カリンカステージその後・・・

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帰国前には、在日ロシア連邦大使館の学校講堂でも踊りを披露したカリンカ。ここへはなんと、日本舞踊の藤間闌黄さんとバレエ評論家の桜井多佳子さんもお見えになり、終演後に温かな声をかけてくださいました。

 

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また、スペシャルゲストには、日本をベースに活躍されているロシア民族音楽アンサンブル『ガルモーシュカ』が登場。またひと味違う大人の魅力でステージに華を添えて下さいました。

 

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日本とロシアの国旗を両手にフィナーレ!まだあどけない表情の少女に戻り、ひとりひとりやってきては抱き合って記念写真を撮りました。

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あたたかいロシアのダンスと歌、そして可愛らしい子供たちの笑顔が、今も心と身体をあたためてくれるようです・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリンカとおとぎの国へ!

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ロシア児童舞踊アンサンブル カリンカが来日!おとぎの国に迷い込んでしまったかのようなひととき・・・

 

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1970年に首都モスクワで設立され、現在350名程の天才少年少女たちが在籍しているカリンカのなかから、今回は11〜16歳の美少女13名がステージに登場しました。

 

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舞台MCをしていてお客様の歓声が大きかった演目を3つご紹介します!まずは第一部の最後を飾った『ロシアのマトリョーシカ』

日本でも最近とても人気のあるロシアの民芸品マトリョーシカが生き生きと踊りだしたら・・・?というとっても楽しいダンス。

 

 

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そして、こんなの観たことない!第二部のスタートにお送りした『ハッピーステップ』。いったいどれが誰の足なのか・・・コミカルに幾何学模様を繰り広げていきます。

 

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優しいお客様がどの演目でも、あたたかな手拍子で、カリンカの子供たちを応援してくださいました!

 

→つづく

※舞台写真の一部はカリンカ公式サイトより

 

自然と芸術の化学変化 ~3~

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「ここで展覧会を開いてみたい!」世界中のアーティストを魅了してやまない、日本が誇る美術館のひとつである神奈川県立近代美術館 葉山。

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青い空と蒼い海をつなぐ白い美術展示室には、四季折々の光と波音、そしてここちよい潮風に満たされています。

ここにロシア・アヴァンギャルド!?ソヴィエト・モダニズム!?一見してミスマッチにも思える展示でも、自然の包容力と人間の創った芸術との新しい化学変化を見ることができます。「やや不便な場所にありますが、だからこそ見にいらした方を裏切らない最高のおもてなしをご用意しています」と水沢館長。

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△右から、オープニングレセプションでご挨拶される水沢 勉館長、東京新聞の寺尾晶子文化事業部長、松本ルキさん、ロシア文化フェスティバル日本組織委員会より委員長に代わり鳩山幸夫人と長塚英雄事務局長

 

水沢館長「革命、建設、実験と挫折・・・そのなかで行われた果敢な挑戦。ちょうどこのポスターが生まれたアヴァンギャルド時代の、日本とロシアとの濃密な芸術の結びつきに非常に関心があります。他人には思えない,一言で言えば、ロシアにはそういう想いがあります。見る前と見た後では違うセンセーションのなかにいる、そういう展覧会をこれからも企画していきます。」

 

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△籾山昌夫 主任学芸員によるオープニングトークも大盛況!

 

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△「これだけのスケールで破綻なくデザイン出来る素晴らしさ!」と籾山主任学芸員も絶賛。エイゼンシュテイン監督の映画『10月』をテーマにしたステンベルグ兄弟の大作ポスターの前で。

 

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籾山主任学芸員「展示室はあえて壁を取り払い、溶け合ったり、際立ったり、たくさんの情報量のなかで、あらゆる作品を視覚的に流れるようにとこだわって展示しています。違う時代のものが一堂に会する、その時代でも見ることが出来ない組み合わせ、それは企画展ならではの大きな楽しみのひとつでもありますよね。」

 

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△ キリル文字などを配してアヴァンギャルド作品を実際に創ることができるユニークなコーナーも人気でした!

 

年に2回ダイヤモンド富士も見えるという展望台やトンビが舞う庭園をお散歩するもよし,美術図書室で『USSR under construction』をはじめ作品の背景を深める貴重な資料に目を通すもよし、ミュージアムショップやレストランでくつろぐもよし・・・皆様もどうぞ芸術の秋の一日をご堪能ください!

