Archive for the 'いちのへ友里' Category

モスクワ通信『コバルトブルーと白の世界!グジェリ陶器』

木曜日, 10月 15th, 2020

ロシアの陶磁器と聞いてまず思い浮かべるのは、絢爛豪華に宮廷を彩る皇帝御用達だったサンクトペテルブルクのインペリアル・ポーセレンと、ぽってりとした厚みと素朴な使い心地が人気のモスクワ郊外グジェリで作られるグジェリ陶器でしょうか。雪のような白地にコバルトブルーのグラデーションで描かれた絵柄が魅力で、ロシア土産の定番のひとつとなっています。

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手描きの絵柄の美しさもさることながら、ティーセットをはじめとする実用性もある食器類、ありとあらゆる飾り物やおもちゃに至るまで、その豊かなバリエーションもグジェリの特徴です。そんな世界をさらに深めるために、モスクワの南東約60km(車で約2時間)の場所にあるグジェリへやってきました。

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△グジェリ村にはグジェリ陶器を扱うたくさんの工場やアーティストの工房、お店が点在しています。工場見学とミュージアムツアー、そして絵付け体験が出来るというОбъединение Гжельを訪れました。

【グジェリ陶器のミュージアム】

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△この小さな工房からこちらの工場の歴史が始まりました。

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△モスクワから来たというロシア人のツアー参加者も興味津々に聞き入っていました。グジェリ陶器がどのようにはじまり、どのように作られてきたのか時代ごとに歴史が紐解かれていきます。

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△自然豊かなこの地では、元々は農業が営まれていましたが、その土地は白い粘土に覆われ、必ずしも農業に適しているとはいえませんでした。しかしその良質な粘土こそが、今日まで7世紀以上もの間受け継がれてきたグジェリ陶器の誕生につながっているのです。гжельという陶器や村の名前は、焼くという意味の動詞жетьや“粘土を焼く”обжить глинуから来ているとも言われており、1328年の皇帝イヴァン1世の遺言状の中にもгжельという単語が記されているそうです。

古いものでは1320年頃の作品も明らかになっており、モスクワ大公国の一部となってますます盛んになっていきます。一時期は医薬省の薬品容器などを独占的に供給したことや、この地で農奴制がなかったことも産業の発達につながったようです。技術は世代から世代へと受け継がれながら、時代ごとの新たな試みや新たな才能が融合して、今日のようなグジェリ陶器へと成長していきます。

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△レジェンドとして名を連ねる職人さんたちの紹介とその傑作の数々が時代ごとに展示されています。それぞれに好んだモチーフや作品が違い、筆づかいや柄にも個性があって、同じような白と青の世界でも驚くほどに違う世界が広がります。

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△なかにはコバルトブルーの地に金で彩色されている作品も。金色がアクセントになっている作品は現在も人気があるそうです。

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△今のような白地にコバルトブルーで描かれるグジェリ陶器が定着したのは比較的最近だそうで、かつてはマヨルカ焼きの風味に似たカラフルな色使いが主流の時代もあったようです。

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△美しいグジェリ製のペーチカ(暖炉)も見ることができました。

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△チェス版に時計、シャンデリアに電話など、あらゆるものがグジェリで作られています。

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△ミュージアム&工場見学ツアーのガイドをしてくださったのは、アーティストの一人ヴィクトル・ハゾフさん。壁面に掲載されているお写真でお分かりいただけるように、奥様のタチヤナさんと共に製作にはげみつつ、グジェリの未来のためにその魅力を伝えています。

【グジェリ陶器の工場見学】

続いて、工場見学が始まりました。まずはグジェリ村の土を水と合わせて泥状にします。

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△床に置かれた大きな容器には、グジェリの白い粘土と水が泥状になった液体が並々と入っています。ここからホースで石膏の型に流し込んでいきます。

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△あたりには所狭しと石膏型が積まれています。多くの石膏型はお弁当箱のように半分に分かれるようになっており、そのそれぞれに液体状の粘土を入れ、最後に合体させて立体にしていきます。石膏型は水分を吸収する性質があるため、液体状の粘土は石膏型に近い部分から固まり始めます。ティーポットなど内部が空洞のものは、熟練の職人が少し固まってきた段階を見計らって石膏型から余分な液体を取り除きます。

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△細工の施されたティーポットなどは、取手、注ぎ口、蓋など細かなパーツごとに型があり、それらを注意深く組み合わせて成形していきます。継ぎ目は小刀で削ったり、水をつけたスポンジや筆、指で撫でたりして、最終的には全く判別できない状態まで滑らかな外観となります。この状態では、力を加えると割れてしまうため、窯で8時間ほど素焼きして、よく乾燥させます。

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△素焼きして乾燥させた後、特別な赤い染料に作品を浸すと、白からほんのり優しいピンク色へ変化します。もしわずかなひび割れや小さな溝があるとそこに赤い液体が染み込んで目立つため、職人さんが厳しい目でひとつひとつチェックしていきます。そして選び抜かれたものに、グジェリと認める版が押されます。

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△続いて、この乾燥したピンク色の状態で、黒色の顔料(酸化コバルト)で絵付けをしていきます。さまざまな顔料のなかでも、コバルトは1300度以上の熱で焼かれる窯の中で鮮やかな色を保つことができます。

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△たくさんの筆を使い分け、スピーディーかつ正確に描いていく様子はまさに職人芸!見惚れてしまいます。この思いを込めて手をかけていく作業が、何ものにも変えがたい伝統手工芸品の良さであり、世界にたったひとつの宝物との出会いを届けてくれます。

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△ピンク地に黒い絵柄・・・本当にこれが白地に青い絵柄のグジェリ陶器になるのでしょうか!?

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△絵付けが終了したら、ベビーバスのような容器に入った釉薬にくぐらせていきます。せっかくの模様は見えなくなりのっぺらぼうに逆戻り・・・!

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△最後に窯でじっくりと焼いたら完成です!

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△不思議なことに、薄ピンク地に黒色で彩色されていた花瓶は、窯で焼かれるうちにお馴染みの白地にコバルトブルーのグジェリ陶器になっていました!サイズも焼く前に比べて小さくなり、丈夫になります。

【グジェリ陶器の絵付け体験】

さて、ミュージアムで歴史と素晴らしい作品を、工場で作り方を見学した後で、最後は絵付け体験です!

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△小さな動物の置物から好きなものを選びます。

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△職人さんが、目の前で丁寧に描き方を指導してくださいます。透明な板に顔料を広げ、平筆の一部だけに顔料が付くようにします。筆についた顔料の濃淡で描くお花は基本のモチーフ!すらすらと完成させる様子を拝見していると、簡単そうに見えますが・・・これがなかなか難しいのです。

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△可愛らしいグジェリ柄のエプロンをつけていざチャレンジ!

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△その横で、職人さんの手は休むことなくつぎつぎと絵皿を完成させていきます。

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△以前絵付け体験をした子供たちの完成作も見せてもらいました。郵送あるいはモスクワのショッピングモールの中にあるお店で直接受け取ることもできるそうです。

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窓から見える美しいロシアの黄金の秋・・・!

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入り口脇には小さな直売店も併設されています。お買い得な値段で、お土産やさんでは見かけないような掘り出し物も!

