ロシアのお茶文化を味わうため、モスクワ近郊の町トゥーラを旅しました。ロシア式ティータイムといえば、サモワール(ロシア式の湯沸し器)と蜂蜜をつかった伝統菓子のプリャニキ(ロシア版のジンジャーブレッド)です。

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△まずはプリャニキの博物館へ。トゥーラ市民に愛されている1881年創業の老舗«Старая Тула»の直営店には、ミュージアムが併設されています。

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△最も古いプリャニクは、蜂蜜を混ぜ込んだ生地を手で丸めたシンプルなもの。その後、木型を使用するようになります。白樺の木型は職人がひとつひとつ手作りしているそうで、もちろん大きく手の込んだデザインほど樹齢の高い良質な木材と職人の技術が必要になります。

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△文字を覚えるためのプリャニク『Азбука』など初期の頃のデザイン。プリャニキの歴史を、実際のプリャニキとそれを製作した木型とともに見ることことが出来て、まさにプリャニキで振り返る美味しいロシア図鑑!

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△日露戦争に関係するプリャニキや

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△1980年モスクワ五輪のマスコット“くまのミーシャ“など時代を反映したプリャニキ。さらには会社やブランドのロゴ、お祝いごとや記念日をモチーフにしたもの、クリスマスやパスハなど年中行事をテーマにしたもの・・・トゥーラではさまざまな記念プリャニキが作られてきました。

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△総重量50キロもある巨大プリャニク

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△ミュージアム併設の小さなお店には甘い香りが漂い、朝からひっきりなしに地元のロシア人がお買い物に訪れます。お店にはさまざまなプリャニキが売られています。

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△長持ちするので、お土産にも!中身は、フルーツのジャムかコンデンスミルクが人気だそう。トゥーラのプリャニキをはじめ、ロシアには各地オリジナルのプリャニキがあります。

☆プリャーニキ博物館(Музей «Тульский пряник»)

サイト:http://www.oldtula.ru

住所:г. Тула, ул. Октябрьская, д. 45.

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△さて、つづいてはトゥーラのサモワール博物館(Музей «Тульские самовары»)へ。入口では最も古いサモワールがお出迎え。

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△ロシアの湯沸し器サモワールは、内部の円筒状の部分に炭や松ぼっくりなどを入れて燃やし、まわりにたっぷり入っているお湯を温めてくれます。上にはポットを乗せて保温することが出来るため、サモワールを置いたテーブルを囲むと、何度もお湯をたしながら紅茶を飲んで、ゆっくりと家族団らんを楽しんだり、女性たちが席を立たずに思う存分おしゃべりを楽しんだりすることが出来ます。

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△サモワールづくりの行程が映像で、また道具も展示されています。

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△19世紀終わり頃には、トゥーラの町にこんなにたくさんのサモワール製造工房がありました。

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△2階には、さまざまな時代・形・タイプのサモワールや、さまざまな素材によるサモワール(白樺、陶器、ガラス・・・など)が展示されています。

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Музей «Тульские самовары»

サイト:https://www.museum-tula.ru/muzei/muzej-samovar/

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△トゥーラの街にあったロシア式ティータイムの銅像は、もちろんサモワールにプリャーニク!お茶会に参加して記念撮影出来ます。

 

ロシア料理と言えば・・・ビーツ(свёкла)の赤が美しいスープのボルシチ!‘’食べる血液”とも呼ばれ世界で注目されているスーパーフードのビーツは栄養価が高く、形はカブに似ていますがカブの仲間ではなく、ほうれん草などと同様のアカザ科の野菜で、実だけでなく赤い茎や葉も美味しく頂くことが出来ます。

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△ロシアのおふくろの味ボルシチ(борщ)は、家庭ごとお店ごとに違う美味しさなので、ぜひいろいろ味わいたい!

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△“冷たいボルシチ”とも呼ばれている夏の人気スープ、スヴェコリニク(свекольник)。スメタナを混ぜたビーツのピンク色が綺麗!