 

 

 

 

松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム」展オープニング・レセプションにて、ロシア文化フェスティバル日本組織委員会の鳩山由紀夫委員長に代わり出席された、幸夫人とご一緒に、展示室を覗いてまいりましょう!

3つの章に分かれた展示は,“色彩の魔術師”ワシーリー・カンディンスキーによる革命前ポスターにはじまり、

 

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第1章は、インパクトのある韻文と絵を組み合わせることで民衆にとって“壁新聞“的な役割を果たした『今日のルボーク』や『ロスタの窓』など,カジミール・マレーヴィチやウラジーミル・マヤコフスキーら前衛芸術家が参加した、十月革命までのポスターで構成されています。

 

つづいて、ロシア・アヴァンギャルド期の映画ポスターで埋め尽くされた圧巻の第2章。ウラジーミル&ゲオルギーのステンブルグ兄弟やニコライ・プルサコフ、アレクサンドル・ロトチェンコらの手によって、1本の白黒映画がカラーポスターに凝縮されている、その大胆な構図や発想、創造性に目を奪われます!

 

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△インスピレーションを得て、気になる作品の前でポーズをキメてくださる幸夫人。

 

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△「あ!目が合っちゃった・・・!」『41番目の男』映画ポスターの前で。

 

そして第3章は、鮮烈な赤色が特徴のソヴィエト連邦の政治ポスター。地鳴りのように響き渡る足音や群衆の声、息苦しいほどの熱気が伝わってきます。

 

 

 

 

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△松本ルキさんと幸夫人。「政治と芸術が融合されているのね!」

 

ユートピアを求めて。それぞれのポスターに込められた理想への想いは、ロシア革命前からソヴィエト連邦初期のアーティストたちも、これまで大切に受け継いでこられた松本瑠樹さんも、そして現代の私たちも,共感出来る感覚なのではないでしょうか・・・。

 

 

 

ユートピアを求めて ~1~

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松本瑠樹コレクション ユートピアを求めて ポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズム」展のオープニングを取材するため、神奈川県立近代美術館 葉山へ行ってまいりました!

 

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DCファッションブランド『BA-TSU』のデザイナーとして一世を風靡した松本瑠樹さん。世界的なポスター蒐集家としても知られています。世界の国々が、美術館が、「喉から手が出るほど欲しい!」というその貴重なコレクション約2万点のなかから、ロシア革命前〜ソヴィエト連邦初期の傑作、約180点が公開されます!

 

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オープニング・レセプションでご挨拶されたのは、ご子息でファッションプロデューサーの松本ルキさん。親子で同じお名前だなんて・・・ロシア人みたい!?「人類の遺産である作品群を、私はほんの一時期、預からせていただいているだけであり、まだ見ぬ未来の子供たちにも、是非この作品を見てもらいたいと願っている。父はいつもそう申しておりました。」

 

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△右から、ご挨拶される松本ルキさん、神奈川県立近代美術館 葉山の水沢 勉館長、東京新聞の寺尾晶子文化事業部長、ロシア文化フェスティバル日本組織委員会より鳩山由紀夫委員長に代わり幸夫人と長塚英雄事務局長

 

 

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△会期中に映画も上映されるセルゲイ・エイゼンシュテイン監督『戦艦ポチョムキン』のポスター。これまで見たことがないほどの美しい色彩に、松本瑠樹さんがどれほど愛情を持って大切に保管されてきたかがうかがわれます。

 

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△「このポスターの前に並び、それぞれの人物と同じ方向を見てみてください。すると皆の目線の先、一番目立つのは・・・?」ギャラリートークもおすすめです!

 

 

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△ポスターをモチーフにしたオリジナルグッズもたくさん!(公式FBページより)

 

 

 

「時代や作家たちの情熱が感じられるような“魂を揺り動かされるもの“を側においておきたい」本物を本能で選び抜くその審美眼には脱帽するばかり・・・!

 

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さて、“すべて目的はファミリーハピネス!かかわる人や地域すべての幸せのために“という仕事スタイルでも時代のトップランナーとして注目されるルキさん。この日も家族みなさんでご来場!