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△周りにはたくさんのお店や工房が点在しているのでお気に入りを見つけてくださいね。

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ひとつひとつに素敵な味わいがあり時間を忘れてお店の中をうろうろ・・・お手頃な値段のものも多いので、ついあれもこれもと手にとってしまいます。日常生活で手軽に使えるのも嬉しいですね。

モスクワ通信『新しいモスクワ歳時記!季節を楽しむフェスティバル』

火曜日, 9月 15th, 2020

新型コロナウイルスの影響で今年2020年は多くのイベントが中止になってしまいましたが、モスクワでは毎年«Московские сезоны»(Moscow Seasons)というフェスティバルが開催され市民の人気を集めています。

https://www.youtube.com/watch?v=giYxtELpas0&feature=emb_title

1250万人以上の市民と年間約2200万人の観光客が集まるメガロポリスに成長した首都モスクワ。以前モスクワで開催された冬のクリスマス市の大成功を受けて、モスクワ市のソビャーニン市長によって、季節をさらに魅力的に感じられるフェスティバルが企画されるようになったそうです。この6年で6200万人もの人がフェスティバルに参加しました。期間中、市内の主要な広場や通りは美しくデコレーションされ、ユニークなオブジェやインスタレーション、屋台が登場し、コンサートやワークショップなども多数催されます。では、フェスティバルを代表するいくつかのイベントをご紹介しましょう!

モスクワのマースレニッツァ(Московская Масленица)冬を送り春を迎える伝統的なお祭り。町中が美味しそうな甘い匂いに包まれます。

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△会場は春の華やかさ!おひさまのようなまんまるのブリヌイ(ロシア版クレープ)をお腹いっぱい食べて、身体の中から元気に春を迎えます!
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△会場では、焼きたてのブリヌイと熱々の紅茶が配られていました。

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△ステージでは賑やかなショーが繰り広げられ、大人も子供も輪になって歌い踊り出します。昔ながらの遊びを楽しむコーナーも子供たちでいっぱいです。

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△市内のイベント会場を表示する案内板

 

【パスハの贈り物(Пасхальный дар)】ロシア正教のイースターにあたります。

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△モスクワ市庁舎の前もパステルカラーの卵の演出!可憐な水仙の花も春を感じさせてくれます。

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△記念撮影ブースに長い行列ができていました。

 

【モスクワの春アカペラ(Московская Весна A Cappella)】2017年に始まった人気イベント。爽やかな5月連休の空に歌声が響きます!

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△市内各所に特設野外ステージが登場

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△こちらはモスクワ・ミュージカル劇場による子ども向けの演目『不思議の国のアリス』

 

【聖ニコライの日(Николин день)】と【モスクワおさかなウィーク(Рыбная неделя в Москве)】海の遠いモスクワに巨大な船が出現!?新鮮なシーフード・ブーム到来!

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△ロシア正教で最も尊ばれている聖人のひとりである聖ニコライを祝う日のイベントは、2019年初開催でした。航海する人を守り救ってくれるとされているため、海や船のモチーフがたくさん!

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△子どもたちが水遊びしたりゲームしたりと楽しめるコーナーや、音楽イベントの催されるステージ、記念写真スポットも!

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△海の幸たっぷりのバルセロナ・パエリヤ!あっちもこっちも所狭しと屋台が並び、イカや海老、サーモンなどシーフードの焼ける煙がもくもくとあがって食欲をそそります。

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△生牡蠣やボールいっぱいのムール貝、ブイヤベースにロシアの魚スープ“ウハー”、ムルマンスクの鱈肝のサラダ、フィッシュ・バーガーやフィッシュ&チップス、ロシアのクレープ“ブリヌイ”や韓国の肉まん“ピョンス”のシーフード味・・・

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△カスピ海産のキャビアも!スプーン1匙、試食していく方も・・・

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△魚屋さんでお土産もどうぞ!

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△大きな網で通行人を捕まえて驚かせるタコ軍団!水兵風のコスチュームに網、頭には折り紙の船を乗せて、手にした魚を泳がせながら会場を練り歩いて盛り上げます。

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ほかにも、テーマとなっている時代にタイムスリップして当時の生活を体験できる人気フェスティバル【時代と世紀(Времена и Эпохи)】、国旗がはためく6月12日【ロシアの日(День России)】や9月第1週あるいは第2週の週末に祝われる【モスクワの日(День города)】、11月4日の【民族統一の日(День народного единства)】など・・・

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△ロシアの日に3色国旗カラーにライトアップされたロシア現代史博物館と2019年に871周年を迎えたモスクワの日ポスター

 

秋の収穫祭には【黄金の秋(Золотая осень)】、そして冬到来の12月から1月にかけてはクリスマス市で賑わう【クリスマスへの旅(Путешествие в Рождество)】。

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△赤の広場には毎年、屋外スケート場がオープン!美しい赤煉瓦造りの建物やカラフルな教会屋根に雪が積もり、贅沢なライトアップで煌めく赤の広場周辺は、まるでおとぎの国の世界です。

日本とロシアはもちろん世界中で、また安心してイベントが開催される日が訪れ、モスクワの四季を味わうフェスティバルが笑顔で溢れることを心より祈っております。

Московские Сезоны https://moscowseasons.com/ru/

 

モスクワ通信『毎年恒例!ロシア国際軍楽祭と戦勝記念日、そして新たに誕生した軍主聖堂』

土曜日, 8月 15th, 2020

ロシアの夏を締めくくるフェスティバルといえば『ロシア国際軍楽祭Спасская башня(スパスカヤ・タワー)』!モスクワの赤の広場が大きな野外コンサート会場となって、ロシア&各国から招待された軍楽隊のパフォーマンスを楽しむことが出来ます。2009年から毎年開催されている人気イベントです。今年は残念ながら新型コロナ・ウイルスの影響で中止となりましたが、昨年は8月23日~9月1日にかけて開催され、なんと日本も初参加しました。

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△この期間は、夜のコンサートのみならず、赤の広場はお祭りモード!たくさんの屋台が出て、イベントも目白押し!モスクワ市内の広場や公園でも連日、スペシャルコンサートが催され、街中に音楽が溢れています。

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△夕暮れから夜へ、美しく変化していく空とライトアップされたクレムリンや聖ワシリー聖堂、グム百貨店。何とも言えない美しさです!開演が迫り満席の会場、期待が高まります!!

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△参加国の旗が並びました。日本からの防衛省陸上自衛隊中央音楽隊(50名)も参加しています。一昨年2018年5月30日に行われた日露「2+2」において、日露両国の信頼醸成の一環として合意された事業で、陸・海・空の自衛隊音楽隊としてこのロシア国際軍楽祭へ参加するのは初めてだそうです。

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△民族舞踊や歌、そして華やかなコスチュームやアイテムなども織り交ぜて、それぞれの国の独自の魅力を思う存分感じさせるパフォーマンス!それをさらに、光や火の演出が盛り上げます!

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△一糸乱れぬ動きでつぎつぎにフォーメーションを変えていきます。まさに日頃の訓練の賜物!見応えたっぷりです。

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△こんな聖ワシリー聖堂、見たことありません!プロジェクションマッピングでさまざまな色柄に変化していきます。

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△そしていよいよ“日出ずる国、日本!”というアナウンスが会場に響きます!大歓声で迎えられた後、一瞬しんとした静寂が訪れ、幻想的な雰囲気のなかで和太鼓の力強い音色と和紙製のぼんぼりが灯ります。振り袖姿の歌姫(松永美智子3等陸曹)が登場して、「カチューシャ」や「恋のバカンス」など、日露で人気のある曲を日本語とロシア語で披露すると会場は大いに盛り上がりました。

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△全員集合のフィナーレも壮観!

