な江戸を表現する古典の清元『山帰り』
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△つづいて、3.11東日本大震災後に湧き上がる日本への救済の想いを込めて初演されたというルジマトフの『ボレロ』
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△そして、ソビエトの国民的歌手ヴィソツキーの渋く心を揺さぶる歌声に乗せて自身が振り付けた岩田さんの『全て違うんだ!』
生きた国宝級の御三方の得意技を堪能し、これが第二部の『信長』でどのように生かされるのか……否が応でも期待感が高まります。
そしてついに始まった『信長』。花道からそれぞれの人物が登場するたびに、お馴染みの歴史上の人物が華やかに立体的に目の前に広がります。手の届きそうな迫力の舞台は小劇場ならでは、観客も一体となって濃密なひとときを共有することができます。
彫刻のようなルジマトフの身体を生かした“うつけ者”の黒いシースルーのオリジナルバレエ衣装、対するは、本格的な日本舞踊で着用される雅な和服の奥にただものではない身体の美しさが透けてみえる蘭黄さん。この衣装が象徴しているように、不思議なことに、どの場面を切り取っても、舞台上には本物のバレエを踊るルジマトフと岩田さんがいて、本物の日本舞踊を舞う蘭黄さんがいます。それぞれの舞踊の特製をきちんと守りながらも、その違いを全く感じさせないほどに違和感なく感じられるのです。
“啼かぬなら殺してしまおうホトトギス”と詠まれた信長の、どこか超人的な威圧感、“啼かぬなら啼かせてみせようホトトギス”と詠われた秀吉の、百姓から天下人へのドラマティックな変貌、そしてその個性際立つ二大人物を、二人のバレエを、道三と光秀を演じ分けながらしっかりと国立小劇場の日舞の殿堂で受け止めることが出来る見事さ!極上のバレエと対峙することで際立つ日本舞踊の素晴らしさに改めて出逢って欲しいという願いもあるのではないでしょうか。
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△軽やかにまっすぐ前へ飛びだしてきた藤吉郎少年が、憧れの眼差しで信長の周りを行きつ戻りつしてその動きを猿真似したり、秀吉の草履を温めるかのようにして御御足を自らの頭の上に乗せたりと、2人の関係性や具体的なエピソード、心の声までもが、バレエならではの身のこなしで表現され、惚れ惚れとしつつも片時も目が離せません。
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△音楽が邦楽から聖歌へと変わり、白い羽を背に天使となった信長の下で、バレエと日本舞踊で戦う蘭黄さんと岩田さんのスローモーションの動きは手に汗握り固唾を呑んで見守りました。
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飽くなき情熱をもって、真摯に誠実に、踊りの神髄という山を目指してきた3人の芸術家が、山頂で出逢い、踊ることの喜びを爆発させた舞台は、生への強いパワーに満ち溢れていました・・・!
ところで、表舞台では日本とロシア、日本舞踊とバレエを繋いだ第3の男は岩田守弘さんですが、もうひとり底力を発揮したであろう第3の存在がいらっしゃいます。ロシア文化フェスティバルIN JAPAN5周年を記念して、ソ連崩壊から20年後のロシアにおける新しい傾向とロシア芸術の魅力の基本的特徴がまとめられた『ロシアの文化・芸術』のなかで、混乱期を経てなお輝き続けるロシア・バレエについて執筆されたバレエ評論家の桜井多佳子さんです。
ソ連留学時代からルジマトフのダンサー人生を見届け、その活躍を日本に伝えていらした桜井さんが、蘭黄さんとルジマトフの出逢いを結びつけました。西の大阪出身でさらに西欧・ロシアのバレエに魅せられた桜井さんは、東京・江戸っ子の日本舞踊家・藤間蘭黄さんと出逢い、結婚。同じ舞踊である日本舞踊の素晴らしさを公私にわたって実感され、同時に蘭黄さんも奥様を通してロシアバレエの魅力に惹き込まれていったであろうことは想像に難くありません。お二人の歩まれたその年月が時を経て結晶化し、この舞台で昇華されたようにも感じられるのです。バレエと日本舞踊の双方の良さを決して殺すことなくぶつけたり、重ね合わせたりして生かしながら、舞踊に共通する素晴らしさを抽出して響宴させた舞台は、かけがえのない出逢いへの想いも込められているのかもしれません。

 

 

日本だからこそ観ることができる夢のサーカス!?ボリショイサーカス

月曜日, 8月 10th, 2015

大人から子供まで家族みんなで楽しめるボリショイサーカス、今年の夏も絶賛公演中です!