 

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ロビーに用意された体験『ろしアナ』コーナーをはじめ、展示スペースや作品を身体一杯に感じる子供たちの姿に、優しく微笑む松本瑠樹さんが見えるようでした。

 

次回は、展示室の様子や作品についてご紹介していきます!

 

 

それでは、ファイジー・ガスカロフ記念国立アカデミー・アンサンブルのフィリュス・カザクバエフ芸術監督にお話を伺ってみましょう!

 

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——ロシア国内で活動する数多くの民族舞踊団とは違う、あなたのアンサンブルの特徴はどんなところでしょうか?

芸術監督ーー基本的には他のロシア民族舞踊団と違いません。というのは、踊り方をはじめ、衣装や音楽に至まで、我々はロシアの教育のもとで学んでいるからです。劇団には民族的なロシア人はほとんどいませんが、首都モスクワやペテルブルグで学んだ素晴らしい人材によって質の高い教育が行われていますから、ロシアの踊りを最高のクオリティで踊ることができると自負しています。バシキールならではの特徴というのは、作品のストーリー部分です。これは、ほかのどの国とも、どの民族とも違う部分で、それぞれの作品にストーリー性があり、すべての踊りにバシキールの心が表れているのです!

 

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ーーそれこそ、創設者ガスカロフ氏から受け継がれているものですね?

芸術監督ーーええ、そうですね。ガスカロフはかの有名なイーゴリ・モイセエフの愛弟子ですから、私たちはモイセエフのバレエ団とおなじように質の高いロシアの踊りを踊ることができます。他方で、ガスカロフは自ら数多くの地域をまわり、さまざまな民族の歴史や生活、習慣などに触れ、祝宴など実際の生活のなかで踊りがどのように育まれているのかを深く探り、民族の心を理解して、それを芸術の域にまで高めました。ソ連時代にガスカロフによって産み出されたこの独特の傑作を、保持していきたいと考えています。2010年には創設70周年を記念して、私たちアンサンブルの歴史博物館もできました。けれども、伝統を守るだけでなく、新しい演目も毎年追加しており、エストラーダ(大衆芸能・軽演劇のような意)的なレパートリーも組み込むなど、現代の観客にも合うように趣向をこらしています。

そうそう、世界的に有名なヌレエフというダンサーをご存知でしょうか?彼もバシコルトスタンの誇る英雄のひとりです。2006年に開設されたアンサンブル付属のダンス・スタジオでは、現在4歳から15歳まで約150名くらいの子供が未来のダンサーを夢見てレッスンに励んでいますから、ダンサーたちも日々進化しているといえるでしょう。

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公式サイトではこのスタジオについても動画で紹介されています。

 

ーー最後に、 今のあなたの夢を教えてください!

芸術監督ーー夢は・・・そう、この素晴らしい日本公演を、そしてこの温かく尊敬のこもった歓迎ぶりを、祖国のみんなに観てもらえたらいいのにということ!1939年に創立されてから初となる記念すべき日本公演をTV中継できたらよかったのにね・・・!!そして今度来日できる機会があれば、民族楽器の生の音色も合わせてお届け出来たらと思います!

 

ーー夢を叶えるためにも、どうぞまた日本へいらしてくださいね!ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

ファイジー・ガスカロフ記念国立アカデミー・アンサンブル公演、今回は舞台裏をレポート!

 

まず目を奪われたのは、長く三つ編みにされたつややかな黒髪が印象的な女性ダンサーたち 。「覚えていないくらい小さな頃から踊っているんだから、もちろん自分の髪だわ」という方もいれば、「普段は流行のミディアムスタイルにしているから、半分から下は人工の髪を編み込んでいるのよ」という方も。おさげの先には銀のアクセサリーが編み込まれ、踊るとシャララランと揺れて響きます。

 

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△おしゃべりの途中でも、カメラを向けるとすぐにこんな美しいポーズが完成。さすがはプロ!