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△最後は恒例の花火が打ち上げられて夜空を彩りました!赤の広場での軍楽隊コンサートは、まさにモスクワらしさを味わえるフェスティバルのひとつで一見の価値ありです。ロシア国際軍楽祭Спасская башня(スパスカヤ・タワー)https://spasstower.ru/en/

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△さて、ロシアの祝日の中で毎年最も盛大に祝われるもののひとつが5月9日の戦勝記念日です。1941~1945年の第2次世界大戦(ロシアでは大祖国戦争 Великая Отечественная война)でのナチス・ドイツへの勝利を祝し、赤の広場で軍事パレードが催され、テレビやコンサートホールでは、一日中戦争をテーマにした映画や軍歌が流れ、夜はお祝いの花火が上がります。今年2020年は75周年記念の年でしたが、こちらも新型コロナウイルスの感染対策のために延期され、6月24日に開催されました。

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△5月9日はあいにくの曇天でしたが、6月24日は気持ちの良い夏空が広がり、ロシア国旗カラーが映えました。

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△あちらこちらの建物の屋上には、航空パレードを見ようとたくさんの人が集まっていました。

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△赤の広場の軍事パレードの様子はTVでも生中継されます。

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△モスクワの街の建物には、3本旗を掲げる器具がついていて、戦勝記念日には3本の旗が掲げられます。普段の祝日には、ロシアの国旗とモスクワの市旗、そして戦勝記念日のみ3つ目の赤い旗が掲げられます。これは、ドイツの首都ベルリンにある国会議事堂の建物の丸屋根のてっぺんに、1945年に掲げられた旗と同じもので、勝利の、戦勝記念日のシンボルともいえる旗です。

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△こちらも今年は中止になってしまいましたが、例年であれば赤の広場から続く目抜き通りトヴェルスカヤ通りでは、歩行者天国となり市民パレードも行われます。

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△戦争で功労のあった軍人に贈られるゲオルギー勲章につけられていたオレンジと黒のリボンを模した“ゲオルギー・リボン”があちらこちらで無料配布されていました。戦勝記念日には、戦争の功労者に敬意を表し、いつまでも忘れないことを誓って、このゲオルギー・リボンを身につけている方も多く、戦勝記念日後もずっと車などにお守りのように結んでいる人も見かけます。

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△あちらこちらで、紅茶やカーシャ(おかゆ)の無料配給に行列ができていました。

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△スーパーでは戦勝記念日ケーキも!

統計では2660万人もの犠牲があり、そのことを忘れないための日でもあります。今年2020年の戦勝記念日に合わせて、モスクワ郊外のパトリオット(愛国者)公園には祖国防衛者を称え追悼するためのロシア正教会の「ロシア軍主聖堂(Главный храм Вооруженных Сил России)」が完成しました。

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△世界にひとつだけ!?ミリタリーカラーの聖堂!鐘楼の高さは戦勝75年と同じく75メートルに、円屋根の直径は終戦を迎えた1945年にちなんで19.45mに設計されています。

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△聖堂内には陸軍や海軍、航空宇宙軍などの守護聖人のイコンがあり、ソ連とロシアの軍人に贈呈される勲章の模様などがステンドグラスのモチーフになっています。

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△モザイクのなかには軍国主義日本の壊滅も。哀悼と戦勝が混在する何ともいえない不思議な空間でした。主聖堂ではプーチン大統領が描かれたモザイク画も飾られるという計画があったようですが、プーチン大統領自身がこれを辞退したことがニュースになっていました。

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△戦勝者の母たちに捧げられた銅像(Матерям победителей)は、聖堂に向かい頭を下げて両手で顔を覆い静かに涙を流しているように見えます。

広大な敷地には、戦争が続いた1418日を辿っていく大型博物館複合施設が完成しているほか、まだまだ建設中の施設も多く、これからロシア連邦軍をテーマにした一大テーマパークとして充実していきそうです。

音楽祭はもちろん、戦勝記念日や軍主聖堂からも、日本とは役割が違う軍事国家ロシアの一面を感じられます。

モスクワ通信『モスクワの宝石箱!夏空にきらめく噴水コレクション』

水曜日, 7月 15th, 2020

待ちに待った夏の到来を歓迎するロシアの噴水!まるで祝砲のように5月になると一斉に水を噴き上げ、黄金の秋10月まで楽しむことが出来ます。

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△“噴水アンサンブル”といえば、サンクト・ペテルブルク郊外ペテルゴフにあるピョートル大帝の夏の離宮が有名ですが、モスクワにも数え切れないほどの素敵な噴水があります。今回はいくつかのテーマに分けて、夏空にきらめく素敵なモスクワの噴水をコレクションしてみました。

【彫刻家ツェレテリの噴水】モスクワを彩る巨大彫刻といえばこの人!ズラフ・ツェレテリ(Зураб Церетели)の作品が楽しめる噴水です。

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Фонтан «Старый цирк»オールド・サーカスの噴水 ニクーリン・サーカスのある並木道(ツヴェトノイ・ブリバール)にあるのは、ユーモアたっぷりのピエロの噴水です。ヒョイとかかげたおんぼろの傘から水が滴り落ちてきて、くすりと笑わせてくれます。噴水の周りにも愉快なピエロたちの彫刻を見ることが出来ます。

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クレムリンの周りに広がる噴水アンサンブルのなかでもツェレテリ作品に出会うことが出来ます。1997年に当時のルシュコフ市長によってマネージ広場&アレクサンドロフスキー庭園一帯がリニューアルされました。マネージ広場のФонтан «Четыре времени года» 噴水「四季」 は、立髪をなびかせて4頭の馬が駆け抜けるその後ろが、ちょっと楽しい水のトンネルの小道になっています。ここから赤の広場方面へと歩き出すと・・・

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△もとここに流れていたというネグリンナヤ川をイメージした小川に、『白鳥の王女』『火の鳥』『金の魚』『きつねと鶴』・・・といったロシアの子どたちにお馴染みのおとぎ話の登場人物たちがつぎつぎに現れます。

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△マネージ展示場の前にあるФонтан «Часы мира»噴水「世界時計」は、地下ショッピングモール『オホトヌィ・リャド』名物の天窓にもなっています。

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△せっかくなので噴水を下から見てみると、なんと噴水の下にも噴水を発見!

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△モスクワ 川クルーズでも注目の巨大なピョートル大帝像の噴水もツェレテリ作品。モスクワ市内に2カ所あるツェレテリ・ミュージアムでは彫刻作品の模型も見ることが出来ます。日本では、在日ロシア大使館内の大ホールやメイン階段のステンドグラスがツェレテリ作品で彩られている他、鳩山会館には鳩山一郎像が贈呈されています。(過去ブログ参照:在日ロシア大使館についてはこちら、鳩山会館についてはこちら

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△ちなみに、ツェレテリとは関係ありませんが、たくさんの素敵な橋を通るモスクワ 川クルーズのなかで、ルシュコフ橋からも噴水アンサンブルが楽しめます。晴れた日には虹がかかり、新婚カップルの記念写真スポットにもなっています。橋の横には画家レーピン像があるボロートナヤ広場の緑地が広がり、ここにも美しい噴水がありますし、

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△さらに足を伸ばして、川に突き出す円形の展望橋が話題のモスクワ新名所ザリャージエ公園には、モネの庭のような小さな噴水があります。

 

【子どもたちの遊ぶ噴水】

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△先程のピョートル大帝像を遠くに眺めながらムゼオン芸術公園を歩くと、新トレチャコフ美術館横には音楽に合わせて地面から吹き上げる噴水があり、子供たちのお気に入りの水浴びスポットになっています。
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△新トレチャコフ美術館からクリミヤ橋を挟んで広がるゴーリキー公園には、音楽に合わせて歌い踊る噴水があります(1日に数回)。夜のライトアップも綺麗!バラ園の噴水もロマンチックです。

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△子どもたちも本格的なバレエ作品が楽しめるサッツ記念子ども音楽劇場は、建物そのものも、そして噴水も、物語の世界の続きが広がっているよう・・・!

 

【国民的詩人プーシキンに関連した噴水】国民的詩人プーシキンにまつわる噴水もいくつかご紹介しましょう!