東京タワーが完成した1958年の初来日以来、ロシアのサーカスは50年以上にわたって日本人に愛されつづけてきました。ボリショイ большойというのはロシア語で“大きい““偉大な”という意味で、ボリショイサーカスつまり大サーカスは、ロシアのサーカスが日本などで外国公演をする際にお客様に分かりやすいようにとつけられた、日本で長年親しまれてきた呼び方です。そのため、たくさんのサーカスがお楽しみ頂ける本場ロシアで、もしあなたが「ボリショイサーカスをみたい!」と言っても、ロシア人にはどのサーカスに興味があるのかうまく伝わらないことがあります。

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では、サーカス大国ロシアにはどんなサーカス団があるのでしょうか。たとえばモスクワの2大サーカス劇場といえば、迫力あるアクロバティックな演目に定評がある「Большой Московский Государственный циркボリショイ・モスクワ国立サーカス」そして古き良き伝統を大切に、ユーモラスな道化師やたくさんの動物たちが登場することで人気の「Московский цирк Никулина на Цветном бульвареツヴェトノイ・ブリバール・モスクワ・ニクーリン・サーカス」が有名です。

 

 

△1971年に創立された「Большой Московский Государственный цирк(ボリショイ・モスクワ国立サーカス)」は、ヴェルナツキー通りに面する迫力あるドーム型の建物が目印です。

 

△劇場の周りには小さな子供用の遊園地もあり、いつも風船やポップコーンを手にした子供たちの笑顔と歓声に溢れています。

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△公式サイトをのぞいてみると、9月9日〜20日にかけて『ВСЕМИРНЫЙ ФЕСТИВАЛЬ ЦИРКОВОГО ИСКУССТВА ИДОЛ 2015(サーカス芸術全世界フェスティバルИДОЛ2015)』が開催されることになっています。

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一方、1880年に創立された「Московский цирк Никулина на Цветном бульваре(ツヴェトノイ・ブリバール・モスクワ・ニクーリン・サーカス)」はツヴェトノイ・ブリバール通りに面した歴史ある可愛らしい建物です。

 

△入口前には車に乗った創設者ユーリー・ニクーリンの銅像があり、人気の記念写真スポットになっています。

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モスクワ市内にあるノボデヴィチ墓地にあるニクーリン氏のお墓はたくさんの動物に囲まれ、色とりどりの花が捧げられています。

△ボリショイサーカスの公式サイトによると、サーカスの語源はラテン語の「円」を意味するそうですが、円形の劇場では、軽快な生演奏とともに演目がスタートし、

古き良きロシアの伝統を大切に、ユーモラスな道化師やたくさんの動物たちが登場することで人気を集めています。

 

文化・芸術を愛するロシアには、国立のサーカス学校もあり、毎年たくさんのアーティストが国内の各都市に設けられた劇場に入団します。そしてthe Russian National Circus in Russia(ロシア連邦サーカス公団)という文化省に所属する機関があり、約4,000人ものアーティストとスタッフ、6,000頭以上の動物 、約70ヶ所の常設・仮設劇場をもって、世界最大のサーカス組織として統括しています。日本で大人気の“ボリショイサーカス”はこのロシア連邦サーカス公団によって、ロシアのサーカスを代表するスターたちが集結した夢のようなサーカス団なのです。

なお、2015年のボリショイサーカス公演は、東京体育館7月18日~26日、横浜文化体育館7月29日~8月5日、千葉・幕張メッセイベントホール8月8日~11日、福岡国際センター8月14日~17日、大阪府立体育会館8月21日~24日、愛知県体育館8月27日~31日の6大都市で開催されます。

 

 

 

ロシアの劇場へ行ってみよう!

日曜日, 7月 26th, 2015

今年で3回目となる東日本大震災復興祈念チャリテイ・バレエコンサート「ロシア・バレエ トップダンサーたちによるバレエ・グラン・ガラ」が開催されました。

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プロデュース・演出を担当なさったのは、ウクライナのキエフ国立オペラバレエ劇場ダンサーの田北­志のぶさん。

https://www.youtube.com/watch?v=9p-i9GeFurM

 

ロシアのクラシック・バレエの最高峰であるボリショイ・バレエとマリインスキー・バレエのトップダンサーをはじめ、世界で活躍するトップダンサーたちが同じ舞台に立ち、それぞれの魅力を存分に発揮出来るブログラムで被災地への想いを届けるステージは、田北さんが“競演ではなく協演である“とおっしゃっているように、ほかのガラコンサートにはない温かさに包まれています。

 