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△角切りにしたビーツとジャガイモや人参等の野菜を塩やオイルでシンプルに混ぜたヴィネグレット(винегрет)や、

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△ビーツの毛皮を着せてケーキのように重ねた伝統サラダの“毛皮を着たニシン”(селёдка под шубой)は、どちらもソ連時代から食堂の定番サラダです。

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△ビーツはサラダはもちろんジュースなど生でも食べることが出来ます。ロシアの野菜ジュースにはやっぱりビーツ!優しい甘さが特徴です。

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△ロシアの人気ファーストフードのひとつ“ロシア風クレープのブリヌイ”のお店でも、ビーツの赤いソースが印象的なИлья Муромец(イリヤ・ムロメツ:ロシアの勇者の名前)は昔からの看板メニュー。

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△ちいさな角切りビーツと香ばしい胡桃がごろごろ入っているビーツ・パンもありますし、

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△ひまわり油で揚げただけ!素材そのものの旨味を生かしたビーツ・チップスはお土産にも喜ばれそう。

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△もちろん、ロシアのスーパーではどこでも生ビーツや茹でビーツが必ず売られていますし、

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△郊外の菜園つきの別荘ダーチャで収穫した新鮮ビーツをロシア人にいただくことも。

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△今流行のお洒落なレストランでは、凍ったビーツをサラダに乗せてくださる“ビーツの雪のサラダ”なんていうメニューも!
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△2019年に登場したボルシチ・ラーメンは、日本×ロシアの新しい魅力!

モスクワへいらしたらぜひ新鮮で美味しいビーツを満喫してくださいね!

ロシア・タタルスタン共和国の首都カザンへ。シェレメチェボ空港から飛行機で1時間半弱、モスクワ・カザン駅(Казанский вокзал)から列車も出ています。まずはクレムリン(Казанский кремль)へ!スパスカヤ塔(Спасская башня)から入場します。

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△赤い城塞モスクワ・クレムリンも世界遺産ですが、実は白い城塞カザン・クレムリンもユネスコ世界遺産に認定されています。ここに城塞が築かれたのはおよそ11世紀初め。15~16世紀にはイスラム王朝カザン・ハン国の首都として繁栄しましたが、その後イワン雷帝の侵攻によって破壊されてしまいます。

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△クレムリンを入るとすぐに、ヨーロッパ最大級のイスラム寺院として知られるクル=シャーリフ・モスク(Мечеть Кул-Шариф)が見えてきました。イワン雷帝による侵攻で破壊されてしまいましたが、2005年に元の場所に、元の形に、忠実に再建されました。イスラムの香り漂うタタルスタン共和国の象徴ともいうべき建物です。

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△この四角い模様の角が方角を指し示していて、コーランが流れたときのお祈りにも使われるそうです。

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△男女に別れた祈りの場所も見学させていただきました。

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△イスラム文化博物館では、ちょうど«Лев Толстой и исламский мир»(レフ・トルストイとイスラムの世界)という興味深い展示をしていました。ヤースナヤ・ポリャーナで生まれ、その生涯を閉じる日まで愛する故郷で暮らしたことはよく知られていますが、実はここカザンの大学で学んでいました。(カザン大学ではレーニンも学んでおり、大学には若き日のレーニン像もあるそうです。)

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△こちらは若き日のトルストイ青年です・・・!学芸員の方のお話では、カザンの病院で僧侶に出逢い仏教に興味を持ったり、インドのヒンドゥー教に関心を持ちガンジーと交流したり、中国の老子が説いた道教を学んだり・・・ロシア正教やイスラム教以外にもトルストイがその人生において広く世界の宗教を大きなテーマのひとつとして探求していたことが窺えます。

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△ロシアのお土産屋さんとはまた違う独特の雰囲気!

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△ここだけ赤レンガ造りのスユンビケ塔(Башня Сююмбике)。スユンビケというのは、イワン雷帝の求婚を拒みここから身を投げたという伝説のあるカザン・ハン国の美しい最後の王妃の名前だそう。イワン雷帝の侵攻のときにも、この建物だけは奇跡的に残ったといわれています。街灯と比べて、少し傾いているのがお分かり頂けるでしょうか・・・!