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Фонтан–ротонда «Наталья и Александр»アレクサンドル・プーシキンとナタリヤ夫人の噴水 金色の丸屋根がついたフォルムが鳥かごのようなオルゴールのような可愛らしさ。プーシキン生誕200年を記念して建てられました。

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Фонтан «Пушкинский»プーシキンの噴水(1950年)Фонтан в Новопушкинском сквере新プーシキン・スクエアの噴水(1980年) プーシキン広場のプーシキン像とトヴェルスカヤ通りを挟んで2つの噴水があり、市民の憩いの場となっています。この辺りには、地下鉄のプーシキン駅、プーシキン・カフェ、ホテル・プーシキン(地下のレストランの名前は『エヴゲニー・オネーギン』の主人公オネーギンの友人の名前をとってレンスキー)、他にもプーシキンが通った芸術サロン(現在は食料品店エリセエフスキー)や、プーシキンとナタリア夫人が初めて出逢った場所などプーシキンでいっぱいです。

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△プーシキンといえば、こちらも!とても珍しい少年時代のプーシキン少年の頭像を見ることができるプーシキン生家跡の周りには、『金の魚』の噴水があります(残念ながらこの日はまだお水がありませんでしたが)。隣には『サルタン王の物語』がテーマの子ども公園や、徒歩圏内にプーシキンが洗礼を受けた教会、そしてプーシキンの叔父さまの家博物館もあります。地下鉄バウマンスカヤ周辺は知られざるプーシキン・スポット満載です。

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△国立プーシキン博物館(Государственный музей А.С. Пушкина)の中にもあります。

 

【スターリン建築とソビエト時代の噴水】スターリン政権のソビエト連邦時代に建てられた空を刺すような左右対象の超高層ビル、スターリン建築。第2次世界大戦後、ソヴィエト連邦の首都にふさわしいモスクワを目指したスターリンは、結局実現されることはなかった幻のソヴィエト大宮殿を囲むように、7つの場所に7つのスターリン・スタイル高層ビルを建築。今もセブン・シスターズと呼ばれています。

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△スターリン建築を代表する建物、ロモノーソフ記念モスクワ国立大学。その前には、気高く清らかな花を咲かせる蓮の花の噴水があり、大学に向かって噴水池を挟み両側にずらりと偉人たちの胸像が並ぶプロムナードとなっています。

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△スターリン建築7人姉妹のひとつ、クドリンスカヤ広場の高層アパート前も美しい噴水を見ることが出来ます。

さてスターリン建築以外にも、ソ連時代の建築物が味わえる場所として忘れてはならないのが全ロシア博覧センター(Выставка достижений народного хозяйства 略称ВДНХ)です。もちろんここにも有名な噴水が3つあります。

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Фонтан «Дружба народов СССР»

ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、ウズベキスタン、グルジア、リトアニア、ラトヴィア、タジキスタン、トルクメニスタン、カレリア共和国、エストニア、アルメニア、モルドヴァ、キルギス、アゼルバイジャン、カザフスタン・・・旧ソ連諸国の国々の美女がその手に特産物を持って微笑む「民族友好」の噴水。

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Фонтан «Каменный цветок» ウラル地方の民話をテーマにしている「石の花」の噴水。孔雀石の原石ような深みのある色合いがなんともいえず素敵だったのですが、どちらも最近修復されピカピカに。またこれから時を経ていい風合いになっていくのでしょう。さらに公園の奥へ進むとФонтан«Золотой колос»「黄金の穂」の噴水もあります。

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△ソビエト時代の1967年に完成後10年間、自立式建造物として世界一を誇っていたオスタンキノTV・ラジオ塔(540m)の入り口にも噴水があります。塔があまりにも高いので、噴水が小さく見えますね。内部は見学ツアーや展望レストランがあります。

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△ソ連風の食料品店や食堂も人気スポットになっている国営グム百貨店の待ち合わせの定番といえば、こちらの噴水。四季折々のディスプレイで訪れる人を楽しめませてくれますが、春の桜満開も毎年恒例になっています。

 

【芸術と噴水などなど・・・】

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△ロシアを代表するボリショイ劇場前には、Театральный фонтан 劇場の噴水。そしてその向かい側のマルクス像がある革命広場には、«Петровский»があります。モスクワで最古の噴水は、モスクワ大公アレクセイ・ロマノフの時代にコロメンスコエにあった屋敷に作られたと言われています。それから時を経て、都心部で水道管が整備された19世紀前半に作られた彫刻家ヴィタリによる噴水は、モスクワで今も見ることが出来る噴水の中でも最も古いものに数えられています。水杯を掲げる4人のトッティ(ルネサンス美術で描かれる天使のような男の子)は、それぞれ音楽や詩情、悲劇や喜劇を表しています。もうひとつヴィタリによる有名な噴水は、かつてルビャンカ広場にありましたが現在はモスクワ南部の庭園に移設されています。

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△革命広場に面する老舗ホテル「メトロポール」の天井ステンドグラスに圧倒されるグランドホールでも、優雅な噴水を囲んでお食事を楽しむことが出来ます。ステージでは、伝説のバス歌手シャリャーピンも歌声を披露したそうです。ホテルのロビーバー“シャリャーピン”では、ロシア式アフタヌーンティーも楽しめます。(過去ブログ参照

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△お土産屋さんがひしめくクラシックな街並みがお散歩にもぴったりの旧アルバート通りでは、ヴァフタンゴフ記念劇場の前にФонтан «Принцесса Турандот»トゥーランドット姫の噴水があります。

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△Фонтан «Похищение Европы»  噴水『エウロペの略奪』キエフ駅に隣接してショッピングモール“エヴロペイスキー(ヨーロッパ)”があり、ヨーロッパ諸国の旗がたなびくヨーロッパ広場の中央には噴水“エウロペの略奪”があります。ヨーロッパという言葉のもとになったギリシア神話のエウロペをテーマにしているそうです。

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△ギリシア神話がモチーフの噴水をもうひとつ、Фонтан «Аполлон» «Сатир» «Медуза Горгона»в саду «Аквариум» アクアリウム庭園の噴水『アポロン』『サトゥロス』『メドゥーサ』です。モスソヴェート劇場(Государственный академический театр имени Моссовета)前のアクアリウム庭園は都会のオアシスです。ギリシア神話をテーマにした、アポロンとサトゥロスを挟んで小川が流れ、その後ろには、なんとメドゥーサも隠れています。

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Фонтан искусств «Вдохновение»ロシア絵画の殿堂トレチャコフ美術館本館の脇にある広場には、3枚の絵がモチーフの噴水「インスピレーション」があります。それぞれの絵はよく観ると、ヴァスネツォフ作『イワン雷帝』、クインジ作『パン』 «Снедь московская. Хлебы» 、クインジ作『白樺林』

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△こちらもトレチャコフ美術館から歩いて数分の場所にある旧約聖書『創世記』に記された最初の人間Фонтан «Адам и Ева» アダムとイヴの噴水もあります。モスクワ建都860周年を記念して誕生し、2008年から稼働している比較的新しい噴水です。

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△モスクワ大学付属植物園の薬草園にも四季折々の植物とともに可愛らしい噴水があり、水鳥たちが悠々と泳いでいます。

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△グム百貨店脇のイリインカ通りには、ガラスの滑り台のように緩やかに静かに水面が傾斜する噴水が、一方、戦勝記念公園には空高く吹き上げる勇壮な噴水があります。

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Фонтан «Поющий журавль»歌う鶴の噴水があるのは清らかな池を意味するチースティエ・プルドィЧистые пруды)

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△駅ごとにテーマの違う美しい宮殿のようなモスクワ地下鉄の中にも、実は知られざる噴水スポットがあります。リュブリンスコ・ドミトロフスカヤ線(黄緑)のリムスカヤ駅は古代ローマを記念してロシアとイタリアのアーティストによる作品があります。幻想的に浮き上がる『リッタの聖母』のレリーフも必見ですが(レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた『リッタの聖母』はエルミタージュ美術館で鑑賞できます。)、ローマ建国神話に登場する双子の兄弟ロームルスとレムスの可愛らしい姿の後ろに本物の噴水があります。

さて、あなたはいくつご存知でしたか?噴水に注目するだけで、また新しいモスクワ地図が見えてきます。歩けば歩くほど素敵な噴水に出会える夏のモスクワで、あなたもぜひ新しい噴水を見つけてみてくださいね。

 

モスクワ通信『クリスタル・ガラスの里グシ=フルスタリヌイの世にも美しい聖堂ガラス博物館!』

金曜日, 6月 26th, 2020

黄金の輪をなす古都のひとつウラジーミルから南へ。同じウラジーミル州のなか、ロシアのクリスタル・ガラスの里グシ=フルスタリヌイ(Гусь-Хрустальный)があります。ガラスの里にぴったりの美しい水辺!