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△ヨーロッパとアジアの出逢うバシコルトスタン。豊かな自然を背景に撮影された公演パンフレットより

 

「日本の観客の皆様にとっては、初めて出逢う踊りが多かったと思いますが、とても良く受け止めてくださって感激しています!第一部はバシコルトスタン共和国のものを中心に、第2部はロシア全体のレパートリーにしましたが、私達のレパートリーは本当に豊富で、世界中の踊りがあるといっても過言ではありません。インド、アメリカ、ユダヤ、韓国、中国など・・・今度また来日する機会があれば、たとえばアルゼンチンとかスペインとか、別なプログラムだってお見せできることでしょう!でも今回は、初来日ですから、やはりバシコルトスタンの、バシキール民族の、そう私たちならではの踊りをお見せ出来たことを嬉しく思います。日本人と私たちは、なんだか性格が似ているように感じませんか?そう、女性は控えめで、男性は“サムライ”のように勇敢です。今回は小道具のサーベルを持ってくることができませんでしたが、いつかぜひ、バシキール風サムライの踊りもお見せしたいですね。ですから、“さようなら”ではなく、“またお会いしましょう!”と言っておきますね!」

 

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△私を驚かせようと、急にレンズの前に飛び出してきたこちらのお二人!

「ひとり10数着も着替えるんだ、いったいどのくらいの時間で早替えすると思う?2,3分だよ」「何言ってるんだ、1分だろう」「いや、1分以内かもしれない」「僕は今日はその半分の30秒で着替えてみせよう!」・・・なんて、漫才みたいな掛け合いでみんなを笑わせて、本番前もリラックス気分。

 

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△練習中は、アンサンブルのロゴマークがあしらわれたお揃いのTシャツ姿。

 

「公演のない日だって、リハーサルや練習で毎日毎日ダンス漬けなの。長い休暇がもしあったら、そのときだけはダンスを忘れて思いっきり楽しむのよ!そう、海に行きたいな。でも海外公演は楽しいわ。」「最近感動したのは、パリと・・・日本!日本に来れて幸せ。」「お土産には着物と日本刀の飾りを買ったよ。ダンスに使うのかって?う〜ん・・・それもいいかも(笑)結局ダンスを愛しているんだよね」

 

とにかく素朴で温かい人柄と、踊りに対する強くまっすぐで純粋な想いを強く感じました!次回は、そんなダンサーたちを率いる芸術監督にお話を伺います!お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

“ロシアの真珠”と謳われるバシコルトスタン共和国から初来日したファイジー・ガスカロフ記念国立アカデミー・アンサンブル。Браво!ブラボー!ときにはКаваий!カワイイ!なんて声援も飛び交い、嵐のような拍手と熱狂のなかで幕が降りました。

 

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興奮冷めやらぬ舞台上では、肩を抱き合って成功を喜びあうアンサンブルと日本側組織委員会の皆様。記念品の交換では、ちょっぴり尺八みたいな音色のバシコルトスタンの珍しい民族楽器などが贈られました!

 

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「その軽やかなステップに誘われて、心が少女に戻りました!美しい民族衣装が今も目に焼き付いています!」「卓越した技に感動しただけでなく、バシコルトスタンの国の文化や歴史、風土を感じられました!50年もの間フォークダンスを愛してきましたが、ロシアのコサックダンスのなかでもバシキールのものは迫力がありましたし、『口琴とともに』は初めてで堪能しました!」

 

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「ひとくちにロシアといっても、バシキール、カルムイク人、ウイグル人、コリャーク人などどれも独特で、ウズベキスタンやウクライナのものもあったので、踊りで世界旅行を楽しませてもらいました!」終演後に熱く語るお客様たちの笑顔が、この公演の大成功を物語っています。

 

さて、秋晴れの連休中ということもあり、取材日は開場の13時半を前にこの行列!建物にそって続いていく列の最後尾がみえないほど!一番乗りの方は、なんと午前11時過ぎからいらっしゃっていたそうです。

 

 

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それでは、この公演の舞台裏&インタビューをご紹介していきましょう!

 

 

 

前回に引き続き、ロシア文化フェスティバルIN JAPANの記念すべき1000万人目の入場者となられた,ロシア語教師の福田知代さんにご登場いただき、副賞としてペア招待券が贈られたモスクワ・サンクトペテルブルク旅行についてお話を伺います!

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ーーこの夏の福田さんのロシア旅行、タイトルをつけるとしたらどんな旅でしたか?