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△この白いクレムリンのなかには、美しいイスラムのモスクとロシア正教の聖堂が並んで建っているのが特徴です。タタルスタンはイスラム教を信仰するタタール人と、ロシア正教を信仰するロシア人が暮らしているのです。

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△タタール民族衣装の男性がロシア民族衣装の男性の肩に手を置いて、同じ方向を見据えている銅像!今回は行くことが出来ませんでしたが、カザン市内には『全宗教の寺(Храм всех религий)』と名付けられたあらゆる宗教の特徴が混在するユニークな建築物もあるそうです。

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△黄金に輝く鐘楼と玉ねぎ型の青い屋根が美しい生神女福音大聖堂(Благовещенский собор)のなかも見学。

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食も独特なタタルスタン!クレムリンのなかのカフェでは、タタール風お茶会へ。

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△タタール語で‘’三角形”という意味のタタール風ピロシキ!なかにはジャガイモとお肉と玉ねぎが入っていて軽食にもぴったり。カザンにはこのピロシキの銅像もあるそう!Памятник татарскому пирожку “Эчпочмак” (Monument to Tatar Pie “Echpochmak”)。平たい半月型のものは、クレープのような生地にマッシュポテトがはさんでありました。

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△お茶会をご一緒したタタルスタンの男性は、とにかくこれが大好物とのこと!サクっとした生地のなかに甘く煮たお米やレーズン、カッテージチーズなど?がずっしりと入っているお料理を目の前で切り分けてくださいました。綺麗なのでお祝いやおもてなしの席にも喜ばれるそう。奥には、これぞタタルスタン土産の代表ともいえるチャクチャク。(モスクワのスーパーでも売られています。)小麦粉を練った生地を油で揚げて、蜂蜜で固めたもの。日帰り旅の間にもあちらこちらでみかけ試食しましたが、シンプルなレシピながらそれぞれに全く違うお味!こちらのものは、さくさくと柔らかいかりんとうのようで絶品でした。市内にはチャクチャク・ミュージアムもあるそう。

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△クレムリンは丘の上に建っているので、展望スポットからはカザンの街を一望することが出来ます。ユニバーシアードや昨年2018年サッカーのワールドカップが開催されたスタジアムも見えました。日本代表のベースキャンプ地もこのカザンでしたね!モスクワの日本人学校の生徒たちが手作りの横断幕を持って応援に訪れました。

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△現在、『カザンの聖母』のイコンのための新しい教会が建設中だそうです。

さて、その『カザンの聖母』のイコンに対面するため、クレムリンからカザンの生神女修道院へ移動します。

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△ロシアを守護する最も大切なイコンのひとつとして崇められている『カザンの聖母』。幼い少女マトリョーナの夢に生神女マリヤが現れて、大火事の後に地下にあるイコンの場所を教えたというエピソードが伝えられています。まさにその場所にカザンの生神女修道院が建てられ、少女は修道女となったそうです。しかし1904年に、この修道院から何ものかによってイコンが盗まれてしまいます。今も行方不明のこのイコンがあった場所には複製が飾られています。しかし人々の心のよりどころであることに違いはなく、ちょうどこのイコンの祭日(7月21日と11月4日)の前日で、多くの人が訪れ、このイコンにキスをして祈りを捧げていました。

モスクワのカザンの聖母教会とサンクトペテルブルクのカザン聖堂は、この『カザンの聖母』のイコンのために献堂されているそうです。

 

☆カザン・クレムリン http://kazan-kremlin.ru

ロシアと言えばやっぱり黒パン!なかでも香辛料コリアンダーの風味とライ麦の甘み酸味がずっしりもちもちと感じられる食感が魅力の伝統的な黒パン「ボロディンスキー(Бородинский)」はロシア料理によく合います。

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△スーパーではドライフルーツやナッツを入れたもの、ライ麦配合のお好みに合わせて灰色のパンも種類豊富です。そのままでも美味しいですし、スープやお料理のつけあわせにはもちろん、スメタナやバターを塗りサラミやチーズをのせても。

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△黒パンを発酵させた炭酸飲料“クワス”はロシアの夏に欠かせませんし、

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△刻んだたっぷりの夏野菜にクワスをかけた栄養満点の冷製スープ“オクローシカ”も夏の定番です。

そして、黒パンのスナックのスハリキは、おやつにやおつまみに・・・ロシアで人気があります。硬くて噛みごたえがあり、噛めば噛むほどライ麦の味がします。

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△スハリキは、シンプルに油やニンニクで味付けしたものから、スメタナとウクロップ味(ロシア人の大好きなサワークリームとハーブ)、イクラ味やサーモン味、煮こごり味など・・・ロシア独特フレーバーが楽しめたり、ソースつきだったりします。それぞれに黒パンスナック本来の形や固さなども違うため、好みが分かれます。

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△写真はスメタナ味と煮こごり味。以前はキャビア味やイクラ味もあり、お土産に買って喜ばれました。

列車の旅をしたときには塩気の強い味の黒パンスナックとビールで宴会をしているロシア人男性を見かけましたし、シンプルなスメタナ味は軽食&ドリンクの自動販売機などでも定番です。

さて、そんなモスクワでは今、黒パンより黒い食品が大流行中!