さて、夏休みにはいり、ロシアで劇場を訪れるご予定がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回はボリショイ劇場の新館を訪れながら観劇までを疑似体験してみましょう。

 

△こちらがボリショイ劇場の新館です。

△本館と新館の位置関係は上図のようになっています。

いよいよチケットを見せて入口をはいると、両側に大きなクロークスペースがあります。ロシアの劇場やレストランはどこもそうなのですが、秋から冬にかけての劇場シーズンには、たっぷりとした毛皮のコートなどをこのクロークスペースに預けることができ、あたたかな室内ではドレスアップした薄着で観劇できるようになっています。寒い国ならではの配慮ですよね。


△預けた上着と引き換えにこんな札を渡されます。

※ここで注意!預ける上着の襟の内側に、かけ紐がついていないと
ハンガー代をとられる劇場があります。

 

△そして、このクローク担当の方に、オペラグラスを借りることができます。終演後に長蛇の列をなすクローク前で、このオペラグラスを見せると、皆が「お先にどうぞ」と譲ってくれるため、スムーズに自分のコートを受け取ることができるという利点もあります。

☆ワンポイント ロシア語講座☆
бинокль(ヴィノークリ):オペラグラス
гардероб(ガルジェロープ):クローク
вешалка(ヴェーシャルカ):ハンガー

 

 

本日のプログラムを購入したりCDショップをみたりしながら、開演までの時間をゆったりと過ごすことが出来ます。バレエ・オペラ関係のここにしかない掘り出し物も!


▲カフェ&バーの一角では、ブッテルブロードと呼ばれるオープンサンドや
イクラが乗った小さなカナッペ、ピロシキなどが並んでいました。

▲ボリショイ劇場のバーコーナーには、なんとサモワールが!サモワールというのはロシア式の湯沸かし器で、ここでは飾りでなく実際に使うことができます。

 

△ソビエト・シャンパンもおすすめです。やや甘めで飲みやすくお値段もお手頃ですので、幕間の一杯にぴったり!

▲そして、いよいよホール内へ・・・現実から夢の世界へと誘ってくれるどこまでも優雅な空間が広がっています。


▲座席表はこのようになっています。ロシアでは開演前に3度ベルが鳴ります。これを目安にお席へどうぞ!

見上げると豪華なシャンデリア!幕が上がる前のワクワク感は、何度味わっても最高ですよね。

5年間の修復工事を経て2011年に再オープンした本館をはじめ、ロシアには素晴らしい劇場がたくさんあります。

MAX LUXURY 本格デビュー!

月曜日, 6月 29th, 2015

ロシア美女3人アリシア・タニューシナ、ラ-ナ・コルニュフ、オリガ・ゴルバリアンによる日本で結成されたロシア・ヴォーカル・ユニット MAX LUXURYの日本での本格デビューLIVEが赤坂BLITZで開かれました。

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心を酔わせるハーモニーと魂まで酔わせるゴージャスなステージを届けるMAX LUXURYをプロデュースするのは作詞家の売野雅勇氏。郷ひろみ『2億4千万の瞳〜エキゾチック・ジャパン〜』、チェッカーズ『星屑のステージ』、中谷美紀 with 坂本龍一『砂の果実』、中森明菜『十戒』、矢沢永吉『SOMEBODY’S NIGHT』、ラッツ&スター『め組のひと』など、J-POPを代表する数々のスターをスターダムに押し上げて来たヒットメーカーです。今回はそんな売野氏の作詞生活25周年を記念してMAX LUXURYがゴージャスに歌い上げました!世代を超えて日本の心をひとつに熱狂させてきたメロディーの連続に会場は盛り上がります。

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MAX LUXURYのメンバーも『これらがロシアの歌ではないなんて信じられない!』というほどに、日本とロシア歌謡曲には、どこか似ている切なさや哀愁があり、しみじみとした感情を呼び起こします。

 

その証拠に、ロシア歌謡界の大御所アーラ・プガチョワがかつて歌った『百万本のバラ』は、その後、国境を渡り多くの日本人歌手に歌われ、日本の歌だと思われるほどに愛されていますし、逆にザ・ピーナナッツ『恋のバカンス』は、ロシアでロシアの歌だと思われているほどに浸透しています。この日露を結ぶ奇跡の2曲のほか、『モスクワ郊外の夕べ』『悲しき天使』など日本でも人気のあるロシア語の6曲もMAX LUXURYならではのアレンジで会場を沸かせました。

https://www.youtube.com/watch?v=Zsii6llYvb0

△オリジナル曲『Take Me To Fujiyama』はエンターテイナーの彼女たちにぴったりの1曲。

https://www.youtube.com/watch?v=wT-3RIBTbSA

 