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“水晶のガチョウ”を意味するグシ=フルスタリヌイには、世にも美しいクリスタル・ガラスの博物館があります。このグシ=フルスタリヌイに工場を作り、クリスタル・ガラスの町にしたマリツォフ家の名を冠したクリスタル・ガラス博物館(Музей хрусталя имени Мальцовых)です。

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△赤煉瓦と白い大理石のコントラストが美しいゲオルギエフスキー大聖堂(Георгиевский собор)は1892~1903年に建築家ベヌア・レオンティ(Леонтий Николаевич Бенуа)のプロジェクトに基づいて建てられました。一歩足を踏み入れると・・・

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息を呑むような美しさ・・・!聖堂の醸し出す厳かで神聖な空間に浮かび上がるように輝くクリスタル・ガラス!!!1983年5月に聖堂内にオープンしたこの博物館の約2000もの展示品は、18世紀後半から現在まで続くの工場のコレクションとグシ=フルスタリヌイの優れたガラス・アーティストたちの作品です。

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△手前左は1950年台の化粧セット“マーガレット”。可憐なマーガレットのお花に似せてカットしてあります。手前右は、海をテーマにしたワインセット。中段左は、果実酒のセット。どれも1940〜50年代の作品。

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△祭壇の上とその反対側にある2枚のモザイク画は、どちらもトレチャコフ美術館で傑作を見ることができる画家ヴィクトル・ヴァスネツォフの作品です。祭壇にはクリスマスツリーのような巨大なガラスのモニュメントも飾られていました。

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△聖堂の前のアキム・マリツォフ(Аким Васильевич Мальцов)像

芸術的なクリスタル・ガラスの世界を堪能したら、ぜひ工場見学もどうぞ。

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△さびれた雰囲気の工場が、長い歴史を感じさせます。

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△1756年創業のクリスタル・サロン(Салон Хрусталя)は、白鳥の湖ならぬ湖の白いガチョウがトレードマークです。

そもそもの始まりは1723年、オルロフの商人ワシーリー・マリツォフ(Василий Юрьевич Мальцов)がモスクワ郊外の村にクリスタル・ガラス工場の設立を許されたことから歴史が始まったと考えられています。数年後、ワシーリー・マリツォフは息子のアキム&アレクサンドル兄弟にこの工場を受け継ぎます。しかし1747年には、モスクワに火事が及ぶ危険性から近郊での工場設立が禁止されるようになり、マリツォフ兄弟が工場を移した場所がこの自然豊かなグシ=フルスタリヌイでした。展示会などで披露されるたびに国内はもちろん国際的にもロシアのグシ=フルスタリヌイのガラス製品の評価は高まり、1900年パリ万博グランプリ受賞など数々の賞に輝きました。しかし近年は、欧米諸国のガラス製品に押され気味で一度は閉鎖してしまいましたが、ロシアを代表するクリスタル・ガラス製品として、今も変わらぬ技術と伝統を守り続けています。

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かまどのなかにガラスの塊を入れて高温で熱し、成形していきます。大声を出さなければ隣の人の話し声が聞こえないほどのボウボウと燃えさかる炎の音、汗を流しながら屈強な男性たちが黙々と作業しています。時折、うまく仕上がらなかった作品を割るガシャーンという音も聞こえます。

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△熱したガラスの玉から、ピンセットのような道具でスーッと首を伸ばし形を整えたら、あっという間に白鳥?ガチョウ?が現れました・・・!

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△挑戦させていただきました!熱したガラス玉がついた棒は、ゆっくりと一定のスピードで回していかなければ、すぐに球が偏ってしまいます。簡単そうに見えて、なかなか難しい!

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△「上手、上手!よし、ここで今日から働きなさい」優しい職人さんのお言葉。

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続いては、やすりを前にガラス製品をカットしていく作業を見せていただきました。

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見学の最後には、工場内のミュージアムへ。

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これまでの工場の歴史の中で誕生した一点ものの記念品や企業ロゴ入りのユニークなコラボ商品、大作、時代を反映したシリーズ作などどれもこれも貴重なものばかり。ガラス製のサモワールも。
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工場内にもショップがありましたが、近くには、さらに品揃え豊富な工場直営店や掘り出し物にも出会えるクリスタル・ガラス市もあります。ぜひお気に入りを見つけてくださいね!

 

モスクワ通信『まるで彫刻の森!ノヴォデヴィチ墓地アルバム』

木曜日, 6月 25th, 2020

6月12日はロシアの日でした。今回は、ソ連とロシアの時代に名を残し、今も人々に敬愛されている偉人たちのパンテオン、ノヴォデヴィチ墓地(Новодевичье кладбище)を歩きます。門を入り右手側の建物がチケット売り場です(2020年現在は親族のお墓参り以外は大人1枚300ルーブル)。また、売店で地図(200ルーブル)も購入できます。重複していたり地図の場所に存在しないお墓もあったりしますが、これがなければ広い敷地内に26,000以上あるお墓の中から目的地へ向かうのは至難の技!見つけたお墓に印をつけて訪問の記念にも。世界遺産にもなっているノヴォデヴィチ修道院とは壁で仕切られており別の入り口です。

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△まるで彫刻のようなお墓が並び、モスクワの観光名所のひとつにもなっています。美しい緑に包まれた墓地には、お花を手にのんびりとお散歩を楽しむロシア人の姿もよく見かけます。

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△入り口の門の手前左には花屋があります。ロシアではお祝いのお花は奇数と決まっていますが、故人には偶数のお花を捧げます。多くの人が献花に訪れる著名人の墓は、それぞれの区画の外側(通路沿い)に位置していたり、横にベンチが置いてあったりします。ロシアは土葬が多いのですが、葬儀の際には生花を、そしてその後は、生花でも造花でも好きなお花を捧げます。長い間美しく飾ることができる造花の花輪もお墓ではよく見かけます。リボンとお花でできた花輪には、誰から捧げられたかが記されています。

それでは、ロシア文化フェスティバルにも縁の深い偉人たちの美しいお墓をご覧ください!

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△2007年に101歳で逝去されたイーゴリ・モイセーエフ(Игорь Александрович Моисеев)のお墓。今年2020年の目玉プログラムとして、ロシアではもちろん世界中で愛されているイーゴリ・モイセーエフ記念国立アカデミー民族舞踊アンサンブル公演があります。ロシアを訪れたら誰もが一度は観たいと願い、1度観たらぜひまた観たくなる!と声を揃えて絶賛します。

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△白く幻想的に浮かび上がるバレリーナのガリーナ・ウラノワ(Галина Сергеевна Уланова) のお墓。スターリン建築の高層アパートには、ウラノワの部屋博物館が残されています。

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△女優タチヤナ・サモイロワ(Татьяна Евгеньевна Самойлова)のお墓。『アンナ・カレーニナ«Анна Каренина»』や『鶴は飛んでいく«Летят журавли» 』など名演で魅了しました。

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△サーカスの顔!伝説の道化師ユーリー・ニクーリン(Юрий Владимирович Никулин)。今でも彼の名を冠したニクーリン・サーカスは大人気!