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△たとえば、美味しい国産牛肉を使った本格的なバーガーショップが溢れるモスクワで、バンズ生地に炭を練り込んだ黒いバーガーはすでに定着!?あちらこちらで見かけます。

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△この夏はアイスクリームも黒ブーム!黒いアイスクリームコーンに黒いチョコレートコーティング!その中身も・・・真っ黒の黒イチゴ!食べ終わるとお口のなかがお歯黒のよう!ほかにもシベリアの石炭と書かれた商品など黒いアイスがたくさん!

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△これはもはや黒パン・スナックでなく黒スナック!塩分控えめ塩漬けきゅうり味!?

ロシアへいらしたら、必ず味わって頂きたいのが伝統の黒パン!そしてご興味とほんのすこしの勇気があれば、あちらこちらで見かける流行の黒いロシア味も試してみて下さい。

モスクワの街中でよく見かけるスケートボードやローラースケート、そしてキックボード(Самокат)。若者だけでなく、素敵な老夫婦が仲良く乗っていたり、幼稚園の入り口にずらりと並んでいたり。

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△石畳や、でこぼこ道の多いロシアだからでしょうか、日本よりもタイヤが大きい印象です。

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△両手を離して乗ることが出来るこんな乗り物バランススクーター(Гироскутер)も見かけますし、

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△日本ではまだあまり見かけないセグウェイも人気があります。階段や段差のあるところでは一旦降りて、スーツケースのように上部から持ち手を伸ばして引っ張ります。

10年前にはモスクワの街中ではほとんど見かけなかった自転車も、すっかり一般的になりました。

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△こんなお洒落な自転車置き場も。

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△自転車専用に色分けされた道路や自転車用の信号機も増えてきました。

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△スマートフォンのアプリを使って街中でレンタルできるシティサイクルもよく利用されています。

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△まずはアプリ(велобайк)をダウンロードして、名前や電話番号、メールアドレスなどを登録(英語も可)。

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△料金プランもいろいろあります。アプリ上の地図で、自転車をレンタル出来る場所やどれくらいの自転車が駐輪しているかが表示されます。

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△登録が済んだら、あとは自転車を選び、画面に自分のログイン番号とピンコードを入力すれば、快適サイクリングのスタートです!

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△なんとギアは日本のシマノ製。

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△最近では、電動自転車や電動キックボードのレンタルもはじまりました。モスクワ散歩の進化系スタイルです。自転車人気を受けて、いつもは車が走っている環状道路を自転車専用にしてサイクリングを楽しむイベントも開催されています。また、ゴーリキーパークなどの大きな公園では、キックボードやバランススクーター、セグウェイ、ローラースケートなどをレンタルして楽しむことも出来ます(1時間 ルーブル。パスポートを預けて)。ただし、雪の降るモスクワでは冬場は撤去されてしまいますので、楽しめるのは夏の間だけ。

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△レストランや花屋さんなどお店の広告にも自転車!

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△モスクワでよく利用されるフードデリバリーサービスも、キックボードや自転車を使って車の大渋滞をするりと駆け抜けていきます。

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△キックボードやセグウェイ、自転車、ゴーカートなどの乗り物は、ゴーリキー公園などでレンタルして楽しむことも出来ます。この秋、モスクワ川沿いの遊歩道で、初めてГИРОСКУТЕРに挑戦してみました。バランスをとるのも簡単で操作も分かりやすく意外にもすぐに進化系お散歩を楽しむことが出来ました!