△東日本大震災の犠牲者を弔うために『聖なる人』。圧倒的な歌唱力とダイレクトに心に届く美しい日本語の歌詞に思わず涙する観客も。

 

すでにCDの発売も決まっており、これからも大好きな日本で歌い続けていきたい!と日本語・ロシア語・英語の3か国語MCで改めて決意表明するMAX LUXURYに大きな拍手が送られました。

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△右・MAX LUXURYプロデューサーの作詞家 売野雅勇氏、左・ロシア文化フェスティバル IN JAPAN 長塚英雄事務局長

今回のデビューLIVEは、ロシア文化フェスティバル2015 IN JAPANの登録プログラムだったのですが、普段はクラシック音楽のイベントが多く年齢層も比較的高めの「ロシア文化フェスティバル友の会」会員の皆様にとっては、会場総立ちで歌ったり踊ったり……ちょっと異色な、だからこそ大興奮の忘れられない夜になったようです。

 

日本とロシアでヒット曲を出す!というMAX LUXURYの夢が叶う日まで、これからも応援していきたいですね。

 

Max Luxury TV on YouTube

https://www.youtube.com/channel/UCgbExTsg9GQB1yKwaCKzDcQ

 

鳩山会館で日露修好160周年記念展

木曜日, 5月 14th, 2015

 

東京・音羽の鳩山会館で『日露修好160周年記念展』がはじまりました。

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会場には、先日取材に同行し、ブログでもご紹介いたしました戸田造船郷土資料博物館の展示品の数々が・・・!

過去関連ブログ

記念展の舞台裏!戸田造船郷土資料博物館へ 〜前編〜

日本とロシアの交流のはじまり!戸田造船郷土資料博物館 〜後編〜

 

 

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オープニングセレモニーではアファナシエフ駐日大使が、ディアナ号につづく新しい日露友好の船で漕ぎ出そう!と素敵な挨拶をしてくださり、つづく記念トークショーでは、会場で上映されているアニメーション映画『幕末のスパシーボ』製作総指揮の斉藤斗志二先生と鳩山由紀夫氏が登壇。親交の深いお二人ならではの㊙エピソードも満載で、展覧会をさらに深めるプチャーチン提督の娘オリガさんに関連する国際プロジェクトも発信され、おおいに盛り上がりました。

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△グルジアワインで乾杯!

 

さて、鳩山会館といえば美しい庭園のバラが有名ですが、ちょうどオープニングを祝うように満開!

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大正13年に文京区音羽の小高い丘の上に建てられた鳩山家の洋館には、ロシアの芸術家ズラブ・ツェレテリによる銅像“日ソ国交回復に貢献した鳩山一郎元総理”があります。

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△ツェレテリ制作の銅像は、モスクワ川のピョートル大帝像などモスクワの街中でたくさんみることができます。

 

 

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△“マダム・ミユキ“ 情熱的な赤色が幸夫人にぴったり!

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△鳩山一郎氏が最も愛したというバラ“ピース”

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展示室にも、モスクワ市長から贈呈された琥珀製のグラスや、パレフ漆りの文具セットなどを見ることが出来ます。パレフ塗りというのは、紙を何枚も重ねてつくった小箱などを黒く塗り、そこに細密に絵付けをしたロシアの工芸品です。ほかにも、鳩をモチーフにした装飾や美しいステンドグラスなど見どころ満載の洋館をぜひこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

 

2015オープニングに、スタニスラフ&ネミロヴィチ=ダンチェンコ名称モスクワ音楽劇場バレエ

木曜日, 4月 30th, 2015

いよいよ2015年もオープニングセレモニーが迫ってまいりました。今年のオープニングを記念して上演されるのは、Московский академический Музыкальный театр имени К. С. Станиславского и В. И. Немировича-Данченко スタニスラフスキー&ネミロヴィチ・ダンチェンコ記念音楽劇場のバレエです。

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というわけで今回は、ロシアでも大人気のこちらの劇場についてご紹介いたします!