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△劇作家・小説家アントン・チェーホフ(Антон Павлович Чехов)のお墓。周りには同じカモメのマークのついたモスクワ芸術座の俳優や関係者のお墓が並びます。

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△はためく巨大なロシア国旗は、ロシアのボリス・エリツィン(Борис Николаевич Ельцин)初代大統領のお墓

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△左:2009年 右:2020年

文豪ニコライ・ゴーゴリ(Николай Васильевич Гоголь)のお墓が以前のものとは変わっており、驚きました!実はゴーゴリは、ゴルゴダの丘に立つ十字架のような何の変哲もない石の上に十字架を立てた墓にしてほしいと遺言していたそうです。ゴーゴリは1852年に聖ダニーロフスキー修道院の墓地に葬られましたが、その際には、遺言通りに石と十字架、そして大理石の石棺が置かれていました。1932年、お墓と亡骸はこのノヴォデヴィチ墓地へ移され、ゴーゴリが天に召されてから100年の節目を記念して胸像が建てられました。そこには文豪ゴーゴリへソビエト政府から捧げられたことが記されていたそうです(それが、写真左の胸像です)。しかし、その後新生ロシアとなり、2009年には改めて、ゴーゴリの遺言の通りの墓に戻ったのだそうです(写真右が現在の墓)。

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△ヴラジーミル・ネミロヴィチ=ダンチェンコ(Владимир Иванович Немирович-Данченко)のお墓。スタニスラフスキー及びネミローヴィチ・ダンチェンコ記念 モスクワ・アカデミー音楽劇場は来日公演も多く日本でも人気があります。

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△作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィチ(Дмитрий Дмитриевич Шостакович)のお墓

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△トレチャコフ美術館で知られているパーヴェル・トレチャコフ(Павел Михайлович Третьяков)のお墓

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△メゾ・ソプラノ歌手エレーナ・オブラスツォワ(Елена Васильевна Образцова)のお墓

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△チェロ奏者ムスティスラフ・ロストロポーヴィ(Мстислав Леопольдович Ростропович)のお墓

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△『巨匠とマルガリータ』などで知られる作家ミハイル・ブルガーコフ(Михаил Афанасьевич Булгаков)のお墓

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△詩人ヴラジーミル・マヤコフスキー(Владимир Владимирович Маяковский)のお墓

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△作曲家・ピアニストのアレクサンドル・スクリャービン(Александр Николаевич Скрябин)のお墓

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△モスクワ音楽院創設者ニコライ・ルビンシュテイン(Николай Григорьевич Рубинштейн)のお墓

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△バス歌手フョードル・シャリャーピン(Фёдор Иванович Шаляпин)のお墓

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△2017年に亡くなったバリトン歌手ドミトリー・フヴォロストフスキー(Дмитрий Александрович Хворостовский)のお墓。チケット売り場にはたくさんのCDがあり、この日一番多くのお花が捧げられていました。人気の高さが窺えます。

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△作曲家ドミトリー・カバレフスキー(Дмитрий Борисович Кабалевский)のお墓。

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△航空機設計者アンドレイ・ツポレフ(Андрей Николаевич Туполев)のお墓

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△最近スターリン建築のロシア外務省の建物前に銅像も完成した外務大臣エヴゲニー・プリマコフ(Евгений Максимович Примаков)のお墓

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△日ソ国交回復への道を開いた松本・マリク会談のソ連側全権代表ヤコフ・マリク(Яков Александрович Малик)のお墓(写真左)

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△壁にも棚が設置され、骨壺や記念碑、お花で飾られています。

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△ガイドツアーも人気です。こんな風に、憧れの偉人のお墓を訪ねお花を捧げることもできますし、お墓を見て歩きながら新たな出会いや発見もあります。

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△墓地の近くには世界遺産にも指定されているノヴォデヴィチ修道院。そして作曲家チャイコフスキーが『白鳥の湖』のインスピレーションを得たといわれている美しい池があります。

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△池の反対側からは、現代ロシアを象徴するモスクワ・シティの摩天楼も綺麗に見えていました。

Новодевичье кладбище http://novodevichye.com

住所:Лужнецкий пр-д, 2, Москва

 

モスクワ通信『郊外の菜園付きの別荘ダーチャでくつろぐ初夏の一日』

水曜日, 5月 13th, 2020

ロシアでは春を迎えるといよいよダーチャのシーズンが幕を開けます。モスクワでは平日を都心部のアパートで暮らし、週末には郊外の菜園付きの別荘で過ごす人が多いのです。雪がすっかり溶けて暖かくなってくると、畑の土をならして種を撒いたり、しばらく使っていなかった家を掃除したり修理したり、「とにかく毎日やることがいっぱい!」と大変そうに、でもなぜか嬉しそうに、いそいそとダーチャに向かいます。

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△列車に揺られて1時間。小さな駅からさらに車に乗って・・・ちいさな村のお友達の家族のダーチャへ。

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△どこまでも澄んで青い空。伸びやかに枝葉を伸ばす緑、思い思いに咲き乱れる花。自然がいっぱいです。

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△広いお庭では、ロシア風のバーベキュー“シャシリク”を楽しんだり、犬とかけっこしたり、木にくくりつけてあるブランコを漕いだり、ベンチでくつろいだり。お昼が近づくと、菜園でみずみずしいキュウリや大きなじゃがいもなどを収穫します。

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△飛び交う蜂から逃げつつ、どろんこになってお手伝い。栄養満点のビーツも美味しそう!

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△菜園にはほかにも、トマト、人参、サラダ菜、ネギなどのハーブ類、ベリーにプラム・・・綺麗な空気と水、太陽の光を一杯に浴びて光っています。

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△穫れたてきゅうりとすぐり、揚げたジャガイモとお肉、黒パンとバター、飲み物はクワス!息子も何度もおかわりして頂きました。商店は駅のそばか隣村にしかないとのことで、大事に冷凍していた鶏肉をご馳走してくださるおばあちゃま。マッチで火をつけるタイプのガス台やホーローのお鍋など、昔ながらのキッチンです。「さあ、これもお食べ!どんどんお食べ!」ロシアでも日本でも料理上手のおばあちゃまのあったかさは同じです。

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△食後はお散歩へ。各家庭それぞれの自慢のダーチャを拝見するのも楽しいですし、

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△シーズンにはキノコ狩りが楽しいという森の方には、魚釣りができる小川や泳げる池もあります。麦わら帽子をかぶり、草相撲をしたり大声で歌ったりしながらどこまでも進みます。

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△お茶の時間になると、お庭のフレッシュなハーブを摘んでおばあちゃまがハーブティーを淹れてくれました。お手製の木苺のヴァレーニエ(果実の形を残したコンポート)を小さじで頂きながら、昔ながらのお菓子をつまみ、紅茶を味わいます。窓からの景色と楽しいおしゃべりは最高の贅沢です。

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△少しお昼寝でもしておいで、と促されて室内へ。ベッドサイドには、おばあちゃまの眼鏡とともに読みかけの本や数独パスル、色とりどりの刺繍糸などがあって、ここで静かに過ごす夜を想ってほっこりします。

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△手作りの煉瓦づくりの暖炉ペチカや、家族の思い出のつまったランプや家具、本棚の上のイコンや家族写真、使わなくなってしまった年代物のサモワール(ロシアの湯沸し器)・・・ダーチャには家族の歴史がつまっています。

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△お家の中では、冬に備えて、ハーブを乾かしていました。

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△持ちきれないほどのたくさんのお野菜とお手製ヴァレーニエをいただき、そして楽しい思い出を胸に、ロシアのダーチャで初夏の一日を満喫しました。

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モスクワ通信『琥珀、防空壕、マジパン!カリーニングラードでおすすめの博物館3選』