 

モスクワといえば、赤の広場の聖ワシリー寺院を思い浮かべる方も多いと思いますが、摩天楼モスクワ・シティ(モスクワ国際ビジネスセンター)は、どこか現代版の聖ワシリー寺院を思わせます。今やどちらもモスクワを象徴する建物となっています。

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そんなモスクワ・シティの展望台PANORAMA360も、今話題のスポットになっています。

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△ガラス張りの天井からモスクワ・シティを見上げることが出来る隣のショッピングモール Афимолл Сити(アフィモール・シティ)2階スモール・アトリウムにあるカウンターでチケットを購入(大人1枚 1080 R)

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△市内バス停などで最近よく見かけるこちらの広告を写メして提示すると割引サービスもあります。

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チケットカウンターから矢印に沿って進み、モールの外へ。いよいよ展望台のあるフェデレーション・タワーへ。

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△高速エレベーターで一気に89階へ

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ぐるりと360度たのしめるモスクワの景色ももちろん魅力ですが・・・

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△あちらこちらにアイスクリームに関する展示が!

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そう、実はここ、ヨーロッパで一番高い展望台にアイスクリーム工場があるんです!

 

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△目の前でつぎつぎに出来るЧистая Линия社のアイスクリームは、ロシアの定番スタカンチク(コップ型のアイス)。お味もロシアの定番プロムビール(ミルクともバニラともちょっと違う濃厚さが魅力の生クリーム味)

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△パリパリの香ばしいコーンにふんわりなめらかに口のなかで溶けるアイスクリームは絶品!お姉さんがつぎつぎに手渡してくださり、なんと食べ放題!隣にはチョコレート工場もあり、トッピングも楽しめます。

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△みんなアイスクリームを食べ、景色を眺めながら展望台でのひとときを楽しんでいます。

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ほかにも展望台には、モスクワの歴史を紹介するミニシアターや、レストラン、そしてお土産屋さんも。

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△ミニシアターでは、モスクワのはじまりからモスクワ・シティの完成までを数分で振り返ります!

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△ロシアの人気お土産以外に、ここでしか買えないパノラマ360記念グッズもありました。

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PANORAMA360 https://pnr360.ru

 

モスクワの北東部に輪を描くように点在する古都は“黄金の輪”と呼ばれ、美しい自然とロシア正教の教会が織りなす昔ながらのロシアの風景を楽しむことが出来ます。世界中から訪れる観光客を楽しませてくるさまざまなイベントも開催されていますが、そのなかでもユニークなお祭りのひとつ、毎年7月中旬にスーズダリで開催される国際キュウリ祭りへ行ってきました!今年2019年で第19回目を迎えます。

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△この日はスーズダリの街中がキュウリで溢れますが、メイン会場は木造建築と農民生活博物館(Музей деревянного зодчества и крестьянского быта)。

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△チケットは大人500R、子ども250R。受付では、キュウリ帽のサービス!会場のなかはとにかくキュウリ!キュウリ!!キュウリ!!!

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△さまざまなキュウリのコスチュームで記念撮影!

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△自家製きゅうりの塩漬け講座など、さまざまなマスタークラスも。

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△キュウリで作ったわにのゲーナとなぜかじゃがいものチェブラーシカ!

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△あちらでもこちらでも自家製キュウリの漬け物が売られていて、味見をさせてくれます。みんな手にはキュウリを持ち、ポリポリとかじりながら散策しています。

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△ロシア料理によく使うハーブのディル(Укроп ウクロップ)の花をきゅうりと一緒につけ込むと香りが良くなるそうです。浅漬けから古漬けまで味のバリエーションもさまざま。ニンニク入りなどもありました。

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△キュウリになれる楽しい写真スポットも満載です!

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△ステージでは終日、キュウリ祭りを記念した歌やダンス、楽器のコンサートや、キュウリ料理やキュウリの仮装コンテスト!

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△たくさんのテントでは、自慢のキュウリ料理も味わえます。スライスしたキュウリ入りのじゃがいものお焼き“ドラニキ”とキュウリのジャム!