 

△劇場のロゴマーク

 

▲建物は以前火災にあいましたが、2006年にリニューアルオープン!モスクワ都心部にあり、最寄り駅は地下鉄プーシキンスカヤ駅。

▲豪華絢爛のボリショイ劇場に比べると、こぢんまりして落ち着いた印象。内装はブルー×ホワイトでシックにまとまっています。


▲ホール天井には、シャンデリアがきらめいています。


▲幕間にはこちらのホールで、ドリンクや軽食、アイスクリームなどを
頂くことができます。

今日も世界中で実践されている演劇メソッド”スタニスラフスキー・システム”を確立した演劇界の巨匠コンスタンチン・スタニスラフスキーと劇作家ウラジーミル・ネミロヴィチ=ダンチェンコによって1941年に創設されたため、この演技理論を大切に、ダンサーを俳優と捉えて役を深め、演劇的な表現で魅了する舞台に定評があります。


▲チャイコフスキーのオペラ『エヴゲニー・オネーギン』

開演前から幕は上がり、想像力をかきたてられるこんな舞台が広がっています。舞台セットかと思いきや、実は本物の役者さんたち!開演とともに動き始め、パントマイム的な要素も織り交ぜて進行する斬新な演出。

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△バレエ「Каменный цветок(石の花)」

原作はバジョフが編集したウラル地方の民話集「孔雀石の小箱」のなかのひとつで、ソ連初のカラー映画の原作として、日本でも有名な作品です。

このほか劇場HPではオペラ・バレエそれぞれの演目の内容や名シーン写真、ダンサー紹介、劇場での上演情報などが、ロシア語&英語でご覧頂けます。(☆オペラ演目はこちら ☆バレエ演目はこちら

今回オープニングに合わせて上演されるのは、1941年の劇場創立から30年間にわたってこの劇場の芸術監督を務めたブルメイステル演出による名作『エスメラルダ』と『白鳥の湖』です。

http://stanmus.ru/performance/30#photos

△『Эсмеральда エスメラルダ』についてはこちら

https://www.youtube.com/watch?v=IBRKPnQg3No

https://www.youtube.com/watch?v=xae5hjd7hEI

△『Лебединое озеро 白鳥の湖』についてはこちら

 

2010年に東京Bunkamuraオーチャードホールで開催されたロシア文化フェスティバルIN JAPAN オープニングセレモニーでも、スタニスラフ&ネミロヴィチ=ダンチェンコ名称モスクワ音楽劇場によるバレエ ガラ・コンサートが大好評でした。今年はどんな感動を届けてくださるのでしょうか・・・今から待ち遠しいです!

 

【公演情報】

5月20日(水)・21日(木) エスメラルダ(全3幕)
5月23日(土)・24日(日) 白鳥の湖(全4幕)

お問い合わせ:キョードー東京 http://www.kyodotokyo.com/mamt

 

 

バレエ・日本舞踊 夢の響宴〜ファルフ・ルジマトフ&藤間蘭黄&岩田守弘のВстреча 出逢い〜

水曜日, 3月 25th, 2015
ロシア文化フェスティバル IN JAPAN第10回目の記念となる今年2015年の公式プログラムが完成。心に響く芸術のひとときを届けてくれる厳選されたプログラムは公式サイトのこちらのページでも公開中です。
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そのなかから、今回は数年前から企画されてきた一大プロジェクトであり、チケット完売必至の注目イベントをご紹介致します。