火曜日, 4月 21st, 2020

中世ドイツからソ連、そしてロシアへ・・・歴史を紡ぐ融合の都市カリーニングラードの特徴ある博物館を3つご紹介します。

1 琥珀博物館(Музей Янтаря)

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△琥珀博物館は、世界有数の琥珀の産地として知られるカリーニングラードに、ロシア唯一の琥珀博物館として1979年に開館しました。市内には、赤煉瓦造りが美しい中世の城塞や城壁が点在しており、王の門、フリードランド門、フリードリフスブルク門など全部で6つある城門を巡るツアーも人気です。現在は修復されて博物館やレストランとして利用されるなど観光地化が進んでいます。琥珀博物館は、ロスガルテン門(Росгартенские ворота)とともに残っている塔 の中にあります。

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△地中奥深くに眠っている鉱物からなる他の宝石とは違い、琥珀は地上の植物の樹液(樹脂)が悠久のときを経て化石となったもので、“太陽の石”とも呼ばれています。長い歳月をかけて琥珀が誕生するまでの歴史や、虫や植物などが含まれた珍しい琥珀が展示されています。

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△4kg280gの琥珀の標本

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△トンボの羽が見える琥珀。美しい地球の恵みです。

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△琥珀を採掘している様子のジオラマ

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△サンクトペテルブルク郊外プーシキンにあるエカテリーナ宮殿には、部屋全体が琥珀で装飾された“琥珀の間”があります。かつてプロイセン王からピョートル1世に贈られた琥珀の装飾パネルが原型となり、ピョートル大帝の没後にはエカテリーナ2世が夏の宮殿であるエカテリーナ宮殿に琥珀の間を完成させて特別に好んでいたと言われています。しかし、第二次世界大戦中ナチス・ドイツ軍がソビエト連邦を侵攻し、レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)のエカテリーナ宮殿から沢山の宝飾品と共に琥珀の間も奪われてしまいました。琥珀の間の装飾は分解されてケーニヒスベルクへ運ばれ、ケーニヒスベルク城内で保管されていました。しかし空襲で町全体が破壊されると琥珀の間は跡形もなく消滅してしまい、それから現在まで見つかっていません。今もどこかに隠されているのか、誰かが密売してしまったのか、はたまた本当に消滅してしまったのか、想像をかき立てられます。

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△琥珀の間は、その後新たに復元されることになり、1979年から24年かけて作業が行われ、選び抜かれた最高級の琥珀およそ6,000kgを用いて2003年に完成しました。困難を極めた当時の修復の様子についても紹介されていました。

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△エカテリーナ宮殿の飾り箱のレプリカ(1979年)

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△赤から橙色、黄色、緑色、茶色へ・・・美しいグラデーションで魅せる琥珀工芸美術品の傑作はどれも見応えたっぷりです。館内のショップも充実しており、記念に琥珀製品を購入することもできます。

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△続いて、のどかな公園の中に、地下へ続く道。防空壕博物館(Музей бункер) へ。

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△第2次世界大戦でナチス・ドイツ軍が使っていた防空壕が博物館として公開されています。細長い通路の両脇に小部屋があり、展示室になっています。

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△戦時中のジオラマ。空襲により壊滅的な町の様子と、地下の防空壕の中の様子も細かく見ることができました。

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△部屋の様子も当時のままに再現されています。1945年、ここで、ドイツの司令官が降伏の決定を下しました。

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△薄暗い防空壕から外へ出ると夏の強い日差しの下で戦車も展示されていました。

 

3 ブランデンブルク門のマジパン博物館 (Музей марципана в Бранденбургских воротах)

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△ブランデンブルク門(Бранденбургские ворота)の中にあるマジパン博物館へ

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△マジパン(марципан)は、アーモンドプードル(粉末)と砂糖をペースト状に固めた素朴な甘さのお菓子。起源は諸説ありますが、ドイツでは18世紀まで薬局で売られていたのだそうです。様々な型に入れたり、粘土のように手で成形したりして、そのまま頂いたり、デコレーションに使ったりもします。マジパンの歴史、そして昔の貴重な型や美しい化粧箱のコレクションが紹介されています。

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△博物館内にはマジパンで作られたカリーニングラードの観光スポットも。マジパンで作られた“ソヴィエトの家”

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△ソ連時代のアニメ作品をテーマにした特集コーナーには、チェブラーシカやソ連版くまのプーさん

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△奥にはお土産用のマジパン屋さんもあります。ドイツ製とカリーニングラード«ポマッティ(Поматти)» 社のマジパンが販売されていました。1809年ケーニヒスベルク ではポマッティ兄弟が初めてマジパン工場を開き、すぐに評判となりました。ロシア帝国にも輸出され、流行したそうです。

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△カラフルで凝った形のマジパンは、贈り物としても喜ばれます。年末年始が近づくと、ドイツでは幸運を運んでくれるアイテムとして豚の形のマジパンが縁起物のひとつなのだそうです。

飛び地ならではの文化の交差点 カリーニングラードの魅力を味わえる博物館、ぜひ訪れてみてください。

モスクワ通信『中世ドイツ、ソ連、そしてロシア!融合の飛び地カリーニングラード』

月曜日, 4月 20th, 2020

世界最大の国土を持つロシアですが、その最西端に、飛び地の小さな州を持っています。ポーランドとバルト三国(リトアニア、ラトヴィア、エストニア)との間にあるカリーニングラード州です。

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もともとはドイツ領のケーニヒスベルクでしたが、1945年、第2次世界大戦で、ナチス・ドイツ軍と赤軍との激しい戦いで壊滅。(第2次世界大戦中には、大量のユダヤ人にビザを発給して命を救った日本人外交官の杉原千畝氏も一時期ここケーニヒスベルクで働いていました。)終戦とともにソビエト連邦のものとなり、最高会議幹部会議長であるカリーニンの名をとってカリーニングラードと名づけられました。その後、ソ連式に都市化されソ連人が移住してきたこの町は、ソ連崩壊後まで閉鎖都市となり、外国人は立ち入ることができませんでした。

現在では古き良きプロイセンを訪ねるツアーなどドイツからの観光客も多く、都市の再開発によってドイツ風の街並みやドイツ料理&ビールを味わえるレストランが出来たり、ドイツとの協力のもとでケーニヒスベルクの歴史を知ることができる観光スポットも大切にされています。ロシアで初開催された2018年ワールドカップでは、カリーニングラードも会場のひとつになりました。

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△モスクワから鉄道ヤンタリ(琥珀)号を使うと市南部の南駅に到着します。(飛行機だと約2時間)

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△南駅すぐ隣のカリーニン広場に建つカリーニン像。ミハイル・カリーニンは、ウラジーミル・レーニン率いるボリシェヴィキに属して活動していた革命家で、その後ソビエト社会主義共和国連邦の最高会議幹部会議長を務めます。レーニン没後は、最高指導者の後継にヨシフ・スターリンを推したと言われ、そのスターリンによってここはカリーニングラード州カリーニングラードと名づけられました。(また、カリーニンの出身地であるトヴェリもかつて1931年から1990年まではカリーニンと呼ばれており、現在も通りの名前などにカリーニンの名前が残っています。)

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△カリーニン広場のカリーニン像からレーニン大通りを徒歩数分。今度は、レーニン広場のレーニン像が見えてきました。

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△街の中心にでんと鎮座するのは・・・カリーニングラードのランドマークになるはずだった廃墟の“ソヴィエトの家”!ここにはかつて、中世の赤煉瓦造りが美しいケーニヒスベルク城や城塞がありました(ケーニヒスベルク はドイツ語で“王の山”という意味だそう)。戦後、ソ連によって城は破壊され、代わりに1975年ビジネスセンターの“ソヴィエトの家”が建てられ、そして完成することもなく廃墟となって現在まで残っています。ちなみにケーニヒスベルク城の地下はお墓だったそうで、今もその呪いが・・・なんてささやかれたりもしています。