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△木造建築と農民生活博物館には、18~19世紀の古い建物や風車などがあり、民族衣装をまとった人と昔ながらの遊びを楽しめます。

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△子どもたちに大人気だった人形劇

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スーズダリのキュウリ祭りで、爽やかなロシアの夏をお腹いっぱい満喫!黄金の輪スーズダリのちょっと意外な一日でした。

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住所:Ulitsa Pushkarskaya, 27А, Suzdal, Vladimirskaya oblast’

ロシアの2大都市にある西洋絵画の殿堂で、2大ロシア人収集家のコレクション展が同時開催されて大きな話題になりました。サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館ではイワン&ミハイル・モロゾフ兄弟のコレクション展、そしてモスクワのプーシキン美術館(ГМИИ им. А.С. Пушкина)ではセルゲイ・シューキンのコレクション展。

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△ピカソやマティス、セザンヌ、モネ、ゴーギャン、ルソー……モスクワのプーシキン美術館の敷地内でも、いつもは別館19〜20世紀ヨーロッパ・アメリカ美術ギャラリーに展示されている名画が、そしてサンンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館でしか観ることが出来ない傑作の数々が、プーシキン美術館本館へと一挙大集結!

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△シューキンがモスクワの自邸に飾るためにマティスに依頼して完成した『ダンス』もエルミタージュ美術館から戻ってきました!

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△敬虔なロシア正教古儀式派の家庭に育ったシューキンは、4兄弟の末っ子でした。ロシア革命の後、シューキンのコレクションは国有化され、プーシキン美術館やエルミタージュ美術館に収蔵されました。

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△印象派の作品を数多く収集したシューキン。そのコレクションの価値はおよそ85億ドルとも言われています・・・!

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△シューキン邸は、マティスの間、ピカソの間・・・というように画家ごとに別れており、部屋中に作品が展示されていました。プーシキン美術館では、そんなシューキン邸をイメージしたような画家ごとの展示になっており、展示室には対比するように当時のシューキン邸の写真もあり比較しながら楽しめるように工夫されていました。

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△はじめはピカソのキュビズムの魅力を受け入れられなかったというシューキンでしたが、絵画としての価値は認めていました。

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△ピカソで埋め尽くされたシューキンの部屋

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△シューキンのポートレート

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△モスクワのシューキン邸は今も残っており外観を眺めることが出来ます。ここで、マティスは『ダンス』を描きあげ、そしてシューキンは当時、入口をはいるとすぐ目につく場所に『ダンス』を飾っていたそうです。

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プーシキン美術館 https://pushkinmuseum.art/index.php?lang=ru

住所:Ulitsa Volkhonka, 12

6月6日、今年もロシアでは国民的詩人プーシキンのお誕生日が祝われました。昔も今もロシア人に心から愛されているプーシキンの名前やプーシキンにまつわる場所はモスクワ市内でもたくさん見ることができます。今年2019年は、モスクワに新たにプーシキンに出逢える場所が増えました。それは・・・シェレメチェヴォ国際空港です!

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△このたび、ロシアの空港には偉人の名前が冠されることになりました。アエロフロート・ロシア航空が乗り入れるシェレメチェヴォ国際空港は、国民的詩人プーシキンの名前が冠され(Международный аэропорт Шереметьево имени А.С. Пушкина)、これを記念して6月6日のプーシキンのお誕生日に空港で巨大なプーシキンの銅像がお披露目されたのでした。

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△このプーシキンの銅像、手にしている本の背表紙にはQRコードがついているお楽しみつき!

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△読み込むと、プーシキンの作品をオーディオブックでお楽しみ頂けます。

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△プーシキン像のあるターミナルEには、プーシキン関連の展示も用意されていました。

なお2019年6月現在、日本航空(JAL)が乗り入れているドモジェドヴォ国際空港は、モスクワ大学の創設者でもあるミハイル・ロモノーソフの名が、ヴヌコヴォ国際空港はソ連を代表する航空機設計士のアンドレイ・トゥポレフの名が冠されることになりました。

ほかにも、ヴォロネジ空港はピョートル1世、クラスノダール空港はエカテリーナ2世、ムールマンスクはニコライ2世といった歴史上の人物の名がつけられました。また、マガダンの空港には、ソ連を代表する詩人、歌手であり俳優でもあるウラジミル・ヴィソツキーの名が、クラスノヤルスクの空港には、2017年にこの世を去った世界的オペラ歌手のドミトリー・フヴォロストフスキーの名がつけられました。

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ちなみに、アエロフロート・ロシア航空の飛行機には、コックピットの下に国旗とともにロシアの偉人の名が付けられており、今日は誰の名前がついた機体に搭乗できるのかは毎回楽しみのひとつです。この日は、作曲イーゴリ・ストラヴィンスキーでした。