バレエ・日本舞踊 夢の響宴〜舞踊様式を超えて響き合う奇跡のコラボレーション〜 ファルフ・ルジマトフ&藤間蘭黄&岩田守弘 「出逢い〜Встреча
」「信長ーNOBUNAGAー」
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〜数々の伝説の舞台を残すバレエ界の大スター、ルジマトフ。歌舞伎舞踊の後継者であると同時に、あくまでも古典技法を用いた創作で注目を集める藤間蘭黄。世界最高峰のボリショイ・バレエでの活躍を経てロシアのバレエ団を率いる岩田守弘との「出会い」。それはロシアと日本との、またバレエと日本舞踊との「出会い」となる。大の日本びいきで“自分はサムライの生まれ変わり”と言うほど武士に興味を抱くルジマトフが信長を、強烈な個性を持つ岩田守弘は秀吉を、藤間蘭黄は斎藤道三、明智光秀などを踊り分ける。男性のみの出演者に対し、演奏者(鼓、笛、琴など)は女性のみ。全く新しい舞台と出会える公演となる。〜
10月の公演にむけて、今年1月には、藤間蘭黄さんのFacebookページにて、ルジマトフさんと岩田さんとともに順調に振り付けがスタートした様子が貴重なショット公開とともにファンに報告されていました。
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ファルフ・ルジマトフ氏(写真上・右側)はロシアが誇るバレエダンサーでありロシア人民芸術家の称号を与えられています。 2007年5月にレニングラード国立バレエ(現ミハイロフスキー芸術バレエ)芸術監督に就任し、その手腕も高く評価されていましたが、2009年10月「踊ることに専念したい」との決意で芸術顧問(アドバイザー)へ。クラシックからモダン、そしてジャンルを超えたさまざまなコラボレーションで類い稀な存在感を発揮し、岩田守弘による振り付けの「阿修羅」初演につづいて、今回は日本舞踊と出会い、信長を舞うことになります。ミハイロフスキー劇場バレエのプロフィールページはこちら
藤間蘭黄氏(写真上・左側、写真下・右側)は江戸時代から続く「代地」藤間家の後継者である日本舞踊家です。リサイタル「闌黄の会」は20回を重ねるほか、数々の劇場公演やTV番組に出演しています。NHK大河ドラマや時代劇の所作指導を担当したり、留学生を対象としたワークショップを開催するなど、日本舞踊の未来のためにその普及活動にも積極的に力を注いできました。ロシアをはじめ世界各国での海外公演も高い評価を受けており、自ら企画・出演をこなすほか、創作バレエの振り付けや演出でも才能を発揮しています。公式サイトはこちら
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岩田守弘氏(写真上・左側)は1990年にロシア国立モスクワアカデミー舞踊学校に留学、モスクワ国際バレエ・コンクール第1位金賞をはじめ数々の舞台で高い技術力と豊かな表現力が認められ、国立ロシア・バレエ団でソリストを経て、ボリショイ・バレエにおいて外国人初にして唯一の第一ソリストとして活躍。振付家として日本をテーマにした『魂』などの自作バレエも発表、ロシア政府より友好勲章も授与されています。2012年からはロシア ブリヤート共和国の首都ウラン・ウデにある国立ブリヤートオペラバレエ劇場の芸術監督に就任。さらに2014年に岩田守弘芸術財団を設立するなど、前人未到の活躍をつづけています。劇場のプロフィールページはこちら 公式ブログはこちら
ロシア文化フェスティバルIN  JAPANを通して出会った御三方によるコラボレーションは、まさにフェスティバル10周年にふさわしい夢の響宴です。
バレエ・日本舞踊 夢の響宴〜舞踊様式を超えて響き合う奇跡のコラボレーション〜 ファルフ・ルジマトフ&藤間蘭黄&岩田守弘 「出逢い〜Встреча」「信長ーNOBUNAGAー」チケットお申し込みはいよいよ4月10日より。詳細は下記ご参照ください。
【チケットお申し込み】
4月10日(金)よりロシアン・アーツへお申し込み下さい。
TEL:03-5919-1051/FAX:03-3355-8901

日本とロシアの交流のはじまり!戸田造船郷土資料博物館 〜後編〜

火曜日, 2月 24th, 2015

 

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興味深い展示のなかでも「これはすばらしい!」と特に中村喜和先生がご興味を示されたプチャーチン提督の肖像画。戸田村滞在当時(52歳)のときのもの。「油絵は珍しいですね。これはぜひとも東京で多くの人に見て頂きたい!」好奇心からまるで少年のように目をきらきら輝かせ、瞬く間に展示ケースの内側に入り込んで、虫食いや額縁の側面の傷など何か新たな発見はないかと丹念にご覧になる中村先生。

 

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△「戸田でのロシア人の風俗とヘダ号進水式の状況は、たしかにパネルにすると見やすいですね。」どんな展示方法にすべきか、細かいところまで先生のご意見も伺いながら展示予定の品を確認していきます。

 

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△ほかにも、双眼鏡や燭台などプチャーチンが残していったものや、

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△もともと墨絵だったものに絵心のあるロシア人が彩色を施したという日ロ合作の掛け軸、

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△ディアナ号船内で使用されていたじゅんたんやトランク、花形テーブルなど・・・どれもこれも、ここでしか見ることが出来ないものばかり。

 

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「このように素晴らしい博物館をぜひ多くの方に知ってもらうための良い機会になればと願っております!」併設されている駿河湾深海生物館での打ち合わせにも熱がはいります。

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夏には海水浴と海の幸を楽しむロシア人もよく訪れるというこちらの博物館。2階のプチャーチン提督像の目線の先からも、お天気の日には美しい富士山を楽しむことができます!ここで日本とロシアの交流がはじまったことを確かに感じられる一見の価値ある博物館です。

 

さて、博物館からも近い、日露交渉の舞台跡地にある大行寺からまっすぐにのびている、通称“プチャーチン・ロード”では毎年、戸田港まつりに合わせてパレードが開催されています。(今年は7月18日予定)プチャーチン提督に扮したロシア人も参加し、提督が宿泊したとされる宝泉寺での供養祭やロシア軍艦ディアナ号の乗組員の墓の前でセレモニーも行われます。