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△町の中心を流れ、バルト海に注ぐプレゴリャ川の中洲カント島にあるゴシック様式の大聖堂(Кафедральный собор)。ソ連時代は廃墟のままで放置されていましたが、近年ドイツとの協力で修復されました。聖堂の内部にはプロイセンとケーニヒスベルクの歴史関連資料が展示され、上階はドイツの哲学者カントの博物館になっていました。イマヌエル・カントはここで生まれ育ち、ケーニヒスベルク大学の教授として生涯を過ごしました。チャイコフスキー作曲のバレエ『くるみ割り人形』の原作小説を書いた作家ホフマンも同じくケーニヒスベルク出身で、同大学ではカント教授の講義を聴講していたのだそうです。ケーニヒスベルグ大学は、ポーランドのクラクフ大学についで中東欧では2番目に古い歴史ある大学で、現在はカリーニングラードにあるカント名称バルト連邦大学の一部になっています。

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△美しい水の都!ケーニヒスベルクの町を再現したジオラマ。

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△聖堂内はケーニヒスベルクをテーマにした沢山のステンドグラスも見所です。ドイツ騎士団の紋章や武器、衣装なども展示されています。パイプオルガンが自慢の音楽ホールではコンサートも催されていました。

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△建物の裏手には哲学者カントの眠るお墓もありました。また、大聖堂の周りは緑の美しい彫刻公園になっており、たくさんのロシアの偉人の彫像がありました。

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△ピョートル1世像

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△チャイコフスキー像やガガーリン像、ほかにもたくさんのユニークな彫像が点在していました。

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△プレゴリャ川沿いを散策してみましょう。ハニー・ブリッジ(Медовый мост)の欄干には、可愛らしいおじいさん(дедушка хомлин)が座っていました。名前の通り、橋では結婚ホヤホヤの新婚カップルが数組、蜂蜜のようにあまい記念写真を撮っていました。ロシアでは結婚した2人が、ウェディングドレス姿で町の景色の美しい場所をまわり、記念写真を撮る風習があります。そして、橋の上では、永遠を誓って二人の名前を書いた南京錠をかけたりするのです。

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△ドイツ風の街並みが楽しめる川沿いエリア。気持ちよさそうに風を受けて遊覧船が行き来しています。

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△プロイセン時代に魚市場として栄えていた場所は、都市再開発により、“フィッシュ・ビレッジ(Рыбная деревня)”と呼ばれシーフード自慢のお洒落なレストランが並んでいました。写真中央にある灯台の展望台に登ってみると、

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△展望台からは美しいカリーニングラードの町を一望できました。ここからも廃墟“ソヴィエトの家”が見えます。幸せの鳥のモニュメントも。展望台まで階段を登って行く途中には、ガラスの作品やアクセサリーなどが展示販売されていました。

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△バルト海に面した不凍港カリーニングラードはロシア海軍バルチック艦隊の軍事拠点にもなりました。海洋博物館には水族館があるほか、海に関するさまざまな展示を見ることができるそうです。海洋調査船や潜水艦なども公開されています。

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△カリーニングラードからさらに鉄道や車で約1時間、バルト海沿いの町ゼレノグラツク(Зеленоградск)へ足を伸ばすと、夏を満喫できる海辺の保養地になっていました。写真奥は、リトアニアとの国境へつづき、ユネスコ世界遺産にも登録されているクルシュー砂州(Куршская коса)になっています。

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△潮風を感じながら海沿いをゴーカートや自転車でサイクリングしたり、海辺のブランコで夕陽を眺めたり、砂浜でビーチバレーをしたり、思い思いに過ごしています。

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△ゼレノグラツクの可愛らしい街並み。

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△猫の博物館があり、猫の信号、猫のベンチ、猫の家・・・町は猫のモチーフでいっぱい!あちらこちらをのんびりと猫がお散歩しています。

中世ドイツのケーニヒスベルクからソ連、そしてロシアへと歴史を紡ぎ、飛び地ならではの文化の交差点となっている融合の都市カリーニングラードです。

モスクワ通信『川と緑と廃墟と・・・宿場町トルジョクを歩く!』

日曜日, 3月 15th, 2020

ポジャルスキー・カツレツ発祥の地であり、エレガントな金の糸刺繍で有名な、宿場町トルジョク。モスクワとサンクトペテルブルクを繋ぐ古都は、川の流れる緑豊かな美しい町です。散策してみましょう。

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△トルジョクのプーシキン広場のプーシキン像。

国民的詩人プーシキンも、何度もこのトルジョクを訪れ、ポジャルスキーの宿屋のポジャルスキー・カツレツが大好物だったと聞いて、トルジョクのプーシキン博物館を訪れてみました。

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△トルジョクのプーシキン博物館(入場券は大人1人100ルーブル)

プーシキンが初めてトルジョクに立ち寄ったのは、1811年6月。サンクトペテルブルクのリツェイに入学することになった甥をモスクワから送って行ったときでした。その後、1826年からは毎年のように、時には1年に複数回も立ち寄ったようで、合計23回もここを訪れたという記録が残っています。

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△プーシキンは、妻に宛てた手紙のなかでもご馳走になった美味しいポジャルスキー・カツレツやクワスについて書き綴った他、たくさんの手紙を書いて何度となくトルジョクの郵便局へ足を運びました。

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△当時のトルジョクの町での人々の暮らしが再現されていました。

さらに時代をさかのぼり、12世紀のトルジョクのクレムリンへ向かいました。

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△トルジョクのクレムリン (Новоторжский кремль 入場券は大人1人50ルーブル)

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△クレムリン内の高台からトルジョクの町を一望できます。

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△クレムリンのすぐ隣にあるボリソグレプスコイ男子修道院(Борисоглебской мужской монастырь)。

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△▽教会の中を見学した後、横にある小さな博物館へ。トルジョクの歴史をさらに深く知ることができます。

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△この修道院の敷地内の聖堂は、トルジョクの近くの村で生まれ帝政ロシア時代に活躍した建築家ニコライ・リボフ(Николай Александрович Львов 1819−1853)の作品です。トルジョクをはじめ、サンクトペテルブルクやモスクワにもたくさんの優れた建築作品を残しました。トルジョクの近くにあるお屋敷(Усадьба Знаменское-Раёк・写真右上、右下は屋敷内の客間)や、丸石の橋(Валунный мост・写真左中央)などもぜひ見てみたくなり、足を伸ばすことにしました。

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△町を流れるトヴェルツァ川にかかる橋のたもとで見つけたリボフ像。

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△トルジョクの町の北、建築民俗野外博物館ヴォシリョヴォ(Архитектурно-этнографический музей под открытым небом “Василево”)のなかにある、リボフ設計の丸石の橋(Валунный мост)

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△建築家としてだけでなく、植物学者で園芸家、また詩人や音楽家としての顔も持つリボフの作品は、まさに総合芸術!この橋も“石のシンフォニー”と称されています。

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△さらに車を走らせ、次はズナメンスコエ・ラヨクの邸宅(Усадьба Знаменское-Раёк)へ。

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△今はすっかり廃墟のようになってしまっていますが、目を閉じると舞踏会の音楽や人々のざわめきが風に乗って聞こえてきそうな。当時の栄華を感じさせるとても美しい場所でした。

トルジョクの町のなかにも、廃墟と化した美しい建物がたくさんありました。

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△例えば、町の中心部にあるこちらの聖堂(Спасо-Преображенский собор)。しかし一歩なかへ入ると・・・

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△宗教弾圧によりソ連時代には内部が工場として使われましたが、現在は再び十字架とイコンが置かれ祈りの場所になっています。資金不足で修復が難しいまま今日に至っているとのことでした。

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かつて栄え、そして廃れ、歴史が凝縮された味わい深い町です。