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60周年を迎えたシェレメチェヴォ空港では、これからはプーシキンが、ますます多くなる外国人旅行客をお迎えし、海外へ出発するロシア人をお見送りしてくれます。

 

ソ連時代の実際の地下核シェルターの一部が博物館として公開されているБУНКЕР-42 НА ТАГАНКЕ(冷戦博物館)。第2次世界大戦後、米ソ冷戦体制がつづき、1950年代は軍事的にも緊張が高まって核戦争が現実のものになるかもしれない恐怖にさらされていました。当時作られた地下65m広さ7000m²もの巨大シェルターが博物館として公開され、2006年の開館時から今日まで、ロシア人にも観光客にも人気があります。年齢別・体験型などさまざまなツアーがあります(要予約。外国人料金は大人1名2200R。ロシア語・英語ツアーあり)。

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△住宅街のなかに突如現れる入口!博物館として公開されるまでは、もちろん存在も入口も極秘でしたから、近隣にお住まいの方は、まさかこの普通の建物の下にこんな巨大施設が存在していたなんて驚かれたことでしょうね・・・!

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△シェルターは1950年から建設がはじまり1956年に完成。主に4つのブロックに分かれ、通路で繋がっています。公開されているのは第4ブロックのみで、残りは食料や水、燃料の備蓄などに使用されています。ちなみにソ連当時の入口のひとつは地下鉄タガンスカヤ駅(環状線)構内にあり、ツアーの途中で「この先が地下鉄に続いています」と教えてもらえます。モスクワの地下鉄はとても深く、そのためエスカレーターもとても速いのですが、地下シェルターと繋がっていたなんて!ということは、もしかしたらあの駅もこの駅も・・・!?

 

時間になると軍服姿の案内人が登場して簡単なオリエンテーション。危険なので迷子にならぬよう必ずグループで行動し、絶対に勝手に電線やボタン、スイッチなどに触れないこと!厳しい口調に緊張が走ります。

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△そして、まずは地下18階(310段)まで一列になって螺旋階段を降りていきます。エレベーターもありますが、シェルターの深さを体感するためにも基本は徒歩!歩きやすい靴での参加をおススメします。

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△世界のなかの有名なシェルターを紹介する地図。職員が水分補給出来るようにソ連時代の炭酸水の自動販売機もありました。最近モスクワのショッピングセンター等ではこのレトロなデザインの自販機が復活しています。

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△このシェルターには、常時600人もの職員が働いており、5交代制で2000人以上が任務にあたっていたそうです。極秘任務として、自身の担当場所への往復経路と任務以外のことは一切知らされていなかったそうです。暗号解読の機械なども展示されていました。通信業務には女性もいたんですね。

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△レーニンの肖像画の前に座るスターリン!案内人曰く「実際にここにスターリンが座っていたということではありません。観光客の皆さんが喜ぶので・・・」とのこと。

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△会議用の長テーブル

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△ここで、希望者を2名募り、実際の操作パネルの前で核ミサイル発射シュミレーション。架空の都市に起こったフィクションの映像とはいえ、その臨場感と投下後の絶望の世界は恐怖の一言。この博物館は、二度とこのような悲劇が起こらないように願い戒める役割を果たしています。

さて、最後には地下鉄タガンスカヤ駅に向かう通路ではドッキリも仕掛けられています!

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ここで突然、真っ暗闇になり・・・あとはぜひ実際に体感してみてください!地下18階でしかも恐怖の映像を見た後ですから、心臓が止まりそうになります。

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△グッズも販売されているチケット窓口では、毒マスク姿の顔写真がついた通行証を記念に受け取ることも出来ます。

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△そしてツアーの終点は、モスクワで一番深い場所(地下65m)にあるレストランへ続いています。ユニークな個室などもあり、ステージではソ連歌謡が、モニターではソ連映画が上映されています。(エレベーターを利用してレストランのみの利用も可能です。)

【博物館】БУНКЕР-42 НА ТАГАНКЕ  http://bunker42.com

【レストラン】http://www.banket-bunker42.ru

住所:115172, г. Москва, 5-й Котельнический переулок, д.11