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(△お写真は元気に町おこし!NPO法人戸田どっとこむさんより)

 

なお、このプチャーチン・ロード以外にも、日本には、鹿児島に“ゴンザ通り“、宮古島に“ネフスキー通り“があるんですよ。

 

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最後には、沼津市明治資料館で『嘉永七甲寅歳地震之記』の実物を拝見しました。これにはさすがの中村先生も「まさか、本物を見る日がやってくるとは・・・!」と感無量のご様子。繊細な手描きの書物は保存状態もよく、美しい彩色に驚きます。愛おしそうに1ぺーじ1ページ薄紙をめくりながら、「これは何を歌っていると思いますか?」など中村先生によってストーリーが広がっていきます。記念展ではそんな中村先生のレクチャーにも是非ご期待ください!

 

 

記念展の舞台裏!戸田造船郷土資料博物館へ 〜前編〜

火曜日, 2月 24th, 2015

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隣国ロシアとの友好の原点ともいえる日露和親条約調印から160周年を記念して、今年5月に東京文京区の鳩山会館で予定されている記念展。日本とロシアの国交を開いた下田条約調印文書や日ソ共同宣言調印文書が公開されるほか、ゆかりの戸田村の貴重な記念品が展示される予定です。今回はこの記念展にむけての準備の舞台裏をほんの少しだけ皆様にご紹介したいと思います。

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2月某日。総監修を務められる中村喜和・一橋大学名誉教授とともに沼津市にある戸田造船郷土資料博物館へ向かいます。この日は都内も大雪!最短経路の山道は断念して、海沿いのルートをすすむことに。何度も博物館を訪れていらっしゃる中村先生がナビ役です。

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△途中で立ち寄った造船記念碑。横には日本語とロシア語で説明が書かれていました。日露条約を結ぶため下田に来ていたロシアの軍艦ディアナ号は、安政の大地震(1854年)により現在の富士市宮島沖に沈没してしまいました。プチャーチン提督以下500余名は、ここ下田に収容され手厚いもてなしを受けました。提督の要請を受け、幕府は数百人の日本の船大工を集め、代艦1隻を建造させました。翌年3月に完成した船は、戸田の人々への感謝を込めて「ヘダ号」と名付けられ、提督らは無事に帰国しました。その後、当時の郡名に因み「北沢型」と呼ばれる船が6隻造られるなど、日本の造船技術の近代化に大きく貢献しました。ここはまさに様式帆船建造の発祥地といえる場所です。この業績を長く伝えるために、大正12年に建てられました。

 

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△気の遠くなるようなプチャーチン提督の航行経路!

目的の博物館は“伊豆のくちばし“と呼ばれている御浜岬の先端にあります。ふたつの火山、そして長年の風雨や海流によって形作られたこの戸田の港は天然の良港で、岬には樹齢100年を超えるイヌマキ林がみえます。

 

 

 

 

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△お天気がよければ富士山も見えるという絶景ポイント。

 

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△ようやく辿り着いた戸田造船郷土資料博物館。まわりには「日ソ友愛の像」や日本初の本格的様式帆船を完成させた近代造船の先駆者である「上田寅吉翁の顕彰碑」などとともに・・・

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本物のディアナ号の錨も!(全長4.78m 重量約4t)

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△エントランスでは、ヘダ号進水式の図 とヘダ号の模型がお出迎え。

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△願いが叶うという鐘を鳴らしつつ、2階の展示室へ向かいます。

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館内にはたくさんの船の模型が展示されていますが、今回の記念展の目玉のひとつはこちらの天井にも届きそうな大きさのヘダ号の模型です!感心して見上げる中村先生。当時に想いを馳せていらっしゃるのでしょうか。

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こちらの博物館で展示されている本物の図面から1/10スケールで忠実に再現したという本格的な模型で、東京へは分解して運ばれます。鳩山会館での展示場所をイメージしながら、文化フェスティバルのスタッフの皆様が一生懸命に採寸をはじめます。

 

→つづく

ロシア大使館でNew Year Ballet Gala Consert & Party その2

火曜日, 1月 20th, 2015

さて、ガラコンサートが開催されたロシア大使館大ホールからつづくホワイエでは、バレエに関する特別展示もありました。なかでも目を引くのは、ダンサーとして、そして画家としても素晴らしい才能を持つマラト・シェミウノフさんの粘土作品です。ミハイロフスキー劇場の来日30周年を記念して創られた作品も展示されました。