福田ーー8月14日に成田空港を発ち、20日に帰国いたしました。17日まで3日間サンクトペテルブルクに滞在し、18日から2日間モスクワに滞在しました。2都市合わせて5日間ロシアに滞在したのですが、そうは思えないほどの非常に濃い体験をすることができました!2008年、大学院1年生のときに研究調査のためにペテルブルクに1週間滞在したことがありましたが、そのときはほとんど観光はできませんでしたので、街をじっくり見て回るというのは初めての経験でした。そうですね、今回の旅のタイトルは……「モスクワ・ペテルブルク100%濃縮の旅」でしょうか!

 

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△噴水が美しいサンクトペテルブルグ郊外ピョートル大帝の夏の宮殿

 

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△エルミタージュ美術館にて

 

ーーペテルブルグではどのように過ごされたのでしょうか?

福田ーーペテルブルクでは、1日目にエルミタージュ美術館、カザン聖堂、血の上の教会とゾーシェンコ博物館を訪れ、2日目には郊外まで足をのばしてピョートル大帝の夏の宮殿、イサク聖堂、ペトロパブロフスク要塞を訪れました。3日目には、エカチェリーナ宮殿とアレクサンドル宮殿を訪れました。ペテルブルクの魅力を余すところなく堪能することができました!

 

学生時代に滞在されたということは、「ここは絶対に訪れたい!」という想い出の場所もあったのでしょうね!

福田ーーええ、2008年滞在中には、学生時代の研究テーマであった風刺小説作家ゾーシェンコの博物館に何度も足を運びましたので、今回もお願いしてスケジュールの中に加えていただいたんです。当時お世話になった博物館のリュボーフィさんとも再会出来て、ひさしぶりにゾーシェンコ談義に花を咲かせました。気付いたら2時間もおしゃべりしていたんですよ・・・!

 

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△ゾーシェンコの愛用していたソファにてリュボーフィさんと。

 

ーーそれは素敵な時間でしたね!それから、首都モスクワへいらっしゃったんですね。

福田ーーモスクワでは、クレムリン内の武器庫、数々の教会、聖堂、雀が丘、セルギエフ・ポサードなどを訪れました。

 

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△クレムリンの向こうに輝く救世主キリスト大聖堂の屋根

 

ーーところでさっきから気になっていたんですが・・・ペア旅行券でどなたと一緒にいらっしゃったのでしょうか?(笑)

福田ーーまっさきに顔が思い浮かんだので・・・父と参りました(笑)。父は、若いころにヨーロッパを旅して回った経験があるそうなのですが、ロシアには行ったことがなかったのです。「こういう国のこういう言語を学んできたんだよ」というのを、娘として父に紹介したい気持ちもありました。父はロシアという国を実際に見て、ロシアの人々と接して、そのスケールの大きさに感激しておりました!

 

 

ーー愛する娘さんとご旅行だなんて、お父様はさぞ喜ばれたことでしょうね!本場ロシアの文化に触れて、今どんなお気持ちでしょうか?

福田ーー今回、特に印象に残ったのは、いろいろな教会、聖堂を訪れて、ロシア正教の一端を理解できたように思えたことです。文献や映像教材などを通して、ある程度は知っているつもりでしたが、実際に教会の中に入り、イコン(聖像画)に圧倒され、儀式が執り行われている様子を目にしたことで、ロシア人の気持ちの根本をなしているものに触れられたような気がしています。劇場シーズンの幕開けは秋ですので、舞台芸術などを見る機会はありませんでしたが、ロシアに滞在できたこと自体が、私にとっての大きなロシア文化体験でした!!!

 

 

 

 

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△荘厳な美しさのイコンで飾られたロシア正教会の内部

 

ーー今回の旅を終えて、ロシアやロシア人,ロシア文化の魅力はどんなところにあると感じていらっしゃるでしょうか?

福田ーー ロシア、ロシア語について紹介するとき、私は「ロシアは、言葉を学んだその先がとても広く、とても深い。それはまるでロシアの大地の大きさ、広さ、奥深さそのものなのです」とお話しています。今回の旅を通じて、この思いは確信に変わりました。

実際に足を運ばなくても、テレビやインターネットで何でもバーチャル体験ができてしまう現代ですが、やはり生で見るからこそ感じられる素晴らしさがあると思いました。ロシア文化は高尚で近寄りがたいと思われがちですが、ロシア文化フェスティバル IN JAPANを通して、より気軽に「ホンモノ体験」をしてもらえたらと願っております。

この旅のおかげで、ロシアに興味を持っている子どもたちに,教師として提供できる情報の引き出しが非常に増えましたので、今のロシアについて、私なりの言葉で伝えていけたらと思っています。素晴らしい経験をさせていただきまして、心より感謝申し上げます!