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△右端上にあるイリーナとマラトのサイン。その横の金色に輝く部分は、マラトの手の指形になっているそうです。

マラト「レニングラード国立バレエ(現在のミハイロフスキー劇場)としての初来日は船でした。ですから、日本を象徴する富士山のところに、ロシアの国旗を掲げた船があしらわれています。この大切な富士山の部分は、実は妻のイリーナ・ペレンが手がけました。周りの部分には、私たちだけでなく、世界的ダンサーで私たちのバレエ団の芸術顧問であるファルフ・ルジマトフ、ミハイロフスキー劇場の仲間や、日本で招聘してくださる光藍社の皆様など、わたしたちの日本の友人たちのサインでいっぱいです。ミハイロフスキー劇場と日本の皆様との30年の交流の歴史そのものなのです。」

ほかにも、『フィギュアスケート』『ひまわり』など独創的な粘土作品が並びます。マラトの芸術家としての知られざるもうひとつの顔にバレエファンは大喜び。

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また、ホワイエのもう一角には、鎌倉に日本初のバレエ・スタジオを設立したエリアナ・パヴロワ関連の貴重な展示を見ることが出来ました。

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そして、ロシアでも使われている干支の未の小物や大使館の子供たちによる歌と踊りのアンサンブル“ロシヤンカ“CDなどを含むロシア雑貨の販売や、

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イリーナとマラトが使用したシューズなどファン垂涎の特別品チャリティオークションもあり、直筆サイン入りで手渡されました。

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さらに中ホールには大使館料理人による豪華なロシア料理が用意され、

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コンサートの後にはイリーナ・ペレン&マラト・シェミウノフをはじめロシアの芸術家たちを囲んでにぎやかなパーティが催されました。

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主催の川島佳子さんにお話を伺いました。

川島「マラトとの出逢いは、実はロシア文化フェスティバルIN JAPANのクロージングパーティーでした。上野の東京文化会館ですらりと背の高い男性が自分の絵の展覧会の案内状をくれたんです。それが、イリーナ・ペレンの夫でもあるマラト・シェミウノフだなんて、そのときは全く知りませんでした。それから少しずつ交流が始まり、来日するたびに絵の展覧会の案内状をもらったりしていたので、もともとは彼の絵の展示会を一緒に出来たらいいねと話していたんです。毎年ロシア文化フェスティバルIN JAPANの企画を練るのですが、昨年2014年夏のプログラムとして、初めて彼のバレエのツアーをオーガナイズすることになりました。群馬、名古屋、東京と20日間にわたるツアー期間は、もちろん大変なこともたくさんありましたが、だからこそその困難をともに乗り越えて、私たちには家族のような絆がうまれました。その公演にはアファナシエフ駐日ロシア大使も来てくださり、年末にミハイロフスキーバレエ公演で再び来日するのにあわせて、ぜひロシア大使館でもお正月らしいスペシャルなコンサートをしましょうということになり、今日に至りました。」

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△イリーナ・ペレンさん(右)と川島佳子さん(左)

「昨年の公演にも“ロシアの芸術美“というタイトルをつけたのですが、今日はなによりも二人の類いまれなるエレガントさが、シャンデリアきらめくゴージャスなロシア大使館ホールに映えていました。二人はどんな公演でも常にエネルギッシュでプロフェッショナルな意識が高いダンサーです。また温かな心の持ち主で、日本の若い世代のダンサーと共演したり、ワークショップを開催してくれました。イリーナは現在、小さな子供を持つ母親でもありますから、マラトは体調面でも非常によく気遣っていて、良き旦那様であり父親であり、そして最高のアーティストです!今日のコンサートと展示でもお分かり頂けると思いますが、バレエはもちろん、これまでのパフォーマンスや絵画、粘土ワークなどすべてが彼の生き方に重なり合って、マラトという魅力ある人間を創りあげているのだと感じています。今年夏にも公演を予定しておりますのでどうぞご期待ください!」

 

最後に、アファナシエフ駐日ロシア大使のこの言葉で、会場がひとつとなり、高らかに乾杯が行われました。

「ロシアと言えばアグレッシブなイメージをお持ちの方も多いと思いますが、バレエや音楽、素晴らしいロシアの文化芸術は、ロシアの心の軸であり、これなしではロシア人をイメージすることは出来ないともいえるものです。ロシアの心は隣国の日本の皆様にとても親しみをもてるものだ確信しております。交流をつづけ、この関係を一緒に育てたりして、仲良くしてまいりましょう!」