 

ありがとうございました!

 

夏の特別企画第2弾!今回は、ロシア文化フェスティバルIN JAPANの記念すべき1000万人目の入場者となられた福田知代さんにお話を伺ってみましょう。

 

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——ロシア文化フェスティバル IN JAPANの存在を初めて知ったのは、いつですか?何がきっかけだったのでしょう?

福田——2006年に、在学していた東京外国語大学で、授業中に先生がチラシを配り、このフェスティバルについて紹介してくださいました。最初は、同級生が出場していたスピーチコンテストを見にいきました。また、夏休みには友人たちと誘い合って、富山県で行われたロシア現代美術展や、バレエ「眠れる森の美女」へも出かけました。

少女時代にバレエを習っていたので、それ以降もバレエの公演にはよく足を運びました。学生料金があったため、一つの公演でもいろいろな種類のプログラムを鑑賞できたんですよ。 特に印象に残っているのは・・・やはり、ボリショイバレエとマリインスキーバレエの合同公演でしょうか!ディシニョーヴァさんとロパートキナさんの豪華共演に胸を躍らせました。

 

——ロシアバレエに恋する学生さんだった福田さん。現在は、ロシア語を教える先生をなさっているそうですね!

福田——国連の公用語のひとつであるロシア語の美しい音の響きに魅せられて、お隣の国ロシアの言葉を学びはじめました。大学院在学中に、ロシア語の教員免許を取得し、同級生と一緒にロシア語教室を創設しました。卒業してからは、都立北園高等学校でも、ロシア語の授業を担当するようになりました。現在、授業は各学年週に1度、2時間続きです。2013年度は、1年生17人、2年生9人が履修しています。2012年からは、これに加えて早稲田大学高等学院、関東国際高等学校、筑波大学でもロシア語の授業を担当しています。東京都内でロシア語が教科として開講されている高等学校は以上の3校なんですが、全体では約110名の高校生がロシア語を学んでいることになります。ほかにも、翻訳やロシア語の辞書を作るプロジェクトのお手伝いをしています。

 

ーーそんなに多くの若い方が、高校からロシア語を学んでいらっしゃるんですね!知りませんでした。ロシア語の未来のために大活躍されている福田さん、若い学生さんたちと一緒に、ロシア文化フェスティバルのイベントにいらっしゃったりもするのでしょうか。

福田ーーええ、教室の中でロシアやロシア語について学ぶのだけでは、広くて奥深いロシアについてのほんの一部分しか感じ取ることはできないだろうとの思いから、生徒たちにロシア文化フェスティバルIN JAPANについて紹介し参加してきました。これまでに、映画祭やボリショイサーカス、写真展やピアノコンサート、民族舞踊合唱団のコンサートなどに足を運びました。

なんといっても忘れられないのは、ロシア民謡アンサンブル「ルースカヤ・ヤールマルカ」のお二人を学校にお招きして、生徒たちや教職員、保護者の前でコンサートをしていただいたことでしょうか!生徒たちも一緒に楽器を触らせていただいたりして、とても思い出深い一日となりました。

 

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ーー 今回、記念すべき1000万人目のお客様になり、オープニングレセプションでは、ステージ上で、モスクワ・サンクトペテルブルグ旅行招待プレゼントの目録とチェブラーシカ人形も贈呈されましたね。

福田ーーあのときはとても驚きましたし、私にはもったいないとも思いました。壇上ではミハイル・シュビトコイ=ロシア連邦大統領文化特別代理・ロ シア組織委員会副委員長から「怖がらなくていいよ」と言われました(笑)。笑顔でいようと心掛けましたが、やはり慣れないことで、緊張していたのだと思います。

 

 

次回は、福田さんのモスクワ・サンクトペテルブルク旅行について、たっぷりとお話を伺います。どうぞお楽しみに!!